金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱 (中公新書 2132)
- 中央公論新社 (2011年10月22日発売)
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感想 : 27件
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- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121021328
感想・レビュー・書評
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理解度が足りないことを認めつつ、筆者の論調に共感できなかったので星二つ。リーマンショックのような大きな局面後にありがちな反作用的原点回帰型の論調が余り好みではありませんでした。実体経済を超える金融メカニズムのリスク解説などはフムフムとなりますが、だから“以前”の日本のいいところを思い出してみようというのは違う気がする。ただし、比較文化論を得意とする著者だけあって、1945年以後の世界、という長いスパンで経済史を俯瞰しているところは面白いし興味深かった。向こう4・50年というスパンでみれば、世界経済の中心が米国から中国になるという結論はなるほど自明なので、数年スパンでみれば、まだアメリカというスタンスが大半だと思うが、この自明の結論を常に頭の片隅に常におくことが、舵を切るタイミングを誤らず、大局を見据えるためにはすごく大切だというのも同意。でも実際には10年以上先をみこしての日本の経済戦略を聞くことはあまりない気がする。アメリカに負けを認められる“ゴルビー”がいるかがポイントというのも興味深い。お勉強になりました。
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