河内源氏 - 頼朝を生んだ武士本流 (中公新書)

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著者 : 元木泰雄
  • 中央公論新社 (2011年9月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021274

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河内源氏 - 頼朝を生んだ武士本流 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 現在の大河ドラマも同時代を背景としており、なんとなく読んでみた。
    ドラマ同様、登場人物が複雑で取っつきにくいのだが、読み進めるうちに徐々になれてきて、面白くなってきた。
    歴史書だけを参照しては浮かびあがってこない人物の生きざまが描かれているところに、引き込まれていくのではなかろうか。
    武家も貴族の一派であるという理解だけで、清和源氏、桓武平氏の意味するところや、豊臣秀吉が将軍ではなく関白に就いた経緯が推量でき、歴史への興味も湧いてきた。
    読み終わった後、不人気といわれる大河ドラマが面白くなったことも付け加えておきたい。

  • 源平の戦い以前の源氏のことを知りたかったので購入。平安後期からの源氏の事情がかなりよくわかってためになった。何箇所か他者の言説を必要以上に貶める記述があったのはちょっと気になった。

  • 歴史の教科書では源氏は東国、平氏は西国と教わるが、それはある意味、東鑑史観の賜物であり、筆者は頼朝に至る源氏の一族を「河内源氏」と呼んでその常識を覆していく。
    10世紀以降、地方で私田が開墾され、開発領主または荘園管理人という立場の在地武力が形成されると、地方と中央の権門貴族を繋ぐ軍事貴族というモデルが立ち現れる。彼らは京の近郊に拠点を構え、平時においてはその武力を持って権門貴族に近侍し、地方の反乱など有事には鎮圧に赴き、地方にも勢力を張った。

  • 「武家の棟梁の条件」(野口実著)と大分被る内容だが、本書は、義家、義朝ら源氏本流とされる人々の人物評伝の趣き。天皇家、摂関家、源氏内、東国武士ら相互の縁戚、闘争、主従関係等も踏まえた叙述は魅力的。時代相は平将門の乱から頼朝挙兵あたりまで。本書の特徴として、前九年の役の前座、つまり源氏の東国扶植の画期となった平忠常の乱が詳しい点。かかる絶大なる長所がある一方、短所は彼方此方。①他説批判の品のなさ(22、88、184頁)、②引用が的確かどうか判別不可、特に、他説の掲載文献とその該当頁の不開示は不味い。
    ③為義による義朝廃嫡に関する矛盾と根拠不明な箇所(殊に138頁の1段落と3段落)、義朝が東国武士団の調停役であったとみる割には、その前提となる権威、院の近臣となる前には、摂関家との関係が切断されていたとする点に違和感がある点等々。特に②。武士団をやくざと見る見解への批判につき、多分比喩的叙述だったに過ぎない他説と、自力救済と武力保持を武士団の特徴とする著者の説とで、内容に大した違いはない。著者は比喩的表現を感情的に忌避しているに過ぎない。

    また「天皇制を諸悪の根源という結論」ありきの見解への批判は、引用対象が不明瞭、かつ著者自身が、他説の引用に際して「らしい」という伝聞表現を用いるなど、ここまで強く批判を展開できる他説か、との疑念を生ぜしめている。つまり、他説の要約の不味さへの疑念を生む叙述なのだ。実際、引用元の明示自体、大した分量でもない以上、かかる批判的叙述を用いるなら猶更、他説の明示的な引用の必要を感じる。その他の詳細な関係性の叙述が台無し。2011年刊行。著者は京都大学大学院人間・環境学研究科教授。

  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流
    元木泰雄
    中公新書
    ISBN978-4-12-102127-4
    http://www.chuko.co.jp/shinsho/2011/09/102127.html

  • そもそも武士とは何かということが気になって手に取った本。源氏に代表される武士は中央の権力と密接に結び付く中で発展してきたことが理解できた。本書は頼朝の挙兵で筆を置いているが、せっかくなら源氏滅亡まであると良かった。

  • 河内源氏は有名人を輩出しているメインの血筋なんですね。義家の実像は、今東光の「蒼き蝦夷の血」でも、同様に描かれていましたよ。義朝の焦りと束の間の栄光!ドラマチックです。保元・平治の乱から頼朝旗上げまでの武士の置かれた状況が良く整理できました。

