学歴・階級・軍隊: 高学歴兵士たちの憂鬱な日常 (中公新書 1955)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019554

感想・レビュー・書評

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  • 本書の考察を象徴し、かつ通底しているする一文が冒頭でこう述べられている。「岸野中尉は我々学徒兵が―つまり教育のある人間が憎いんですよ。」ただ、同じ高等教育機関の中でも歴然とそこで経験した「教育」に、区別がなされていた。学歴は軍・兵自身にとって、かなり依存度の高いファクターであったことが、本書全般から味わうことができる。

  • [ 内容 ]
    戦前の日本で、旧制高校から帝国大学へと進む学生たちは、将来を約束されたひと握りのエリートであった。
    彼らはある時期まで、軍隊経験をもつ時でさえ、低学歴者にはない優位を与えられた。
    それが、第二次大戦もたけなわとなる頃から、彼らも過酷な軍隊生活を送らざるを得ない情況となる。
    本書は、最も「貧乏クジ」を引いた学徒兵世代の恨みと諦めの声を蒐集し、世代と階級を巡る問題を照射するものである。

    [ 目次 ]
    序章 わだつみが聞いた声―高学歴兵士は何を体験したか
    第1章 月給取と腰掛OL―高学歴兵士はなぜ嫌われたか
    第2章 エゴイストを撃て―高学歴兵士はどこでつまずいたか
    第3章 帰ってきた学徒兵―高学歴兵士はいつ追悼されたか
    第4章 エリートの作り方教えます―高学歴兵士はどう教育されたか
    第5章 アプレゲールの高学歴兵士―山崎晃嗣という一例

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 趣味の問題なんだろうけれど、内容如何よりも文章の書き方が好きじゃない。だからとっても読み辛かった。

  • 【後半】軍国教育が生んだエリート意識やソレに対する「妬み」が
    戦時中から生み出されていて、それは戦後の同世代間においても影響が出たとする
    話が印象に残った。

    社会の多様性、様々な考えがあって当たり前の時代であったことを印象づけた。
    「徴兵退避」に対する「後ろめたさ」など、民衆の考えが見えて面白い。



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