物語 京都の歴史―花の都の二千年 (中公新書)

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  • 中央公論新社 (2008年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019288

物語 京都の歴史―花の都の二千年 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • ○この本を一言で表すと?
     平安時代以前から現代までの京都の通史の本


    ○面白いと思った点・考えた点
    ・日本史の通史の本は主要な舞台を中心に書かれているので、一都市の視点での通史というのは珍しいなと思いました。平安時代前からの京都について書かれていて京都への遷都の理由がある程度理解できたように思います。

    ・各時期における京都の地理的概要や発展している地域(条坊単位)の解説、後半は栄枯盛衰の様子が簡潔に説明されていて通史を少ないページ数の中で一望出来て良かったです。(第一章 京都の移り変わり)

    ・平安京以前の政治の中心地となる以前の京都の位置づけが書かれていました。古墳群から見ると前方後方墳などの東方からの流入もあったようであること、奈良政権時代の初期・中期でも行政上の単位である県(あがた)が設定されていたこと、渡来人系の秦氏や高麗人が勢力を揮っていたこと、最初に京都で設営された長岡京が最初から失敗の方向が見えていたことなど、平安京に至るまでの歴史が整理されていました。(第二章 平安京以前の京都)

    ・平安時代や鎌倉時代の京都の情勢がさらっと書かれた後で、京都各地の寺社の成立や謂れについて資料を基にして詳しく説明されていました。観光に行く前にまた読み返したいと思いました。(第三章 平安京・鎌倉時代の京都)

    ・南北朝、室町の京都の情勢とその移り変わりが丁寧に書かれていました。足利義満の時代に金閣や相国寺、五山等さまざまな施設を築いているのはその興隆ぶりが伝わってくるなと思いました。(第四章 南北朝・室町・戦国の京都)

    ・政所の長官である執事に伊勢氏が世襲し、その伊勢氏の家宰の蜷川氏がまた権力を持ったという構造は、実務を握る者が勢力を持つ他の事例とも似ているなと思いました。蜷川新衛門がアニメ「一休さん」に出てくる新衛門さんだと知って面白かったです。(第四章 南北朝・室町・戦国の京都)

    ・在野の宗教として浄土宗・浄土真宗・時宗・法華宗などが勢力を増していき一向一揆や法華一揆に繋がるというのは、当時の権力者や一揆の当事者である宗派側も把握しないままにボトムアップのその流れに乗っていったのかなと思いました。(第四章 南北朝・室町・戦国の京都)

    ・鎌倉中期から京都で商品経済が始まり、刀剣や扇や織物が商品として生産され、国内外に流通しているというのは今の京都ともイメージが繋がるなと思いました。扇が日本の発明だったというのは初めて知りました。(第四章 南北朝・室町・戦国の京都)

    ・徳政一揆や徳政令、そしてその対象外とする徳政免除など、権利関係が複雑になっているものの、それぞれの利害関係者の動きがそれぞれのインセンティブに基づいているように思えました。(第四章 南北朝・室町・戦国の京都)

    ・よく「安土・桃山時代」と言われますが、その桃山は明治になってから言われ始めたそうで、当時の名称ではないそうです。(第五章 近世の京都)

    ・水が豊富であったため上水道は早く整備されながらも、下水道は水の流れが悪く、京都の地理的な高さの偏りを利用して流しているそうです。(第五章 近世の京都)

    ・京都の遊郭が「島原」と呼ばれていたことは知っていましたが、「島原の乱」の様子に似ているから名付けられたというのは初めて知りました。(第五章 近世の京都)

    ・西廻航路の開発などにより京都の経済的地位が下がってから「京都は始末でもって立つ」と言われるような経済状況になり、その中でも文化では主流として立ち続けているのは首都としての立ち位置によるプライドのようなものかなと思いました(第五章 近世の京都)

    ・明治になって宗教界の動揺と、教育界で宗教界由来の学校が多く出たというのはなかなか興味深いです。宗教との関わ... 続きを読む

  • 都市としての京都の持つ歴史を古代から現代にかけて俯瞰する。文化に関しても記述が多く、興味深く読むことができた。時折関係性の薄い著者夫婦の自己紹介が挟まれる点が難。

  • 京都の原始〜現代までの歴史を一望する本。題に「物語」とあるが『源氏物語』や『平家物語』といった「物語」ではない。京都好きが高じて京都検定にチャレンジをしているが、公式テキストの副読本的な役割で使用している。この本を読んで京都に興味を持てるかといわれると難しいかもしれないが、京都の歴史参考書にはなると思う。

  • 母が買ったもの。物語っていうから、もちょっと楽しい感じを想像してたんですが、普通の新書本じゃないですか。というわけで、巻頭の地図と第一章だけ楽しみました。このシリーズのほかの本はどうなんだろう。

  • 脇田晴子さんの著書は、今まで何冊か読んできているんですが、旦那さんも研究者だったとは知りませんでした。
    夫婦での共著、ってことで、楽しみだったんですが、まあ、こんなもんですかね。
    可もなく不可もなく、って感じでした。

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物語 京都の歴史―花の都の二千年 (中公新書)の作品紹介

桓武天皇により平安京遷都が行われて以来、京の都は千年もの長きにわたり日本の中心だった。貴族の邸宅や寺社が立ち並び、都市の基礎が作られた王朝時代。武家政権が興り戦乱の舞台となるとともに、商工業が発展した中世。豪商が生まれ、学問・文化の興隆著しかった近世。今も多くの人が訪れる寺社・名社の縁起をひもときつつ、花の都と詠われた京の歴史を一望する。カラーの歴史地図を付した。

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