チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書)

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著者 : 武田尚子
  • 中央公論新社 (2010年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121020888

チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 国立科学博物館の「チョコレート展」が面白かったので読んでみた。中米の神々の食べ物から大西洋三角貿易でヨーロッパへ渡り、宮廷の飲みものから庶民のココア、チョコレートになるまでは、チョコレート展とほぼ同じ内容。イギリスのチョコレートの大衆化、産業化がクエーカー教徒によってなされた部分が詳しく書かれている。特に、キットカットのロウントリー社の歴史は、興味深い。19世紀から従業員の福祉制度を重視し、社会の貧困問題にも関心を持っていたとのはなしには驚いた。「近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石」とのサブタイトルどおりの内容で、チョコレート展で得た知識の整理と新たな情報により満足度が高い。

  • かつて苦い「薬」だったココアが、ヨーロッパにわたり砂糖と混ざり合いチョコレートとして「スイーツ」となるまでの歴史を描く。カカオの歴史から奴隷貿易、産業革命、経済のグローバル化を読み解く構成になっており、チョコという身近な存在から世界史を理解するという意味で良書といってよいだろう。

    今の職場との関係で興味深かったのは、チョコレート工場の大手だったロウントリー社の経営に、20世紀前半、産業心理学が導入されたこと。「(社長である)シーボーム・ロウントリーが産業心理学部門設置を強く望んだ根底には、ベルトコンベヤーで機械にコントロールされて働く労働者ではなく、自分のなすべきことを自主的に達成できる、「人間的」な労働者に成長してほしいという願いがあった」(p.146)という。労働問題がチョコレートの歴史にからまっているというのは、非常に面白く印象的な話だった。

  • コンパクトによくまとまっている。ただ、多少はイギリスの歴史が分かっていないとつらいかも。
    カカオ、ココア、チョコレートを縦軸に、植民地経済、世界システムが形成され、工業国家、福祉国家に変遷していく様子がよく分かった。

  • ヨーロッパ諸国の歴史にはチョコレートが関係していた。黒人奴隷の廃止、保護貿易から自由貿易への転換、名誉革命。チョコレートと歴史の思いがけない接点がいくつも書かれている。世界史、地理に詳しい人はより楽しんで読めそう。

  • Never 教養

  • なぜか意外と知っていたチョコレートの歴史。とは言えもちろん、初めて知ることもちらほら。
    お茶とコーヒーとチョコレートってほぼ同時期にヨーロッパに入って来たんだけど、他の2つよりはいまいち席巻しなかったんだよね。そのあたりの関係も整理できて、ちょいとすっきり。

    最近『〇〇の世界史』を何冊か読んで、歴史の面白さを再認識。ある出来事が、ある事象に思いがけぬ因果をもたらしていた、と喝破することが歴史の醍醐味だと個人的には思う。

  • 後半は20世紀前半の福祉中心の話とキットカットの話になる。高級チョコより、労働生産物としてイギリスのチョコ史を見れて面白い。ただ、チョコの世界史というかイギリス史なのは留意点、

  • カカオは原産地の中米では飲み物であると同時に薬品であり、貨幣にもなった。ヨーロッパに到来したときも、この珍貴な実の食用について激論が交わされたが、一九世紀にはココアパウダーや固形チョコレートが発明・改良され、爆発的に普及する。イギリスの小さな食料品店だったロウントリー家もまた、近代的なチョコレート工場を作り、キットカットを開発、世界に販路を拡大するが…。ヨーロッパ近代を支えたお菓子の通史。

    ココアとチョコレートの誕生から現代に至るまでの歴史が丁寧にわかりやすく語られます。知っているようで知らない、カカオのこと、ココアとチョコレートの違いなどの知識に触れるとともに、チョコレートが歴史にどうかかわってきたか、どう歴史を変えてきたかを知って驚くことも多かったです。以前読んだ『砂糖の世界史』とも共通する奴隷貿易などの問題や、チョコレート工場の巨大化にともない企業の在り方、労働環境がどう変化していったかについても深い内容でした。特にキットカットを生み出したロウントリー社(現在はネスレ社に吸収)については紙面も多くさかれて読み応え十分です。いつも見慣れた赤いキットカットが戦時中に姿を消して、原材料が不十分なキットカットを「青いキットカット」として作らざるを得なかったロウントリー社の苦悩のくだりには感銘するものがありました。

  • チョコレートを通して近代を見つめることができる。

    カカオを含む三角貿易。カカオにまつわる宗教。チョコレートの誕生から産業革命をへて大量生産へ。チョコレート販売のマーケティング。戦争時の食料事情。そして、現在の菓子会社の合併とグローバル化へ。

    チョコレートを核として、世界史や経済学、経営学で学んだことを思い出していく。学んだことがチョコレートに結びついていく感覚がとても楽しい。

  • 褐色の宝石は世界を魅了した!?
    読み終えたら、青いキットカットが食べたくなる!!

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武田尚子の作品

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チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書)の作品紹介

カカオは原産地の中米では飲み物であると同時に薬品であり、貨幣にもなった。ヨーロッパに到来したときも、この珍貴な実の食用について激論が交わされたが、一九世紀にはココアパウダーや固形チョコレートが発明・改良され、爆発的に普及する。イギリスの小さな食料品店だったロウントリー家もまた、近代的なチョコレート工場を作り、キットカットを開発、世界に販路を拡大するが…。ヨーロッパ近代を支えたお菓子の通史。

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