物語 メキシコの歴史―太陽の国の英傑たち (中公新書)

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著者 : 大垣貴志郎
  • 中央公論新社 (2008年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019356

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物語 メキシコの歴史―太陽の国の英傑たち (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 新大陸の発見から、近代まで、怒涛のメキシコの歴史を一望することができる。メキシコ人の微笑みの仮面を一枚ずつめくることで、複雑で痛みの多い歴史が少しわかった。

  • ○この本を一言で表すと?
     歴史上の人物に焦点を当てて書かれたメキシコの通史の本


    ○この本を読んで面白かった点・考えた点
    ・時代ごとに存在した人物に焦点を当てて書いていて、どんな人がどのような時代にどのような歴史を残したのかが書かれていました。今まで知らなかったメキシコに関するトピックにいくつも当たることができ、また世界史の本で登場するエピソードも出てきたのでそれらとの関係が分かったのは良かったです。

    ・アメリカ大陸が他の大陸とほとんど交流がないままに独自の文明を築き、その中でも大規模な施設を建設したり自分たちの文字を作ったりしていることは、ある天才が存在したから発展したというよりは、長い時の中で人が集まるといろいろ編み出せるものなのだなと改めて思いました。(第一章 文明との出合い)

    ・マヤの数字や文字はなかなか読めるようになるまでは大変そうですが、物理学者のファインマン氏はこのマヤの数字や天文学に興味を持ち、大学で講義ができるようになったそうで、すごい話だと改めて思いました。ある意味パズルみたいで解析が面白いかもしれませんが。(第一章 文明との出合い)

    ・いろいろな本で知りましたが、改めてスペイン人の侵略ぶりはすごいなと思いました。16世紀に先住民のほとんどが死んだ第一の原因は免役を持たない病原菌のせいかもしれませんが、搾取や搾取的な強制労働などの相乗効果でもあったのだろうと思いました。そんな中で、ラス・カサス神父のように良心的な人物が何人も存在したのはキリスト教などの宗教の良い一面かもしれないなと思いました。(第二章 搾取と布教の時代)

    ・フィリピンでもそうでしたが、カトリックは現地の土地や人物が聖地化されたり聖人化されたりするところが面白いなと思いました。(第三章 独立記念日)

    ・クリオージョ(現地生まれの白人)のイダルゴや、メスティソ(白人と現地人の混血)のモレーロスがそれなりに大きな動きを作りながらも挫折したこと、軍将校のイトゥルビデがイダルゴやモレーロスのあとでクーデターを起こし、あっさりと成功させてしまって皇帝になること、アグスティン一世となったイトゥルビデがあっさりと失脚し、亡命したのちにメキシコに戻って処刑されることなど、誰かが動いて失敗しながらその屍の上を次の者が続くような歴史の積み重ねが興味深いなと思いました。(第三章 独立記念日)

    ・軍人として成功してトップまで上がっていったサンタ・アナの時代に起こった米墨戦争による領土喪失が今のアメリカとメキシコの領土を確定しているのだと思うと、ある人物の失態が国家にとって後々まで響くというのは日本でも言えることだなと思いました。(第四章 憎き星条旗)

    ・サンタ・アナの扇動者としての能力はヒトラーを彷彿させるなと思いました。(第四章 憎き星条旗)

    ・フアレスとオカンポのような先住民が法律系の方面で頭角を現して政治上の実績を残すというのは、法律に関することは知識や能力以外のことが求められにくい領域だからなのかなと思いました。(第五章 先住民の勇ましさ)

    ・レフォルマ戦争が保守派、自由主義の対立で国内の対立が起こり、オカンポやデゴジャードのような自由主義派の人物が保守派に暗殺されるなど、国内の人材を失う争いになったというのは、どの国でも起こりそうな話だと思いました。(第五章 先住民の勇ましさ)

    ・オーストリア帝国の皇帝の弟であるマクシミリアンとベルギー王家の娘のカルロッタの夫婦がフランスの支持を得てメキシコに乗り込み、ついには皇帝となりながらフアレスの反抗でついに追いやられてマクシミリアンは処刑、カルロッタは発狂したという話は、出来過ぎた悲劇のようだなと思いました。(第六章 白昼夢をみた皇帝... 続きを読む

