マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書)

  • 229人登録
  • 3.55評価
    • (8)
    • (28)
    • (25)
    • (5)
    • (1)
  • 36レビュー
著者 : 菅正広
  • 中央公論新社 (2009年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121020215

マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 面白かった。なぜ日本でマイクロファイナンスが活発化しないか、どうしたら企業が社会活動に目を向けるかというところには結局市民社会意識の役割も大きいのではないかと感じた。

  • 官民協力して貧困問題の解決を。

  • 2013/09/30
    経済学的になぜマイクロファイナンスが成り立つか解説してる部分はいいね。

  •  最近、社会的な問題に対して非営利事業(慈善や政府)ではなく最低限以上の採算を得るビジネスとして取り組む「ソーシャル・ビジネス」が注目されつつありますが、マイクロ・ファイナンスはその先駆けだといわれたりします。

     基本的な仕組みは、貧困者への無担保少額融資によって貧困者が貧困から脱出するためのきっかけを作るというものです。貧困者へお金を貸しても収入をもたない貧困者は返済しようがないわけですが、いいかえれば、収入を得られる見込みのある貧困者にお金を貸すことで自立を促すことができるとすれば、それは経済の活性化の基盤となるわけですね。

     では、その貧困者とはどのようなものか。一言でいえば「自分の能力を活用できる層」ということですが、じつは先進国である日本にも貧困が存在し、そのなかにも、ほんらい「自分の能力を活用できる層」がいる。そしてそこにマイクロ・ファイナンスを導入する意義があるといいます。そして、マイクロ・ファイナンスを日本に導入するためのビジネスモデルも検討されています。

     本書を読んでみると、企業や金融機関、貸し手と借り手、貧困者、いろいろな存在が社会との関係のなかで活動しているということを認識せずにはいられません。この考え方から企業の社会的責任などということがいわれますが、同時にそれを評価する人々も社会的存在でなくてはならないのではないでしょうね・・・。明るい未来への道のりは見えますが、遠いです。

  • 日本の相対的貧困(全国の平均家計所得の半分以下の収入しかないこと)率はOECD加盟国中ワースト4位。深刻な貧困が着実に進行している日本。他方、世界ではグラミン銀行をはじめとして、マイクロファイナンス(貧困に苦しむ人たちに提供する無担保融資サービス)が積極的に行われており成果をあげている。いまや、発展途上国のみならず先進国の間にも普及が進んでいるという。日本の窮境脱出の切り札ともなりうる日本版マイクロファイナンス。熱い期待が膨らむ。

  • マイクロファイナンスの具体的な事例を例示してその仕組みを解説する本かと思いきや違いましたね。

    世界の絶対的貧困や先進国の相対的貧困に関して触れ、特に日本の現状、つまり相対的貧困層がどの程度いるのか、彼らをどうマネジメントしていくべきかの選択肢の一つとして、従来の金融機関と違うマイクロファイナンス機関を挙げていたりします。

    相対的貧困層が潜在的にどの程度いるのか、具体的な数値をあげ、生活保護をこれまでの制度のまま拡大していった場合莫大な支出が発生する、ようなことを数値を示しながら議論しています。また、マイクロファイナンス機関の例を挙げて、そのシステムについて説明したりしています。

    特に焦点が先進国、日本であった為、まぁこれはこれで良いと思うのですが、新興国でのマイクロファイナンスについての説明を拡充させて欲しかったなぁと言う感じですかね。まぁ容量的な問題もあったでしょう。

  • マイクロファイナンスについてよく分かる。

    日本でも5日に一人、餓死してる。
    貧困の定義。

    でも一番勉強になったのは“Boys be ambitious!”に続く言葉。

  • マイクロファイナンスはバングラデシュの
    グラミン銀行が有名なので、開発途上国の貧困対策として
    活用されているものとのイメージでしたが、
    米英仏など先進国でも貧困層向けに行われていると。
    しかし日本ではマイクロファイナンスは細々としか
    おこわなれておらず、本書でもなぜ日本ではさかんにならないのか、
    と問題提起はしております。
    本文に切れ切れに説明がありますが、
    通読しても「なぜ無いか」はうまく理解できませんでした。
    また、著者は元官僚のようですが、
    金融実務に関しては精通してはいないようで、
    ところどころ説明がおかしい点や、理想を追っているためか
    営利事業への敵意を表わすような発言も散見されますね。
    資金調達には既存民間金融機関の力も必要でしょうから、
    できることを互いにするためには、
    相互理解が必要ではないでしょうか。