  • 河内源氏は本格的武士政権の創始者・源頼朝を生んだことで、
    一貫して源氏の嫡流だったという印象を多くの人が持っているのではないでしょうか。
    しかし、それは結果から見た歴史でしかありません。
    頼信の時代には頼光ほかの兄弟がいましたし、
    義家にも義綱がいました。
    平家と違い、血で血を洗う争いが耐えないイメージがある源氏ですがまさにその通りで、
    嫡流を争う骨肉の争いがあったのです。
    頼朝が叔父や弟たちを攻め滅ぼしたのも、
    そんな嫡流をめぐる争いの一つに過ぎないのでしょう。
    この本は、決して源氏の嫡流が一本の太い線で受け継がれてきたようなものではなく、
    その中に様々なドラマがあったことを教えてくれます。

    嫡流でなくても河内源氏は、
    新田、足利、武田、小笠原と多くの支流を生み出し、
    歴史の流れを作っていく存在の一つになりました。
    その根元ともいえる河内源氏のどらま。
    楽しめる一冊です。

  • ≪目次≫
    はじめに
    第1章  河内源氏の成立
    第2章  東国と奥羽の兵乱
    第3章  八幡太郎の光と影
    第4章  河内源氏の没落
    第5章  父子相克
    第6章  河内源氏の壊滅
    むすびー 頼朝の挙兵

    ≪内容≫
    「河内源氏」は一般に言うところの「清和源氏」のことである。通説とは違う河内源氏の各世代の棟梁を詳説している。特に義家、義朝の話は面白かった。
    著者のいう、武士も貴族の流れであり、当時の支配層に臣従するなかで、特に受領、地頭として生活をしていることと、平安後期から院政期の政治的流れ(戦乱など)に翻弄されていった様子がよくわかった。これを授業に取り入れるのは、ちょっと大変だが…

  • 頼信vs平忠常、義家vs弟たち、為義vs一族など他の本では触れられていないところに興味があった。
    一族内の抗争がよくわかる。なんだか鎌倉時代の北条と似ているな。
    結局義朝が頼朝に残したものとは後白河とのコネということになるのかな。
    面白かった。

  • 河内源氏の変遷について頼朝に至るまでの概説を記述。
    新書なので概説的。非常に分かりやすかった。

    新書ではなくもう少し詳細な内容を読みたいと思った。

  • 河内源氏は源頼朝を輩出した清和源氏の一門。その歴史を経基王の時代から延々と解説している。

    三点ほど要旨というか参考になるものを抜くと

    ・王朝を警護するのが軍事貴族としての勤め
    ・戦役の成否は在地武士の動員に依存。
    ・貴族から武士へという『必然の前提』にとらわれすぎて前提を見誤っていた

    この在地武士の動員が必要、というものが以前九州の南北朝時代についての本を見たときに何故戦争が長期化したか、について考えた時にでてきた疑問をふと氷解させた。

    (日本史全般だが)平安時代は意外と自分のなかで盲点だったためテストが終れば少し調べてみる。

  • 1 河内源氏の成立
    2 東国と奥羽の兵乱
    3 八幡太郎の光と影
    4 河内現時の没落
    5 父子相克-保元の乱の悲劇
    6 河内源氏の壊滅-平治の乱の敗北
    むすび 頼朝の挙兵

    痛快な通史である。

    10世紀なかばの承平・天慶の乱からはじまり、治承・寿永の争乱の幕開けとなる頼朝挙兵に終わる河内源氏の栄枯盛衰の物語が本書である。

    中世の武士ほど、中等教育までの教科書と歴史学研究の乖離がはなはだしいものは少ないのではないか。武士とは貴族である、と本書は至るところで主張する。それすらも乖離のごく一例である。詳細はぜひ手にとって読んでいただきたい。

    本書を読めば、評者をはじめとする素人が、いかに通説的理解に染まっているのかがよく分かる。

    本書でもたびたび引用される『愚管抄』に、保元の乱以降は「武者ノ世」だという有名な一説がある。恥ずかしながら『愚管抄』も『吾妻鏡』も読んだことがない。しかし、高校の日本史の授業や大河ドラマなどを通じて、鎌倉時代になってから記された古典を源流にした「源平観」や「誇張された武士像」に多かれ少なかれ影響を受けている。

    そのすり込まれた武士像を、厳密な史料批判によって再構築・再解釈していくのが本書の最大の魅力である。

    とにかく饒舌に時代背景を説き、人脈の広がりを示し、舌鋒鋭く通説(とくに東大の先生の)を斬って捨てる。とにかく早口でまくし立て、ノートが追いつかないほどのスピードで黒板に書きまくる元木先生の講義そのものである。

