金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱 (中公新書)

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  • 中央公論新社 (2011年10月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021328

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金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 〈金融化〉
    「国内経済に対しても、国際経済に対しても、金融市場、金融業者、および金融企業の役割や、一般人の金融利益を目指す動機付けが段々と増していく過程」

    ☆基本的側面
     物理資本(モノやサービスを生産するのに使う)より、産手段や生産されたモノとサービスの所有権の獲得に使える金融資本の方が、より速いテンポで膨張する

    ☆投資取引
    カネで生産手段を作る/買うために行う投資行動<手放す金融資産がより高い市場価値を持って帰ってくるための投資取引

    〇具体化

    ⑴先進工業国・脱工業国の総所得において、金融業に携わっている人たちの取り分が大きくなる傾向にあること。その原因は次の三つ。

    ⑵金融派生商品などの導入によって、貯蓄する主体(家計・企業)と、実体経済において資本を使いモノやサービスを生産する主体との間で、金融業者の仲介活動が、ますます複雑、怪奇、投機的になっていくこと。

    ⑶財産権を人権の中で最も重要とみなす結果、それまで一般的に認められていた、ステークホルダーに対する経営者のCSRがますます「株主」という対象にのみ絞られるよう、コーポレート・ガバナンスの法的制度や経営者の意識・目標が徐々に変わっていること。

    ⑷国際競争力強化策として、「貯蓄から投資へ」のスローガンの下、国民に対する「証券文化」の奨励にますます重点が置かれるようになった。

    ○Why?

    ①世界的投資意欲の低下
    (循環的理由: 支配的イデオロギー、政治体制
    等の変動がもたらす傾向)

    ②国家経営の社会保障制度の衰退、リスクの個人化(進化的理由: 技術の蓄積、それによる生活水準の向上、分業の構造的変化)

    ③他の権利に対して所有権の優越性を深化する法制の普及ーーコーポレートガバナンスにおける株主主権原理の徹底。企業共同体思想の衰退


    〈相対量〉
    ☆金融資本が世界経済の成長率よりも、世界のマネーサプライよりも高い率で膨張

    物理(設備)資本:金融資本=24:1(1990年)/13:1(2007年)

    〈まとめ〉
    45年の戦争(7千万人を殺した)終了時のように、将来、金融化経済の不合理さ、不公平さに対して反省するときらくるだろうか

    歴史の教訓があるとすれば、「不可逆的に見える傾向でも、永遠に続くことはない」、「大きな戦争がなければ、大きな社会変化もない」


    ・3,40年も経てば、大西洋の派遣国家は中国になっている
    ➡️理由
    ①今後の米中の相対的経済成長力
    ②政治的課税力(国庫歳入の成長率)
    ③国威発揚の意思の強さ(軍事予算拡大の用意)
    ④人的資源(日中ではIQ分布が似たようなもの、人数多ければ優れた頭脳それだけ増える)

  • むっちゃ面白かった。金融セクターが世界を不安定化させながら大したペナルティもなく膨張し続けるのを許すならば、繰り返されるバブル崩壊と激しい格差拡大は止まりませんよ、という話。最近の小難しい金融界の動向を政治経済史的に堅実に論証していて、ほんとに1925年生まれ?と思ってしまった。すごい。
    最近会計や経理の初歩を学ぶ機会があったが、そこで習った標準的教科書の内容はすでにこうした戦後の「金融化」を反映した内容だったんだと気付かされた。「会社は株主のもの」と習ったが、その思想は全然普遍的なものではなく、本書で説明されているような特殊な歴史によって形成されたものだったという。

  • 著者:Ronald P. Dore(1925-)

    【目次】
    序文に代えて(二〇一一年八月末日、グリッツァーナ・モランディにて ロナルド・ドーア) [i-iii]
    目次 [iv-ix]

    第1部 
    1・1 金融化ということ 004
    出発点/英米モデルの勝利/「金融化」とは?/金融業者への配分
    1・2 資本市場の規模拡大 013
    投資とギャンブルの絡み合い/証券化/「信用創造・リスク分散」モデル/慎重さのための保険、ギャンブルの保険/大量破壊兵器/インチキを最小限に抑える方法/「資産」の意味/「信用」を裏付けていた二つの要因/危機への対応/金融業モンスターの生態
    1・3 実体経済の付加価値の配分 035
    経営者資本主義から投資家資本主義へ/優先順位の変化/資本の再集中化/株式所有の分散状態/思想的変化
    1・4 証券文化の勃興 052
    株持ち民主主義/政策手段/日本の「立ち遅れ」/証券文化と実質的成長の関係/イノベーションの推進と株式資本/国威発揚/原因ではなく結果/

