チョコレ-トの世界史: 近代ヨ-ロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書 2088)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 992
感想 : 112
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121020888

作品紹介・あらすじ

カカオは原産地の中米では飲み物であると同時に薬品であり、貨幣にもなった。ヨーロッパに到来したときも、この珍貴な実の食用について激論が交わされたが、一九世紀にはココアパウダーや固形チョコレートが発明・改良され、爆発的に普及する。イギリスの小さな食料品店だったロウントリー家もまた、近代的なチョコレート工場を作り、キットカットを開発、世界に販路を拡大するが…。ヨーロッパ近代を支えたお菓子の通史。

感想・レビュー・書評

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  • もうすぐバレンタインデイ
    目もくらむようなチョコが宝石のように並ぶ

    特に食べたいと思わないチョコレートだが
    昭和二十年代の子供の時は憧れだった
    板チョコですら

    原産地中米では、飲み物、薬、貨幣であったそうな
    様々な歴史を経て(植民地の人々や黒人奴隷などの悲劇を含めて)世界中に広まっていった
    砂糖と双子のように絡まりながら世界に広がっていった

    産業革命・三角貿易・労働福祉
    様々な問題を抱えながら歴史は進んでいった

    イギリスの「キットカット」の歴史は興味深い
    (実は私は食べたことがないのです)

    今度チョコを食べるときしっかりとかみしめたいと思う
    いや、とろけてしまうよね

    ≪ 恋人へ 神秘の薬 プレゼント ≫

    • アールグレイさん
      こんにちは、かよこさん
      お久しぶりです、そして今年もよろしく
      (^▽^)
      キットカット、チョコは苦手ですか?今なら合格祈願シーズンで...
      こんにちは、かよこさん
      お久しぶりです、そして今年もよろしく
      (^▽^)
      キットカット、チョコは苦手ですか?今なら合格祈願シーズンですから、イチゴ味がありますよ。
      お茶受けにどうでしょう?
      試してみるのもどうかと。
      o(^-^)o
      2022/01/10
    • はまだかよこさん
      コメントありがとうございます。
      今年もどうぞよろしくお願いいたします。

      キットカット、買ったことは何度かあるのですよ(笑)
      でもあ...
      コメントありがとうございます。
      今年もどうぞよろしくお願いいたします。

      キットカット、買ったことは何度かあるのですよ(笑)
      でもあんこの方に目がなくて……
      和菓子に惹かれます。

      あのチョコにすごい歴史があることを知ってびっくりでした。


      2022/01/11
  • ホットココアをお供に読みました。キットカットも用意しておけばよかった。

    著者と目次からなんとなく察していましたが、世界史と銘打つにはロウントリー社とイギリスに特化しすぎな感。それで一冊書いても面白い本になったのではと思います。
    世界史部分を知りたいだけなら、終章の綺麗な要約を先に読めばいいかもです。

  • 『チョコレートの世界史』

    マヤやアステカで滋養強壮の薬品として嗜好されていた中南米原産のカカオが、いかにして世界中に普及してココアやチョコレートとして利用されるようになったか。そこには奴隷貿易とキリスト教が大きく絡んでいる。

    カカオを発見したスペインやポルトガルは、現地インディオが人口減少するに伴って、アフリカから奴隷を連れてくるようになる。さらにカカオは西アフリカに移植され、大規模なプランテーションで生産されるようになる。後発のオランダやイギリスは、プロテスタント的な戒律から奴隷制を批判し、工業生産へと舵を切っていく。

    主に薬品として王侯貴族の嗜好品に使われてきたカカオは、オランダやイギリスにおいて庶民が楽しめる甘味としての普及品となっていく。ココアパウダーからチョコレートへ、バンホーテンやキットカットといったブランドもその流れから誕生していった。

    田園都市構想や従業員の福利厚生といった労働者の生活水準を上げることにも熱心だったチョコレート工場の経営者たちは、消費者を増やすことが自らの事業に繋がることを発見する。そしてヨーロッパから世界各国へとチョコレートは輸出されるようになり、日本においても好まれるようになっていった。