  • マイクロファイナンスを日本でどう普及させるかという事に焦点をおいていた一冊。
    マイクロファイナンスの解説に終わらず、先進国でマイクロファイナンスが導入された事例から日本にはどのようにすれば導入できるかについて言及している、。導入が”難しい”と言われる理由に対して、解決策をいくつか提示しているのがこの本のいいところかと思う。

    おー、ならやってみればいいじゃんって思うけどそうもいかないのかな。
    労働力を提供するボランティアも尊いけど、ユヌスさんや著者みたいに
    知識をもって多くの人を助けていくっていう方法もあるんだなーと再認識。

  • 途上国の貧困層を支援する手法として紹介されがちなマイクロファイナンス(以下「MF」)を、日本で導入できないか考察した本。ポイントは下記の通り。

    ①日本でも被生活保護者等の貧困層が拡大。
    ②米国、英国等の先進国では既に貧困層向けMFを導入済。
    ③日本でも官民でMF機関を設立すべき。政府側には被生活保護者を減らせるメリットがあるし、民間金融機関にとっては、デフォルト率が低いとされるMFのノウハウを学ぶ良い機会になる。

  • グラミン銀行は、本来貸付のできなかった貧困層のための銀行です。

    銀行の私的利益を達成しつつ、社会的な公的利益も達成するマイクロファイナンスの一例です。

    そして信用の低い貧困層の人から98%の高い返済率を誇る取り組みが凄い。

    ・5人組制。連帯保証ではないが、前の人が返さないと次の人が借りることができない。グループを作る試練を与えることで、本当にお金が必要で返済もできる人をスクリーニング。

    ・家庭を考えて将来に投資できる女性に貸す。男は酒、タバコ、博打に使ってしまうから。

  • 「途上国の貧困と闘う」手法として注目されがちなマイクロファイナンス(以下「MF」)を、日本の貧困問題への取り組みとして活用できないか?と考察する本。
    消費者金融とMFでは何が違うのか、といった根本的なところの説明も含みます。
    日本の民間銀行と、日本政策金融公庫のマイクロファイナンスへの取り組み状況につき要調べ。

    ちょっと繰り返しが多くて、かつ目新しい情報もなくて(刊行後数年経ってるから仕方ないけれど)要約したらさっくりしすぎなところがたまに傷。
    良い意味でも悪い意味でも、中公新書らしいと言えばらしい。

  • グラミン銀行などを例にマイクロファイナンスとは何か、通常の融資などとは何が違うのかについて書かれている

  • この本を読んで、「起業」という選択肢が加わった。

  • 前半は日本にマイクロファイナンスを適用することに関する説明、後半は社会・貧困・CSRといったところに焦点をあてている。<br />途上国向けのスキームと思い込んでいたので、先進国への適用法について述べているところは興味深かった。信金や消費者金融が国内でマイクロファイナンスを行うという可能性は無いだろうか。

  • 貧困を解釈するための定義として2つ
    ・相対的貧困(平均所得の半分以下の割合)
    ・絶対的貧困(一日の収入1$、最近では2$だっけな)

    その相対的貧困率の高い日本(OECD中、下から4位)

    そんな状況の日本に適用できるMFとは何かが説かれている

    もちろんMFの入門書としても◎
    日本、先進国のMFの状況を知りたいひとは必読。
    何かヒントがあるかも。

    ・情報の非対称性が引き起こすレモン問題

    ・逆選択

  • 公と民、社会性と経済性、借り手と貸し手。Boundary金融。日本への導入は可能か、という問いを中心に展開されるが、さくヨミ全体観理解には適した本だと思う。

  • [ 内容 ]
    貧困は遠い国の出来事ではない。
    統計によれば、日本でも五日に一人の割合で餓死者が発生している。
    貧困に苦しむ人々を救うために、バングラデシュで始まったマイクロファイナンスはアメリカ、フランスなど先進国でも、その力を発揮している。
    担保のない人々に融資をしながら、貸倒れ率一~二%という実績を残す「驚異の金融」―これは日本の貧困問題にも有効か。
    この国の貧困の現状をデータに基づき明らかにし、導入の可能性に迫る。