    第2部 
    2・1 社会を変える金融化 070
    二○○八年の金融パニック――急病と持病/所得や富の格差/拡大格差拡大の要因/不確実性・不安の増大/知的能力資源の配分/メディアへの影響/信用と人間関係の歪み/詐欺を防ぐ法的制裁
    2・2 金融化の普遍性、必然性? 092
    アングロ・サクソン資本主義の終焉?/ヨーロッパでも金融化/必然的な進化?/金融の偏重的膨張/裕福な社会のサービス経済化/「すばらしい構造改革」金融リテラシー――大衆の無知が悪い?/必然性?
    2・3 学者の反省と開き直り 111
    人類進歩の現れ/「資本市場よりいいメカニズムはありえない」/ベンチャー資本/イノベーションへの二つの道/「成果主義」/農業開発/リスクの分散
    2・4 「危機を無駄にするな」 127
    問題の国際性/思想的感染/世界政府へ?/ケインズの国際通貨

    第3部 
    3・1 国際協調 138
    ロンドン会議とピッツバーグ会議/下り坂/ソウル・サミット
    3・2 「適切な」報酬制度 144
    ボーナスはなぜ問題か/金融ボーナス問題の前史/制裁のないリスク・テーク/永遠の問題/銀行の報酬体系に変化/過剰な報酬――ボーナス騒ぎと公平さの問題/金経政複合体/まだ「日本型資本主義」と言えるか
    3・3 現状維持に終わる金融改革 161
    改革論争の主なテーマ、主な当事者/道徳問題/改革論争の主要な場/宣言、ガイドライン、/大義名分/G20の「実践的」提案/銀行の規制――メタボ銀行をどうするか/国家の監督機能強化/自己資本比率/金銭的インセンティブにとって代わるもの/金融業内部の分業強制/派生商品は市場登録へ?/格付け会社の問題/金融商品の種類の制限/FX市場の制御――トービン税/G20での経過/証券のリスク配分と裸のCDS/明るい未来?
    3・4 金融化は不可逆的か 203
    再び金融化現象の本質について/相対量/投資する主体――個人から組織へ/再び金融資本の膨張について/国家の社会保障制度の衰退/企業の経営権を買う金融業者/「ステークホルダー経営」/株主主権主義へ/傾斜する日本/企業価値研究会/企業価値から株主価値へ/会社は株主のものか

    あとがき [226-228]
    謝辞 [229-230]
    注 [232-242]

  • 暴走する金融化現象を批判した本。1・3-実体経済の付加価値の配分における株式会社の捉え方が面白かった。現在の日本においては、株式会社の捉え方として「ステークホルダー論」ではなく「株主価値論」が一般的だ。コーポレートガバナンスも「株主価値論」を全面に押し出したものである。しかし、本当に会社は株主の所有物なのか?金融化が進む経済がそうさせたのではないのか?という疑問を持たせてくれたのが良かった。

  • ここでさあドヤるぞっていうところで、何回もクルーグマンを引用してて、そういう芸風なんかなと。

  • <要旨>
    本作では、世界の資本主義体制が「アングロ・サクソンモデル」へと収斂しつつあると主張し、中でも金融部門の肥大化に警鐘を鳴らすものである。
    例えば軍産複合体ならぬ「金経産複合体」という言葉は、こうした金融部門の肥大化に対して強く警鐘を鳴らしている。

    <感想>
    内容に関しては賛同できた。本来金融部門は実業の世界に対して資金を融通することが主目的であった。しかし、金融工学の発達により手品のような金融商品が次々開発され、リスクを低減させる商品(スワップ商品)が世界中にばらまかれた事で、今日の金融危機が引き起こされた。金融自体が「金を儲ける事」の目的とされたのだ。

    ドーアは日、独においてもアングロサクソンモデルに収斂しつつあると悲観しているが、その点同意である。
    ただ、規制緩和の一方で社会関連資本への投資を増す事で違ったモデルを歩めるのではないかなぁと願っている。

  • 日経新聞で匿名の(大新聞が書評欄に匿名のレビューを載せて恥じないとはどういう神経なのだろう?!)書評氏が「古い日本型経営への郷愁が強すぎ」などと嫌味を言っていたが、なるほど、バブル期には日本型経営を礼賛し、失われた20年で打って変わって米経済礼賛一色に変節した日経には耳の痛い話がテンコ盛りの本書ではある。

  • ここ3~4カ月、経済学者・エコノミスト・経済評論家・経済思想家などの金融経済化した現代社会の問題点への警鐘を読み比べてきましたが、本書はその中でも「濃さ(Density)」ではピカイチであり、またその視点の鋭さと半端ない批評の姿勢について脱帽するばかりである。

