ジャガイモの世界史: 歴史を動かした「貧者のパン」 (中公新書 1930)

著者 :
  • 中央公論新社
3.46
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本棚登録 : 631
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019301

作品紹介・あらすじ

南米生まれのジャガイモは、インカ帝国滅亡のころ、スペインに渡った。その後、フランスやドイツの啓蒙君主たちも普及につとめ、わずか五百年の間に全世界に広がった。赤道直下から北極圏まで、これほど各地で栽培されている食物もない。痩せた土地でも育ち、栄養価の高いジャガイモは「貧者のパン」として歴史の転機で大きな役割を演じた。アイルランドの大飢饉、北海道開拓、ソ連崩壊まで、ジャガイモと人々をめぐるドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。話が脱線しそうで脱線しない。

  • 383
    [南米生まれのジャガイモは、インカ帝国滅亡のころ、スペインに渡った。その後、フランスやドイツの啓蒙君主たちも普及につとめ、わずか五百年の間に全世界に広がった。赤道直下から北極圏まで、これほど各地で栽培されている食物もない。痩せた土地でも育ち、栄養価の高いジャガイモは「貧者のパン」として歴史の転機で大きな役割を演じた。アイルランドの大飢饉、北海道開拓、ソ連崩壊まで、ジャガイモと人々をめぐるドラマ。]

    目次
    第1章 オホーツク海のジャガイモ
    第2章 ティティカカ湖のほとりで―ジャガイモ発祥の地
    第3章 ペルー発旧大陸行き―そしてジャガイモは広がった
    第4章 地獄を見た島―アイルランド
    第5章 絶対王制とジャガイモ
    第6章 産業革命と「貧者のパン」
    第7章 現代史のなかのジャガイモ、暮らしのなかのジャガイモ
    第8章 日本におけるジャガイモ
    終章 「お助け芋」、ふたたび?

    著者等紹介
    伊藤章治[イトウショウジ]
    1940年(昭和15年)、旧満州(現・中国東北部)に生まれる。1964年、名古屋大学法学部卒業。中日新聞社(東京新聞)社会部、バンコク支局、文化部勤務などを経て、1998年、編集委員兼論説委員。2001年から桜美林大学教授。専攻・環境史

  • じゃがいも日本含めた世界中のさまざまな事件にからんでおり、活躍していることがわかる。逆にいうとジャガイモを通して世界の有名な出来事に触れられるため、世界史というものに少し興味がわいた。

  • 2022/6/19
    アンデス地方、高山気候の都市を中心に盛んに栽培されているじゃがいもは、今や世界の至る所で食べられていて、人々の食卓には欠かせないものとなっている。
    もちろん日本も例外ではなく、現在でもじゃがいもで作られた食べ物や、料理の際にじゃがいもが必要になるものは数多存在する。
    そんなじゃがいもに焦点を当てて、じゃがいもという切り口から世界の歴史を見ていった本である。じゃがいもの広がりと、その国で起きた出来事は実は深く結びついていてじゃがいもの存在が多くの人々を窮地から救ってきたことがこの本を読むととてもよくわかります。
    また、植物学の観点からのじゃがいもの利点、アンデス地方からどのようにして世界へ広がっていったのか、日本ではじゃがいもはどのようにして広がっていったのかなど今まで当たり前に食べていたじゃがいもについてこれほど深く考察してある本は本当に珍しいのではないかと思います。
    じゃがいもの普及も人々の歴史と切っても切り離すことはできず、とても深いつながりになっていることや、世界の征服の歴史の背景に食の歴史としてのじゃがいもがあり、とても読み応えがある本だと思いました。

  • 独特なタイトル通り面白かった。
    ジャガイモを食べるときに感謝の気持ちを忘れないようにしようと思います。

  • 2021年4月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00241049

  • 「○○の歴史」を読むのは趣味みたいなものだが、歴史の大きな流れと○○が交錯するのが楽しい。

    交易だけでなく、侵略行為や戦争によって酒や食べ物が別のエリアに渡ったり、○○の普及に歴史上の偉人がかかわっていたりする。

    教科書上の史実や人物が急に生き生きと動き出すから不思議なものだ。

    本書は、サブタイトルに「貧者のパン」とあるとおり、困窮史とジャガイモ史を重ね合わせた一冊。

    清水安三(桜美林学園の創立者)とか川田龍吉(男爵イモの由来にして実業家)、志方之善(初の女医・荻野吟子の夫)なんかは、別途調べてみたくなった。それにしても大原孫三郎(クラレほか多数の企業にかかわり、社会貢献事業が半端ない)はいろんなところに出てくるなあ。すごい。

    ま、本書は本書でアリなんだけど、品種(改良)とか料理とか、別のアプローチからの歴史も読んでみたくなった。

    世界的に定着し、さまざまな食べられ方をしているのは、「飢えをしのげる作物だった」だけじゃないはずだろうから。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1章 オホーツク海のジャガイモ/第2章 ティティカカ湖のほとりでージャガイモ発祥の地/第3章 ペルー発旧大陸行きーそしてジャガイモは広がった/第4章 地獄を見た島ーアイルランド/第5章 絶対王制とジャガイモ/第6章 産業革命と「貧者のパン」/第7章 現代史のなかのジャガイモ、暮らしのなかのジャガイモ/第8章 日本におけるジャガイモ/終章 「お助け芋」、ふたたび?

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    ジャガイモの歴史というよりも歴史上でジャガイモが大きく関わっていたエピソードが集められた本ではないかと思う。
    しかし、南米をスタート地点に全世界にジャガイモが波及していく様子は中々に面白いが小麦や米といった従来の主食に比べ、ジャガイモが普及する状況は前の2つを育てる事が難しい状況で育てられることが多く、結果的には関わる人々も厳しい状況に置かれていることがなんとも言い難い感じだった。
    しかし、現代の日本でもジャガイモは主食ではないは、肉じゃが、コロッケ等で欠かせない食材出ることには変わりない。今後もジャガイモとは長く付き合えると良いと思う。

  • 20180622

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著者プロフィール

1940 年(昭和15)、旧満州(現・中国東北部)生まれ。1964 年、名古屋大学法学部卒。同年、中日新聞社(東京新聞)に入社、四日市支局、社会部記者、バンコク支局長、東京本社文化部長などを経て、1998 年、編集委員兼論説委員。2001 年から2010 年まで桜美林大学教授。現在、同大名誉教授。
主な著書に、『原点・四日市公害10 年の記録』(ペンネーム小野英二、勁草書房、1971 年)、『震災無防備都市』(共著、勁草書房、1979 年)、『タイ最底辺』(勁草書房、1984 年)、『現場が語る環境問題』(同、1995 年)、『夢みたものは――アジア人間紀行』(幻冬舎、1996 年)、『ジャガイモの世界史』(中公新書、2008 年)、『レバノン杉物語』(共著、桜美林学園出版部、2010年)、『風と風車の物語』(論創社、2012 年)など。
現在、「古文書一九会」「火曜古文書会」「横浜古文書を読む会」会員。

「2024年 『江戸の風に聞け! 武州磯子村から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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