- Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121020048
作品紹介・あらすじ
日本の大学はどのような経過をたどって生まれたのだろうか。本書は、その黎明期のダイナミックな展開を二巻にわたって、つぶさに描くものである。上巻では、明治一〇年の「東京大学」の設立と一九年の帝国大学誕生の成立から説き起こす。その後、帝国大学が自己変革していくさまと、帝国大学に対するかのように生まれる官立・私立の専門学校の隆盛へと物語は進んでゆく。人と組織が織りなす、手に汗握るドラマ。
感想・レビュー・書評
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明治維新、教育制度を西欧にキヤッチアップさせる国策。
伊藤博文は、①憲法②教育が国家の背骨。
東京帝国大学を先行させるが、問題は国全体のシステム。
帝国大学からのアプローチと、初等・中等教育の充実が噛み合わない。日本語と外国語のギャップ。予科3年の負担。
大学制度の拡充が鍵。帝国大学だけでは財政負担が限界。
私立大学の活用が不可欠だが、定見が定まらない。
早稲田大学・慶応義塾大学はさすが王道。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[初版]2009年5月25日
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA9002400X -
藩校や寺子屋から、東京大学や各地の帝国大学へかわっていったのか。
私塾がどのように大学に変わったのかわかる。
発足当初は明確な理念、富国強兵、殖産興業を旗印に国づくりに必要な人材を育成する、欧米に頼る人材を国内に輩出することを目的として大学は設置された。
その後制度が整備される反面、各大学の個性は薄れる形に。
国立大学が国立大学法人となり、改めて大学はなぜ存在するか、大学の総体ではなく個別のアイデンティティが問われるようになる。現代の大学の位置付けを考えるための一助になればと思い本書を手に取った。解は得られないが歴史は非常に面白い。ある意味本書は会社で言う創業者の思いを伝え聞くようなものかもしれない。
そうすると、何代も後のサラリーマン経営者がいまの大学の経営にリーダーシップを持つことは難しいのかもしれない。
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PhDの研究のために読む。
明治維新から150年くらいが経つが、いかに短時間当時の構造が現状を規定しているかが分かる。特に、帝国大学=東大の怪物ぶりが興味深い。
また、私学のルーツもよく理解し、いわゆるアカデミアではないことがよくわかった。
今後、色々と読み返すことになるだろう。 -
987円購入2011-01-25
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日本の大学の設立の経緯、特に東京大学がどのような経緯で誕生し、国立と私立がどのように位置付けられていたのが良く分かる。大学論考える上では必須本だなぁ。
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コメントは下巻にまとめて
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教育社会学の第一人者の手による,日本の高等教育の本格的な通史.上巻では帝国大学の誕生から講座制の導入,それらに対抗する私学の動きを追う.