    記述が難しいのは、単に論理が日本人と外国人とで違うことだけではなく、引用文献が半端なく多いのと、説明が簡潔にして要を得ているためだと思われます。実を言うと最初手に取った時にかなり抵抗感が強く、他にいろいろ寄り道した後で、再度読み直す事になり、余計に本書の奥深さ、問題意識の高さが浮き彫りになったように思います。

    全編を貫くのは新自由主義をベースにして金融資本主義が膨張し、金融が実体経済を凌駕し、制御不能な状況に陥ってもなおその規制への活路が見出せないことについての、著者の憤りです。

    それにしても、非ネイティブの方が日本語で書いたとは思えないSolidな論考です。

  • 著者のロナルド・ドーアさんは知日派の社会学者とのこと。
    かなり日本型経営への思い入れが強く感じられました。
    したがって、論旨にはかなり共感できる部分が多いです。

    2000年代中盤、リーマンショックまでの景気拡大時には、金融マーケットで超高額な報酬を得た面々が、金融バブル崩壊とともにその穴を埋めることなく逃げてしまいました。
    その時、多くの一般人が怒ったはずですが、金融を巡る事情は何も変わっていないように思います。

    当時私もバブルを実感していました。
    といっても決して、80年代後半のような贅沢を味わったわけではありません。
    なんか、当時の金融商品は(一部ですが)風船ふくらまして売っているような気がしていました。
    金融商品を扱う仕事を少しやっていて、金融の動きに触れる機会が多かったから感じたことです。
    経営の頭で当時の経済を見たら、どっかで崩壊するのは火を見るより明らかでした。

    その辺の問題点はだいぶ言い尽くされていると思いますが、この本がトレースする視点には感心させられる部分が多かったです。
    たとえば、金融が暴走する要因としてプリンシパル・エージェント理論に触れていました。

    こいつは私が大学生の時に論文に取り組んで挫折したやつです。
    要はプリンシパル(=投資家、株主)がエージェント(=経営者)の関係においては、エージェントが自分の利益を優先してしまう問題があり、これをインセンティブによりコントロールすることです。
    実態はインセンティブ(=報酬)の与え方を失敗して企業を食いつぶすことになってしまっています。
    こんなリアルな問題になるんだったら、大学生の時にもっと真剣に勉強しておけばよかったと思いました。
    (まあ、勉強したところで、「世界経済を救った」なんてことにはならないでしょうけど...)

    後半は反省の色のない金融のプレーヤーに規制を課す動きを紹介されていますが、この辺は理解しきれず、どういう方向性になっているのかよくわかりませんでした。

    何はともあれ、Wikipediaに「社会学のみならず、経済学、人類学、歴史学、比較産業研究の各分野に貢献した」と紹介されているとおり、学際的な知識とものの見方はとても勉強になりました。

  • かなり面白かった。新書じゃなくて、ちゃんとハードカバーの分量で読みたい内容だな。
    今まで漠然と自分でも感じていたことが言葉になっていて、ちょっと目を開かされる思い。「金融」の功罪といいますか、ここ20年くらいの「金融」の社会の中での位置づけの変化といいますか(というか、どうやって社会を浸食していったか、みたいな)。
    この本の中で参考文献として紹介されている本とか、こういう内容の論調も複数出ているみたいなので、読んで行ってみたいと思う。
    【ノート】。

  • 日本を長年研究してきた英国人研究者による本。
    世界経済の中で金融の影響力が強くなってきた傾向を「金融化」というキーワードでとらえ、グローバル化と並ぶ世界の潮流としてとらえるべきと訴える。
    高度な金融商品が混乱する市場、株主の発言力が強くなり短期的な利益重視にはしる企業、資本や人材の金融への集中、など多くの現象を筆者は問題視する、金融化の流れを変える適切な規制が必要であると主張する。
    難しいテーマを扱っているものの、非常にわかりやすい。

  • 理解度が足りないことを認めつつ、筆者の論調に共感できなかったので星二つ。リーマンショックのような大きな局面後にありがちな反作用的原点回帰型の論調が余り好みではありませんでした。実体経済を超える金融メカニズムのリスク解説などはフムフムとなりますが、だから“以前”の日本のいいところを思い出してみようというのは違う気がする。ただし、比較文化論を得意とする著者だけあって、1945年以後の世界、という長いスパンで経済史を俯瞰しているところは面白いし興味深かった。向こう4・50年というスパンでみれば、世界経済の中心が米国から中国になるという結論はなるほど自明なので、数年スパンでみれば、まだアメリカというスタンスが大半だと思うが、この自明の結論を常に頭の片隅に常におくことが、舵を切るタイミングを誤らず、大局を見据えるためにはすごく大切だというのも同意。でも実際には10年以上先をみこしての日本の経済戦略を聞くことはあまりない気がする。アメリカに負けを認められる“ゴルビー”がいるかがポイントというのも興味深い。お勉強になりました。