    一読すれば、普段この時代に興味関心の無い評者のような人間に対しても、好奇心をかき立て、歴史書を手にとってみようと気にさせるという点で、歴史学の新書として期待される最大の役割を果たしていると言えるだろう。

  • 平安後期の河内源氏の実態を描く。「武家の棟梁論」を中心とする発展段階的な河内源氏理解を一蹴し、軍事貴族として王権・摂関家とも深い関係を持ちつつ、自力救済という側面もあわせ持ち、盛衰を繰り返すという等身大の河内源氏像を提示している。保元・平治の乱当時、源氏と平氏はまったく対等な立場ではなかったという指摘は新鮮だった。対立説への痛烈な批判が随所に織り込まれているのも、ある意味興味深かった。河内源氏を通して、平安後期政治史の良い復習になる一冊だった。

  • 頼朝を生んだ河内源氏の人たちのことが漠然とした知識しかなかったが、よく理解できた。
    頼朝が偉大だったために、その祖先たちも多分に美化されて伝えられたのだと思う。
    頼朝の祖父である為善が意外に問題児だったのも初めて知った。
    頼朝が義朝の嫡男だったのも初めて知った。
    また、歴史を見る目が変わる。
    登場人物が複雑すぎて、分かりにくい点もあったが、為になった。

  • 源氏のみならず、武士の発生から鎌倉幕府成立直前までの武家の変遷を、まったく新しい視点から洗い直した一冊。大河「平清盛」放映前にこれを読めたことは幸運と言うほかなし。「源氏の血は荒っぽい」などと情緒的な見方は一切排除した推論方法はほかの時代にも応用出来そう。

  • 源氏の本と言うと、義朝もしくは頼朝以降で考えてしまいがちですが、この本は頼朝に至るまでの河内源氏について書かれたものです。

    平治の乱における、清盛と義朝の関係は、対等と見られがちだけれども、位階からしても対等であるはずがなく、清盛対義朝ではなく、清盛対信頼であるということはもっと広く知られるべきことのように思いました。慈円の認識で理解していることを思い知りました。

  • 日経新聞の書評でかなり高評価だったので読んでみた。が、平安末期の武士の話はまったくの専門外ということもあり、かなりしんどかったのが正直なところ。登場人物たちの名前やそのイメージがないので、保元・平治の乱あたりまで話が進んでこないとついていけない。武士とは「軍事貴族」であるとか、なじみのない考え方(学界では常識?)も多く出てきてとまどうことも。判断に迷う。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:288.3//Mo85

  • あらためて関連書籍を紐解きたくなりました。
    歴史は楽しい。
    興味を引く事で溢れていることを感じます。

  • 新聞の書評を見て本屋へ行ったが在庫がなく〇マゾンで注文しても”お取り寄せ”状態・・・。
    本日届きましたが再版かかってたんですな^^;
    期待して読みます♪

  • 源頼朝の祖先の系統である河内源氏の歴代と流れ。経基(承平・天慶の乱)、満仲(安和の変)、頼信(摂関家への奉仕、平忠常の乱)、頼義(東国進出、前九年合戦)、義家(前九年、後三年合戦、兄弟の対立)、義親(反乱)、為義(摂関家との関係、河内源氏の躍進、保元の乱)、義朝(東国での躍進、保元の乱、平治の乱)。頼朝についてはむすびでかるく触れられる。

    軍事貴族である彼らは中央で摂関家や院と関わり、受領などで地方にも影響力を延ばした。貴族と武士は対立する関係ではなく境目もあいまいであった。また、義家などは大きな軍事力を持っておらず、配下のメインは河内周辺の武士であった。彼は英雄ではなく合戦を泥沼にし、人生には光と影があった。河内源氏は代々兄弟や親せきで争った。

    江戸時代の武士像を描いて鎌倉幕府成立ありきで河内源氏を見るのは危険であると思われる。

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河内源氏 - 頼朝を生んだ武士本流 (中公新書)の作品紹介

十二世紀末、源頼朝は初の本格的武士政権である鎌倉幕府を樹立する。彼を出した河内源氏の名は武士の本流として後世まで崇敬を集めるが、祖・頼信から頼朝に至る一族の歴史は、京の政変、辺境の叛乱、兄弟間の嫡流争いなどで浮沈を繰り返す苛酷なものだった。頼義、義家、義親、為義、義朝と代を重ねた源氏嫡流は、いかにして栄光を手にし、あるいは敗れて雌伏の時を過ごしたのか。七代二百年の、彼らの実像に迫る。

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