諸子百家: 儒家・墨家・道家・法家・兵家 (中公新書 1989)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121019899

作品紹介・あらすじ

春秋戦国時代、諸国をめぐって自らの主張を説いた思想家たち。彼らの思想は、その後の中国社会の根幹を形づくったのみならず、日本をはじめ東アジアにおいても大きな影響力を持った。一九九〇年代には大量の古代文献が発掘され、これまで謎とされてきた事柄も解き明かされつつある。新知見をふまえ、儒家(孔子・孟子)、墨家(墨子)、道家(老子・荘子)、法家(韓非子)、兵家(孫子)などの思想と成立の過程を平易に解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 諸子百家の要点と、その成立背景や、諸子百家同士の関係性を書いている。
    諸子百家それぞれの原典を読んだことが前提として記述されている。

    洞察に富み、原典を読んだだけでは分からないことにもたくさん触れられていて、諸子百家の理解が深まりとても楽しめた。

  • 新出土文献の発見について丁寧に記述されている。この新出土文献により、諸子百家の研究に見直しが行われており、その解説がなされている。読んでいて楽しい本。

  • 二千以上も昔の中国、春秋戦国時代。よろずの思想の最高峰だったであろう、「儒家」「墨家」「道家」「法家」「兵家」。 やはり、その思想の性質からある意味絶滅した「墨家」に興味を深く持ったが、これらの書簡が発掘されたのは近年。まだ日の目を見ない、数ある思想に思いを馳せるとロマンがある。『五十歩百歩』など、そもそもの意味を履き違えていた言葉などもあり、中華思想を辿る旅の奥深さをまた知る。

  • 図書館で借りた。
    諸子百家を「本当にそんな事言っていたのか」といった考古学的観点からも考察されている本。

    中公新書らしく、レベルが高いなぁ~と感じると同時に、自分には基本的な知識が定着していないと感じさせられた。~家は…だっけ?というレベルのワタシには、最初から掘り下げられると、中々ついていけなかった。もっと基本的な本から読もうと思った。

  • 儒家(孔子・孟子)、墨家(墨子)、道家(老子・荘子)、法家(韓非子)、兵家(孫子)について、解説。
    中国の春秋戦国時代に成立した思想。紀元前にこのような思想家たちが現れていたと思うと凄い。
    一冊で諸子百家の入門書として良書。

    墨子、韓非子、孫子について、もう少し詳しく知りたくなった。

  • 『諸子百家――儒家・墨家・道家・法家・兵家』
    著者:湯浅邦弘(1957-)
    初版刊行日;2009/3/25
    判型:新書判
    ページ数:312ページ
    定価:本体840円(税別)
    ISBN:978-4-12-101989-9

    春秋戦国時代、諸国をめぐって自らの思想を説いた思想家たち。彼らの思想は、その後の中国社会の根幹を形づくったのみならず、東アジア、日本においても大きな影響力を持った。一九九〇年代には大量の古代文献が発掘され、これまで謎とされてきた事柄も解き明かされつつある。新知見を踏まえながら、儒家(孔子・孟子)、墨家(墨子)、道家(老子・荘子)、法家(韓非子)、兵家(孫子)などの思想を平易に解説する。
    http://www.chuko.co.jp/shinsho/2009/03/101989.html

    【簡易目次】

    序章 新出土文献の発見と諸子百家
    第1章 諸子百家前史――新出土文献の語るもの
    第2章 君子とは誰か――孔子の思想
    第3章 人間への信頼――孟子の思想
    第4章 特異な愛のかたち――墨家の思想
    第5章 世界の真実を求めて――道家の思想
    第6章 政治の本質とは何か――法家の思想
    第7章 戦わずして勝つ――孫子の思想
    終章 諸子百家の旅

  • 社会
    思索

  • 儒家・墨家・道家・法家・兵家それぞれの思想の概略が、最新の発掘・研究を踏まえた上で解説される。

    諸子百家という言葉の存在は知っていたが、主要な思想について説明しろと言われると難しかった自分。本書は各思想のエッセンスが説明されており、概略を知りたい人にはうってつけだ。重要事項には原文(書き下し文)とその訳文を載せてくれているところも嬉しい。

    古代中国における思考が今も伝えられているということは、取りも直さずそれが時代を越えた普遍的な価値を持つものであるからだろう。そしてその種類はさまざま。単に思想内容を知るだけでなく、どの考え方が自分にしっくりくるか、自分に引きつけて考えるとより面白い。個人的には墨家のストイックな姿勢が気に入った。本書には「義の貫徹、さもなくば死。これが墨家の信条であった」とあるが、この思想を貫徹しようと思うと、現実世界において所謂"幸せ"を得ることは難しくなりそうだなぁ…。

  • 諸子百家について、近年新たに出土した文献を踏まえて、網羅的に分かり易く解説している。
    諸子百家が活躍したのは、紀元前722年から秦の始皇帝が天下を統一した紀元前221年まで約500年続いた春秋戦国時代で、各国が、自国の存立や理想的国家の建設のために、優れた思想家を優遇して招き、場合によっては宰相や将軍として抱える中で、思想家達が自由に自らの思想を構築し、諸国を巡って熱き夢を説いたという時代背景があった。
    諸子百家の時代を切り開き、人間の善性を高く評価して「天命」の思想を掲げた“儒家”。
    「兼愛」・「非攻」の理念を掲げて天下を駆け巡りながら、秦漢帝国の誕生と共に姿を消した“墨家”。
    「上善は水の如し」と説き、さかしらに振る舞わず、多くのものを持たず、宇宙の本源である混沌とした無の状態「道(タオ)」を理想の姿とした“道家”。
    為政者の仁徳ではなく、法による統治を説いた“法家”。
    「戦わずして勝つ」を唱えた“兵家”。
    現代中国の共産党が、その一党統治の正当性を儒家思想の「天命」に求めていることは間違いないが、2000年以上前の中国に中央集権的な国家が存在せず、群雄割拠の時期が長く続いたために、これほど多様な思想、思想集団が時を同じくして登場し、しかも、その多くが現代にも極めて大きな影響を与えていることは、驚くべきことである。
    (2010年3月了)

  • タイトルの如く諸子百家を解説。

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著者プロフィール

大阪大学大学院文学研究科教授

「2016年 『増補改訂版 懐徳堂事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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