つながり進化論: ネット世代はなぜリア充を求めるのか (中公新書 2100)
- 中央公論新社 (2011年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121021007
作品紹介・あらすじ
物心つくころからネットが日常にある「ネット世代」。彼らの心情や行動は、前の世代と比べて大きく変わった。ツイッターで「夕飯食べよう」とつぶやけば、場所や時間はもとより、相手さえ曖昧なまま、夕食に誘うことができる。いまや恋の告白や別れ話もネット経由である。時に賢く、時に理解不能なネット世代のつながりを求める心情とは、どのようなものか-。通信技術の進歩と心情の変化の両面から解読する。
感想・レビュー・書評
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技術面から文化面まで幅広く網羅されているのですが、
各面で冗長感がありました。
特に技術面ではもう少し簡略化してリズム良くして欲しかった。
私も無関係ではないですが、過去の通信技術を掘り下げて知ろう。
と思えば他の書籍を参考にするといいと思います。
参考になった面は、ネットがることを前提に育った世代の話で、
ポジティブなネットの使い方、接し方、考え方など。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
mixi、Twitter、facebookといったソーシャルネットワークサービスの普及によって人同士のつながりの形相が急速に変化しているという話だけれど、上記のようなサービスを既に使っている人にとっては、常識的なことばかりのような気がする。紹介されている些末な知識も日進月歩で古臭くなりつつあるのかもしれない。
古い電話のシステムから今日のケイタイまでの歴史を紹介しているところは著者が現場にいたということもあってそれなりに面白いと思う。特にキャプテンシステムの「失敗」がIモードの急速な発展につながったという話が興味深かった。 -
前半は固定電話、携帯、PCの通信に関する技術的変遷、そして、それに伴う利用者の心情的変遷について。後半は…微妙でした。
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前半の第一部は電気通信業に1●年前から携わっているかよっぽど好きな方以外は苦痛に思うかも。
ただ後半の第二部は「現段階」におけるネットワークコミュニティを俯瞰する「切り口」としてはなかなか面白いと思う。
著者が生粋の学者でなく「勤め人」出身であるためか自説が押し付けがましくない。
だからこそ物足りなさを感じる。
「現実」と「仮想(妄想)」
いつの時代においても存在するであろう要素をデジタル・コミュニケーションの観点から切り込もうとする切り口、今だけは価値があるかもしれないので、機会があれば是非一読を! -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99312036
2020年度の「新入生向けコミュニケーション」でも取り上げられました。 -
タイトルからは、SNSを舞台にしたコミュニケーションの考察かと想像したら、半分しか該当しなかった。人間視点のコミュニケーション論は後半のみ。前半は「つながる」技術についての歴史に多くのページを割いていて、有線無線問わず、しかもかなり低層で古い時代までをカバーしている。HTTPやTCP/IPやLTEが「つながる仕組み」はもちろん、PDCから自動車電話やアナログ交換機、つまり黒電話から話がスタートするのがすごい。慶応SFC教授・元電電公社技術者が著しただけのことがあるが、読みものとしては、専門用語・概念がが多く、一般のひとにはやや分かり難いのでではなかろうか。
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S007.3-チユ-2100 300154887
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コミュニケーションのまわりの技術の話、特に電話の発展は良い振り返りになりました。NTTの人だから詳しいわけだ。興味を持った章は、ヒトとヒトのつながりの未来であり、良い内容でした。
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前半の技術解説がボリュームありすぎだと思いました。高齢者の章はなかなか良かったと思います。
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前半はネットワークの構築について、インフラ目線で書かれており、無知だった自分でも理解できるくらいにわかりやすかった。
後半はSNSでつながった若者の心情について、ネットで人々が繋がることで生まれるメリットとデメリットに分けて書かれている。
全体を通して説明が丁寧でわかりやすいので、前半はありがたかったが、後半はくどく感じてしまった。ネットメディアについてさらっと知識を得るにはいいかも。 -
