江戸俳画紀行―蕪村の花見、一茶の正月 (中公新書)

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著者 : 磯辺勝
  • 中央公論新社 (2008年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019295

江戸俳画紀行―蕪村の花見、一茶の正月 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 江戸時代を生きた俳人23人の俳画を巡る新書。

    俳画は現代の「イラスト」や「漫画」にも似た雰囲気があって、見るのが楽しい。あまり深いことを考えず、「かわいいなー」だとか「うまいなー」だとか「楽しそうだなー」と思いながら、つらつら観て和む。

    この新書は、そんな江戸時代の俳人23人の俳画をそれぞれ一つずつ取り上げ、語っていくものである。
    23人もの俳人を紹介しているので、一人ひとりに割かれるページ数はそう多くない。それゆえ、あまりお堅い印象はなく、むしろ俳画をめぐる端正なエッセイ集にも似た味わいである。

    軽妙な語り口ながらも、それぞれの俳人の作品やエピソード、生まれや人間関係などを通して、その個性や人柄に触れるような文章が読んでいて心地よかった。

    この中で私が特に惹かれたのは、井原西鶴を取り扱った章である。
    西鶴は、以前からなんだか気になる人だと思っていて、その人間性についてもっと知りたいと思っていた。すると、本書で西鶴のことを「月夜をゆく男」として、「心に何か言い知れぬ寂寞を抱いていた」人間だったのではないか、という文章に突き当たった。

    「西鶴は一昼夜に2万3千余句を吐くという離れ業をやってみせ、談林俳諧の先頭を切って走り、『好色一代男』を書き、おそらくは絵も描いた。なんでもできた。だが、人間西鶴は、暗いとか陰気というのではないが、ただ月の下を一人で歩いていた人であるような気がする。」p24より

    これを読んで私は「まさに!」と思った。
    私が気になるのも、まさにその「なんでもやって、デタラメにすごくて、しかも巨大な寂寞感」を感じるところなのだ。
    うーん、西鶴、気になるぞ。。

  • 俳人たちの生き方を俳画を通して探る本。
    句に絵をつけるというシンプルさは絵手紙にも通じるが、不思議な物悲しさやおかしみも感じさせる。これが俳趣というものなんだろう。
    俳句って面白いと思えた。そして江戸の人々のセンスに驚愕。

  • 近代俳句の歴史というのは、正岡子規からこちら、まだ100年ほどの歴史だ。それ以前の俳句の歴史、それを支え、築き、育ててきた人たちのことについては、余り多くのことを知る機会がない。蕪村だ一茶、千代女、西鶴といったところはまだ知るところがないわけではないが、冒頭の横井也有であるとか松岡青蘿となると、これまでお目にかかったことがなかった。俳句プラス画で俳画となるのだが、その俳人たちの歩く人生を含めて考えると、その句、その画の味わい方も代わってきそうだ。青蘿の句「のらねこのわなにまたるる恋路かな」の句と画には、感心した。

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