  • 国立科学博物館の「チョコレート展」が面白かったので読んでみた。中米の神々の食べ物から大西洋三角貿易でヨーロッパへ渡り、宮廷の飲みものから庶民のココア、チョコレートになるまでは、チョコレート展とほぼ同じ内容。イギリスのチョコレートの大衆化、産業化がクエーカー教徒によってなされた部分が詳しく書かれている。特に、キットカットのロウントリー社の歴史は、興味深い。19世紀から従業員の福祉制度を重視し、社会の貧困問題にも関心を持っていたとのはなしには驚いた。「近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石」とのサブタイトルどおりの内容で、チョコレート展で得た知識の整理と新たな情報により満足度が高い。

  • 武田尚子氏が2010年に刊行した歴史書。

    『砂糖の世界史』や『茶の世界史』と同様にチョコレート(カカオ)というモノからみた歴史書である。

    チョコレートも砂糖も茶もやはり大航海時代から世界に広まり、各時代や地域によってさまざまな使われ方をしてきた。

    物流からの経済史からの視点や労働者からみた歴史などチョコレートに秘められた歴史は奥深く面白いです。

  • くっ、読み終わったらキットカットが無性に食べたくなった罠。
    あんまりチョコレート菓子は好きじゃないのだけど。
    王侯貴族の薬的なドリンクから始まったチョコレートが庶民の労働者の手軽な栄養補給に至るまで。
    そして今のチョコレート事情など。
    もうちょっと最近のことまで書くなら、気候変動と病気によるカカオの絶滅の危機まで入ったかなぁ。
    砂糖と乳製品も値上がってるし、今年も高級チョコレートは小粒化の一途だそうですよ。
    というか、イギリスの奴隷制度廃止の発端は人道とかそういう話ではなかったんですね。
    まぁそんなもんかなと思ったりしつつ。甘いだけじゃないビターなエピソードも多かったです。

  • かつて苦い「薬」だったココアが、ヨーロッパにわたり砂糖と混ざり合いチョコレートとして「スイーツ」となるまでの歴史を描く。カカオの歴史から奴隷貿易、産業革命、経済のグローバル化を読み解く構成になっており、チョコという身近な存在から世界史を理解するという意味で良書といってよいだろう。

    今の職場との関係で興味深かったのは、チョコレート工場の大手だったロウントリー社の経営に、20世紀前半、産業心理学が導入されたこと。「(社長である)シーボーム・ロウントリーが産業心理学部門設置を強く望んだ根底には、ベルトコンベヤーで機械にコントロールされて働く労働者ではなく、自分のなすべきことを自主的に達成できる、「人間的」な労働者に成長してほしいという願いがあった」(p.146)という。労働問題がチョコレートの歴史にからまっているというのは、非常に面白く印象的な話だった。

  • コンパクトによくまとまっている。ただ、多少はイギリスの歴史が分かっていないとつらいかも。
    カカオ、ココア、チョコレートを縦軸に、植民地経済、世界システムが形成され、工業国家、福祉国家に変遷していく様子がよく分かった。

  • ヨーロッパ諸国の歴史にはチョコレートが関係していた。黒人奴隷の廃止、保護貿易から自由貿易への転換、名誉革命。チョコレートと歴史の思いがけない接点がいくつも書かれている。世界史、地理に詳しい人はより楽しんで読めそう。

  • Never 教養

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著者プロフィール

お茶の水女子大学文教育学部卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科(博士課程)修了、博士(社会学)。武蔵大学社会学部教授。専攻は都市社会学、地域社会学。著書に『瀬戸内海離島社会の変容』(御茶の水書房)、『もんじゃの社会史』(青弓社)、『質的調査データの2次分析』(ハーベスト社)、『マニラへ渡った瀬戸内漁民』(御茶の水書房、第2回日本社会学会奨励賞受賞)など。

「2010年 『温泉リゾート・スタディーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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