英語の歴史: 過去から未来への物語 (中公新書 1971)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019714

作品紹介・あらすじ

5世紀半ば、ブリテン島の一部でのみ使われていた英語は、現在、15億人が使う国際言語へと成長した。英語は8世紀以降、北欧語、ラテン語、フランス語といった「侵入者」たちから、16世紀以降は英国人の海外進出に伴いアメリカ、アジアの言語から、語彙・綴り・文法など様々な影響を受けて創られてきた。本書は、現代英語を意識しながら1500年の歴史を概観し、近代英米社会で急変する姿とその未来を描くものである。

感想・レビュー・書評

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  • わかりやすい。面白くてワクワクした。

  • 日本人なら誰もが学校で英語を勉強するけど、英語に関する疑問はスルーしていることが多いと思います。なぜ人称代名詞だけがyou,your,you,yoursと格変化するのか(そもそも格って何だろうか)、なぜsea,marine,oceanなど似たような意味で全然違う単語が多いのか、なぜnameをナーメではなくネイムと読むのか…日本語とは全然違う言語である以上、まずは「そういうもの」として学ぶしかないのですが、英語の歴史をひもとくと、そのあたりも分かってきます。

    ブリテン島に渡来したアングル人の言語に、キリスト教(ラテン語)やヴァイキング(故ノルド語)が混ざって古英語ができる。ノルマン公がイングランド王になることで、フランス語が混ざって中英語ができる。多様な人々の交わりの中で、文法は簡素化され、様々な出自の似たような語彙が併存することになります。もちろん外来の影響だけでなく英語内部でも変化は起きていて、大母音推移で発音が変ってしまいます。

    歴史の中で他言語と混ざり合い変化してきた英語が、ブリテン島から世界に広がった後にどう変化するのか。6章は現代の話で、やや「英語の歴史」から外れるような感もありますが、英語の変化という視点を著者は大事にしているということなのでしょう。日本語は語彙さえ覚えれば千年前の文章でも読めますが、英語は同じ千年で激変する、その違いを楽しむ視点が得られたように思います。

  • 『201207 語学強化月間』

  • 英単語の綴りと発音、なんで違いがあるのだろう。
    同義語がいくつもあるのはなんでだろう。

    そんな疑問が少しとけました。

    いろんな国の言葉と取り入れてきたせいで…
    人々が使っていくうちに、書き言葉と喋り言葉が違っていってしまった。
    同じ意味でも微妙にニュアンスの違う言葉がふえてしまった。

    英語はいろいろな国・文化とかかわることで、大きく変化してきた言語なのでした。

  • 5世紀半ば、ブリテン島の一部でのみ使われていた英語は、様々な言語の影響を受けて、国際言語へと成長した。現代英語を意識しながら、1500年の歴史を概観し、近年英米社会で急変する姿とその未来を描く。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40094337

  • 近縁の印欧語との関係から始まり、各契機ごとに3期に分けて英語の変容を解説。とくにグローバル化した世界での現代英語の特徴と今後の未来に紙幅を割いている。他言語と比べ文法の制約の緩い英語であればこそ、多様な社会の変化に応じて自在に用いられることがよくわかる。

  • 今や完全に国際語としての地位を確立し、15億人もの人に使われているという、英語。
    しかし、もとは小さなブリテン島の一部で話されていた言葉に過ぎなかった。
    紀元前1000年ごろからブリテン島に住み始めたケルト民族を傍へ押し退けて、ゲルマン民族の大移動によりゲルマン系の人々が住み着き、英語の歴史が始まった。それ以降、デーン人の侵略、キリスト教の伝来、ノルマン征服により、フランス語を話す王を戴くなど、さまざまな紆余曲折を経て今の英語があり、今も変化し続けている様子が描かれた「物語」。
    大学時代、この本に出会えていたら…この本を起点に、参考文献をひもとき、英語史を学びたかった。とてもわかりやすく、英語という言語が歩んできた歴史が読み通せる本です。

  • 英語の歴史が分かりやすく説明されている。古英語、中英語、近代英語、現代英語。そして未来への視点もあり分かりやすい。

  • 17/05/01。

  • 英語の歴史だけでなく、現代の英語の発展や多様化について多く触れていたのが興味深かった。今日、様々な地域・人々によって英語が話され、変化も大きい。英語を学ぶものとしてどのように捉え、判断していくかということも大切だなと思った。

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著者プロフィール

ブラウン大学大学院言語学科博士課程修了。Ph.D. 東京大学大学院教授。主要業績: 『英単語の世界—多義語と意味変化から見る』(中央公論新社、2016年)、『聖書でたどる英語の歴史』(大修館書店、2013年)、『英語の歴史—過去から未来への物語』(中央公論新社、2008年)、など。

「2018年 『英語教師のための英語史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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