    [ 目次 ]
    序章 日本でマイクロファイナンスが普及しない理由
    第1章 深刻化する貧困
    第2章 マイクロファイナンスとは何か
    第3章 先進国のマイクロファイナンス
    第4章 日本版ビジネスモデル
    第5章 公の限界と民の限界
    第6章 共感のある社会
    第7章 私たちにできること
    終章 マイクロファイナンスの先にあるもの

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • マイクロファイナンス入門というよりは、日本への提言という内容。
    既存のコーポレートローンや消費者金融との違いはわかりやすかった。
    マイクロファイナンスのスキームも図を使って説明していた点は好感。
    でも、その図がちょっとわかりにくいのが残念。
    あと、マイクロファイナンスを行っている機関の収支・資金状況を載せて欲しかった。
    でないと、本当にビジネスとして軌道に乗っているかわからんよ。

    序章 日本でマイクロファイナンスが普及しない理由
    第1章 深刻化する貧困
    第2章 マイクロファイナンスとは何か
    第3章 先進国のマイクロファイナンス
    第4章 日本版ビジネスモデル
    第5章 公の限界と民の限界
    第6章 共感のある社会
    第7章 私たちにできること
    終章 マイクロファイナンスの先にあるもの

  • p107まで読んだ。

  • 日本でもマイクロファイナンスはある。
    消費者金融はマイクロファイナンスではない。
    ホームレスを救うために、ビッグイシュー販売などがある。
    世界からもっと見習うことが多いかもしれない。

  •  マイクロファイナンスという言葉は、社会企業、ソーシャルビジネスという言葉と共に耳にしたことがありました。しかし、これまでその手法や、特徴について考えることがなく、ざっくりマイクロファイナンスについて知りたくこの本を購入しました。
     そのようなベーシックな知識から、日本におけるマイクロファイナンスの可能性についても深く考察していて、1から学ぶことができたと感じます。
     最も印象に残ったのは、マイクロファイナンスの理念である「私的利益と社会的利益の両立の追求」という言葉でした。日常の生活にはびこる様々な社会問題を解決するために、このような理念を持つ人、組織が増えていく必要はひしひしと感じます。巻末で、そういった人材の排出や、土壌の確率のために「ソーシャルビジネススクール」や「ソーシャルインデックス」の開発が重要であると指摘されていましたが、まさしくその通りであると感じました。

  • マイクロファイナンス
    私の業界(美容)では聞き慣れない言葉だった。
    雑誌で紹介されていて気になって取り寄せた本だ。

    読んでみるとそんな世界があったのね…
    そんな感想。

    日本でも経済的に厳しい家庭でもマイクロファイナンス
    の形態が普及すれば立派に自立して行ける国になるだろうに。

    そう思う一冊。

    皆が国の手当等をあてにせずに自分たちのスキルアップや
    事業を興して稼げる様に出来る手伝いをしてあげる為の
    融資をした方がよほど国に良いのでは?と思う。

  • マイクロファイナンス
    私の業界(美容)では聞き慣れない言葉だった。
    雑誌で紹介されていて気になって取り寄せた本だ。

    読んでみるとそんな世界があったのね…
    そんな感想。

    日本でも経済的に厳しい家庭でもマイクロファイナンス
    の形態が普及すれば立派に自立して行ける国になるだろうに。

    そう思う一冊。

    皆が国の手当等をあてにせずに自分たちのスキルアップや
    事業を興して稼げる様に出来る手伝いをしてあげる為の
    融資をした方がよほど国に良いのでは?と思う。

  • 同じ著者の「マイクロファイナンスのすすめ」より、より具体的に書かれている。

全36件中 1 - 25件を表示

マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書)を本棚に「積読」で登録しているひと

マイクロファイナンス―貧困と闘う「驚異の金融」 (中公新書)の作品紹介

貧困は遠い国の出来事ではない。統計によれば、日本でも五日に一人の割合で餓死者が発生している。貧困に苦しむ人々を救うために、バングラデシュで始まったマイクロファイナンスはアメリカ、フランスなど先進国でも、その力を発揮している。担保のない人々に融資をしながら、貸倒れ率一〜二%という実績を残す「驚異の金融」-これは日本の貧困問題にも有効か。この国の貧困の現状をデータに基づき明らかにし、導入の可能性に迫る。

ツイートする