前半は今のネット環境が整ってくるまでの軌跡が技術的な視点でわかりやすくく書かれていて、いい意味で期待を裏切られました。これほど当たり前に思っている技術もないので、ざっと勉強しておくのはいいですね。。
後半は、今のネットをつかった若者の繋がり方をわかりやすく解説しました、って感じで、そういうつもりで読むぶんにはわかりやすいです。こういうことに関しては若者自身のブログ読んだほうが濃ゆくて面白いですねやっぱり。 -
しばらくITから離れた生活していたのですが、この度晴れて現代文明社会に回帰することになりました。んで、どっぷり浸かっちゃう前に一度客観的に通信メディアを捉えておきたいな、と思って、この本を読みました。
専門用語乱発で煙に巻くような本だったらやだなーと思っていたのですが、開けてみればその逆で、各時代に台頭してきた通信の機構と原理の説明は極めて簡潔でわかりやすかったです。というか、むしろ作者はその進化を促した、コミニケーションに対する人々の心境の変化を主題として扱っていて、それがなかなか新鮮。
でも考えてみれば当たり前ですよね。必要は発明の母というし、人々の需要、つまりこころが文明を象っているという考え方は、すごく人間的で好感がもてます。
この本ではあまり突っ込んだ考察はされていませんが、あまり扱われないテーマのようだし、仕方ないでしょう。
自分でもっと調べてみようかなとも思いました。
とにかく、楽しませてもらいました。 -
第4週 2/1(水)~2/7/(火)
テーマ メディアとコミュニケーション
↓貸出状況確認はこちら↓
https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00171936 -
電話からデータ通信、インターネットに至る技術、サービスの変遷の紹介、SFCの学生の実態を紹介しながら若者のネットとの関わりの紹介、そして今後の社会とネットのかかわりについての考察という3部構成で、コミュニケーションとネットについて語られる一冊。
サービス、技術の変遷はともかく、実際の学生たちのTwitterなどの活用の実態の紹介は興味深い。
最後に、これからはネットでのコミュニケーションがリアルを包含していくという考察の上で、それでもやはりリアルなコミュニケーションへの渇望があり、それをネットが補完していくことでこれまでにない新たな社会が実現される可能性があるという論調は、目新しさはないかもしれないが、納得感あり。 -
当たり前の考察ばかりのような・・・。賞味期限も短いと思います。
ただ一点、キャプテンシステムが失敗した点を記述した部分が面白かった。
いわく、技術や性能が稚拙だったから、失敗したのではなく、モバイルではなかったから、普及しなかった。 -
タイトルから物心ついた頃からネットや携帯があった世代についての社会学的な内容かと思いきや、半分以上通信技術の歴史を振り返るような内容、最後の方でそのような若者の事が書かれてあったがもう少し、その現象のことへの考察があれば良かったと思う。
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つながりを実現するソーシャルメディアが、縮んで行くリアル世界に対して何ができるのかというのは面白いテーマ。SFCというかなり特殊なセグメントとは言え、結構面白いデータもあり。
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前半は、技術から見たつながりの進化。技術者の視点で、詳細に書かれていた。個人を繋げるサービスとしては、固定電話から携帯電話へと進化したつながる技術、ケータイとパソコンにおけるメールの仕組みの相違など。複数を繋げるサービスとしては、パソコン通信からインターネットへの発展、インターネット上での2ちゃんねる・ブログ・ツィッターのサービスなど。それぞれのサービスの特徴や違いが細かく説明されていた。また、アナログとデジタルの違いや、ウェブの仕組みも触れられている。「失敗してしまったネットのサービス」からは何か得られそう。なぜ受け入れられなかったのか?
後半は、心情から見た人と人のつながりの変化。プラス>マイナスな印象。どちらにせよ、誰もがすでに分かっている、日常的に感じていることを、あらためて文章にまとめた、という感じ。
これからのネットに求められるものとして、人とモノと街をつなげるということが語られている。ネットはリアルを包含するらしい。地域復興やシニアのネット活用など、案としては、非常に現実的な細々としたものを紹介。しかし、先に述べたマイナス面に対する改善策は挙げられていない。手放しに、「こんなサービスあったらいいな」と列挙して終わり。
個人的には、SFCの学生と私の周りの学生では、ネットの利用が少々異なるように感じた。 -
前半がインフラとかネットワークの進化の歴史で後半はSNSのコミュニケーション論。
あまりSNSとか使わなくあまりインターネットなどに触れない方にはいいかもしれませんがネットワークを日常的に使っている人やSNSを頻繁に利用してる人にとっては対した事は書かれていません、「SNSのつながりとか理解出来ない、どういう考えなのだろう」とか思ってる方にはおすすめです。
それ以外であればもっと詳しい物はいくらでもあります。