金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱 (中公新書 2132)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021328

感想・レビュー・書評

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  • 理解度が足りないことを認めつつ、筆者の論調に共感できなかったので星二つ。リーマンショックのような大きな局面後にありがちな反作用的原点回帰型の論調が余り好みではありませんでした。実体経済を超える金融メカニズムのリスク解説などはフムフムとなりますが、だから“以前”の日本のいいところを思い出してみようというのは違う気がする。ただし、比較文化論を得意とする著者だけあって、1945年以後の世界、という長いスパンで経済史を俯瞰しているところは面白いし興味深かった。向こう4・50年というスパンでみれば、世界経済の中心が米国から中国になるという結論はなるほど自明なので、数年スパンでみれば、まだアメリカというスタンスが大半だと思うが、この自明の結論を常に頭の片隅に常におくことが、舵を切るタイミングを誤らず、大局を見据えるためにはすごく大切だというのも同意。でも実際には10年以上先をみこしての日本の経済戦略を聞くことはあまりない気がする。アメリカに負けを認められる“ゴルビー”がいるかがポイントというのも興味深い。お勉強になりました。

著者プロフィール

ロナルド・フィリップ・ドーア(Ronald Philip Dore)
1925年2月1日 - 2018年11月13日
イングランド南部ボーンマス生まれ、イギリスの社会学者。ロンドン大学名誉教授。専攻は日本の経済および社会構造、資本主義の比較研究で、日本の労使研究で著名な研究者。
1947年、ロンドン大学を卒業。現代日本語を専攻していた。1950年に東京大学に留学。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院卒業後、サセックス大学、MITなどを歴任した。
主な代表作に、『働くということ』『金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱』『誰のための会社にするか』『学歴社会』『幻滅』『日本型資本主義と市場主義の衝突』など。

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