  • 様々な英傑たちの生涯とともに、メキシコの独自の文化と歴史の成り立ちがわかりやすく説明されている本。長短関わらず、メキシコに行く機会がある人は必読。

  • マヤ、アステカに知られる先住民の時代からスペインの支配、アメリカの干渉など他国に翻弄されながらも「混血」としてのアイデンティティを築いてきたことが現在のメキシコの根本にある。あまりの革命の多さに驚いたが、民族性に拠る所があるのだろうか。

  •  メソアメリカ文明圏のはじまりからスペイン人に征服された時代、独立革命、レフォルマ戦争、ベニート・フアレスの時代、ポルフィリオ・ディアスの時代、を経てメキシコ革命、さらに2000年、一党独裁を続けてきた制度的革命党PRIが、国民行動党PANに敗北するまでを、他の歴史家の観点も参考にしながら概観したもの。
     メキシコに旅行に行き、テオティワカンやツェツェンイツァ、ウシュマルなどの遺跡を見てきたので、興味を持って読んでみたが、古代文明の部分は1章だけだった。あとはスペイン人がやってきてから植民地時代の話も興味深く、ラス・カサス神父の『員ディアスの破壊についての簡潔な報告』も、岩波文庫でたまたま見つけて買ってみた。あとの1810年以降の政治史が9章中の7章を占めているが、ぱっと読んだだけでは分かりにくい。けど要するに、保守派と自由派の間で内乱が続き、貧富の差が激しく資本主義も成熟せず、アメリカやフランスから干渉され、そんな中で、本書の副題である「太陽の国の英傑たち」がかわりばんこに出てくる、という物語であることが分かった。ヨーロッパの歴史にも随分関係ある部分があり、ヨーロッパの政治史に興味がある人も面白く読めると思うが、そうでもなければあまりピンとこない。(10/10)

  • 2010年8月16日読了

    メキシコの歴史について、概説的に記述した本。特に、1820年の独立以降を、主要人物を中心にして記載している。メキシコが国としての独自性をだしていくところがよくわかった。

  • メキシコに旅行に行く人には絶対お勧め。

    本当に面白い。
    たくさんの人間たちによって、
    歴史がつくられ、国がつくられ。
    メキシコというとても特殊な国、文化、民族。
    すごくよくわかります。

  • 成熟した国となるまでの苦労の記録。個人的にメキシコ人は好きなんだけど、メキシコという国で考えるとどうなんだろう。

  • 「太陽の国」「仮面をかぶった国」と陽気な顔とそれに似合わぬ混沌と混乱の歴史をたどった国メキシコの通史です。メソアメリカの諸文化からコルテスによる「征服」、イダルゴらによる独立運動から「建国の父」フアレスらによる保守派と自由主義派の抗争「デフォルマ戦争」、夢想家マクシミリアン1世による空しき帝政、再びフアレス政権、そしてディアスの独裁、「象に戦いを挑んだ細菌」マデロ、メキシコ革命を駆け抜けたパンチョ=ビリャやサパタ、そしてカランサ、カルディナスと、さまざまな英傑達がちりばめられてます。一般向けのメキシコ通史がほとんど無いためこういった本は重宝しますが、ただちょっと個々人の動きが分かりにくいような気がします。もう少し一人一人の人間を焦点を絞って書いてもらうと読解力の乏しい私にはありがたいと思います。それにしても、「アメリカに最も近く、天国に最も遠い国」という形容は、メキシコが背負った、陽気なメキシカンの仮面のしたに隠された“何か”を感じさせてくれます。

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物語 メキシコの歴史―太陽の国の英傑たち (中公新書)の作品紹介

「太陽の国メキシコ」と言えば、わたしたちは陽気なマリアッチや古代文明を思い起こす。だが重層的な民族構成や文化をもつメキシコは、「仮面をかぶった国」と言われ、なかなか素顔を見せない。この複雑なメキシコの歴史を、マヤやアステカにはじまり、植民地時代、レフォルマ戦争、メキシコ革命などをへて現代まで概説するとともに、イダルゴやサパタなど、それぞれの時代を特徴づける神がかり的な英雄たちを紹介する。

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