  •  本書はイタリア語の雑誌論文やペーパーバック出版物をもとに著述したせいであるかもしれないが、とにかく読みにくく、わかりにくいと感じた。ところどころに興味あるデータはあるものの、主張の全体像が良く見えない。あまり評価できないと感じた。
     ただ、世界経済の実態のなかで金融部門の比率が近年著しく伸びているのは間違いがないところであると思う。この実態の詳細な分析が待たれるが、残念ながら本書ではよくわからないと感じた。

  • ここ20年間ほどで急速に進展し、リーマン・ショック後は折に触れて問題視されている「経済の金融化」。その様々な現象と留意すべき点が丁寧に記述され、論点が良く整理されている。そして読む者に際限のない問いを投げかけてくる。

  • 他の著作も読みたいと思いました。

  • モラルのない金融業界が世界をダメにするのではないか?
    現在のデタラメさがよく分かる。小泉・竹中路線は結局ダメなのではないか?

    書評で紹介されていたのでAmazonから購入;2012/02/09から読み始め;途中で他の本も読みながら2/15に読了

  • * リーマンが倒産した時の社債残高は1550億ドルだったが、社債を持たずにリーマンの倒産に賭けられていたCDS契約残高は2.5倍の4000億ドル。国際決済銀行の調べによると2006年の世界合計GNP総額は約66兆ドルであるが、その年のデリヴァティヴ契約残高はその8倍も516兆ドル!

    * 国際為替市場での一日の取引総額は3.2兆ドルで実需である世界貿易総額320億ドルの100倍!

    * 米国における総企業利益に占める金融界のシェアは1950年代は10%若であったが80年代以降急激に上昇し2002年には41%となり、リーマンショック後の2008年は流石に15%に低下したものの2010年第一四半期には再び36%に上昇。

    * P.クルーグマンに言わせれば「ここ数年間、金融業はアメリカの総生産の8%を占めた。一世代前は5%だった。その増加分の3%は、結局何も役にも立たない、無駄・詐欺に費やされた3%だろう。金額に換算すれば、その3%は、実に年間4000億ドルに上る」となる。

    リーマン・ショック、円高問題、欧州債務危機、財政規律優先主義、消費税問題、小さな政府問題などなど世の中の様々な問題はいずれも解決するの難問であるということは判るのだが、必要以上に「金融界」「投資家」なるものの声が大きすぎ、政策を歪めているような気がするのは決して幻想ではないし、本書で紹介される上記のような数字を見ると彼らの意見または「脅し」もそれなりの意味を持つことが判るであろう。

    世界を危機に陥れた金融界は税金の投入により復活し、いつの間にかまた莫大な利益を背景に各種政策に声を大にして介入しだし始めている様子だ。その力の源泉を「社会の金融化」という観点から分析しているのが本書だ。再び金融界の暴走とバブルの崩壊を起こさない為の国際的な金融改革は出来るのであろうか?それが上手く行かなければ、ますます「社会公正の実現」は困難になるであろう。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:332//D87

  • 株式保有の積極的推進が政策として本格的に始まったのは、1980年代の英米におけるサッチャー、レーガン両政権時であった。もう反資本主義思想に対抗するためという考えからではなかった。何しろ、1990年には資本主義の完全勝利に終わってしまうのだから。
    日本でも証券文化の奨励が激しくなって、総理大臣までもが、貯蓄から投資へとスローガンを繰り返すようになったのはここ10年である。
    実質的な政策形成を導く議論の中には、課題の国際性が明らかなのに、G20の海上ではなく、主として各国内の閉鎖的な雰囲気の中で行われ、相互に影響を及ぼすものが存在する。グローバルな金融うシステムを変えるには、G20の合意による勧告もある程度公職力があるが、それよりも重要な普及のメカニズムは、各国政府の措置が他国の措置モデルとされることだろう。

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金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱 (中公新書)の作品紹介

過去三〇年間、アングロ・サクソン諸国の資本主義の進展には一つの目立った特徴があった。金融業が実体経済に対する支配権を強化していく「経済の金融化」傾向である。時として金融市場が危機状態に陥ることだけが金融化を問題視する根拠ではない。それは、社会、政治、教育などにも憂うべき結果をもたらす現象なのだ。金融改革、弊害の是正はいかにあるべきか。日本の社会や資本主義への理解が深い碩学による警世の書。

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