贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ (中公新書)

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著者 : 桜井英治
  • 中央公論新社 (2011年11月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021397

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贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 日本中世における贈答儀礼の功利的性質にスポットをあて、贈与行為から発展して政治・社会・経済に及ぼす動向と影響、その変遷を明快に解き明かした意欲作で、新書ながら歴史学の醍醐味を堪能できる作品。前提にある経済史や社会史研究の蓄積だけでなく、歴史学のみならず主に人類学や経済学といった近隣諸科学での知見も取り入れ、自分なんかがこの場合はどうなんだ?と思ったことに対しても、明解な回答が用意されているような切れ味のよい論理も魅力的だ。
    マルセル・モースのいう贈与をめぐる義務である「贈り物を与える義務」「それを受ける義務」「お返しの義務」そして「神や神を代表する人間へ贈与する義務」を出発点に、「贈与」せざるを得ない状況に追い込まれる(現代でも年賀状とかお歳暮、バレンタイデー・ホワイトデー、香典・香典返し、お返しの贈り物、災害後の寄付しろ「圧力」など。余談ながら3・11直後には、石原軍団お得意の炊き出しをなぜ迅速に行わないのだというマスコミ記事が印象的でした)有り様が、いかに中世日本人を衝動させ政治や経済と結び付き発展していったかの諸相はとても興味深く面白いものだった。
    贈与から税への変質を論じた第一章では、律令制下の税である租や調が神への贈り物を起源とし税化した話や、室町幕府へ提供した守護大名の守護出銭も本来の相互扶助的贈与(トブラヒ)であったものが税化されたという話が面白かった。
    強制される贈与を論じた第二章では、祇園社祭などに資金を供出される役目を担わされる馬上役が、お金を貯め込んだ「有徳人」に対する「浄財」供出思想を持っていた話や、中世の「遷代の職」に付随する役得(=賄賂)も「先例」である以上、受け取らざるを得ない状況にある、そして一旦「先例」になれば納める方は恒常化するので、いかに「先例」化を回避しようかという努力の話などが面白かった。中世においては、「相当」と「礼」の関係として、相手の身分とのバランスを考慮した贈り物と返礼が必要であり、ポトラッチ(贈り物競争)とは異なる「対称的返済」「同類交換の原理」が働いていたという。具体的事例として、夏の瓜を贈り合う慣習とか、8月の八朔の贈答にまつわる悲喜こもごもの顛末(返礼しない、返礼品の相当が不足しているなど)など、かなり中世人の心を規定していた様子が興味深かった。
    そして、第三章では13世紀後半より年貢の代銭納制が進展し、さらに持ち運びに便利な割符(手形)が採用されるという信用経済が普及した市場経済社会の成立に伴い、贈答品の市場売買がひろく個々の経済を支えていたとする。天皇や将軍からの下賜品は売買やオークションで換金されることが前提、贈答品も右から左へ流用(本願寺証如が細川氏綱から受けた年始の祝儀は、実は証如が三好長慶へ贈ったものであったという)は当たり前、そして換金できるということであれば贈り物の「ねだり」「たかり」もあり、日明貿易での調達品も既定の贈与品を前提にしていたという話はとても興味深いものであった。将軍が寺社などへ御成(おなり)した際に献上される贈り物が、将軍の下賜品や幕府財政の一端を担う「贈与依存型財政」の様を呈しており、「将軍家御物(ごもつ)」にもそうした売買前提の鑑識眼により蓄積されたという話も面白い。そして、こうなると贈与の品物がお金に変わってもなんら不思議ではなく、さらに贈り物に必ず付随する折紙(目録)も「信用(経済)化」し、また贈与の相殺に使用され、空手形のような折紙が乱発された揚句(贈与の見返り効果がないと現物は送らない)、債務の肩代わりにも使われる状態になったという。本来、人格的であるはずの贈与が非人格化し贈与経済が限りなく市場経済に接近した時代、贈与を過剰に煽りギフト産業を儲けさせる現代の仕組みとはベクトルの異なる、贈与の省力化・骨抜き化が逆に贈与を市場経済に近づけ... 続きを読む

  • 今、「贈与」という行為が見直されているので読んでみた。「市場経済」と対比させて語られる「贈与経済」というものの(特に中世における)あり方がよく理解できた。中世日本の文化を知るのには大変参考になる、学問的重要性の高い著書。
     日本人の「贈与」のあり方は、欧米と比べると好意によるものでなく、義理や義務といったものに起因するのだという。確かに、日本人というものは、一度何か贈与されると、その後受贈者は贈与者と顔を合わせる度にお礼を言う。日本人の義理堅さというものは興味深い。

  • 日本の中世、とくに室町時代の贈与に関する考え方をあらわしたものです。「数寄」や「名物」が評価される歴史的な背景がうかがわれます。贈与とは好意ではなく義務であり、その義務に対する返礼もまた義務であるなど、著者の別の本や論文などにも拠りながら、論がすすめられていきます。参考文献も充実しており、新書でこのボリュームはかなりお得なのではないでしょうか。

  • 元来贈与には、純粋な厚意であるより儀礼的な側面が強く、日本の中世においても、その発達は形式的複雑化の一途を辿った。贈り物の交流は人と人とを繋ぎ、その関係を保守強化する契機となりうるが、贈り物が義務化、秩序化するに至っては、むしろ個々の関係の人間性は失われてしまう。それは、ゆくゆく市場経済の発達とも相なって、ヒト、モノ、カネのすべてを非人格的で交換可能なものに浸食していくのである。やがて、過剰な流動性のもと、市場経済は実体を介さない証文だけの取引となって金融を発達させ、贈与もまた、実体を動かさない目録だけをやり取りとなってその最盛期を迎える。(市場経済にせよ、贈与にせよ、信用取り引きの高じるほど、人間性を退くというのは、とても示唆的である。)そして、その破綻によって、人間性の復権、地方の擁立、戦国時代の幕が上がるのだ。

  • 先日江戸東京博物館のボランティアの方から、江戸時代の諸大名による贈答儀礼のお話を伺った。当時、諸大名は江戸藩邸下屋敷を中心に将軍家や他大名の冠婚葬祭、贈答情報を収集し、それぞれの格付けに従って何をどれだけ贈るのかを判断していたという。かなりシステム的な贈答儀礼が存在したことを伺わせる。
    本書によれば、既に中世の段階で贈答儀礼の形式化が進み、どのような場合にいつ何をどれだけ贈り返礼すべきか、役職や身分によって詳細に慣習化されていたという。贈答行為は社会的に厳格に規定され、どのような贈り物を受けられるか、あるいはどのような返礼を受けられるかについて高い期待可能性が存在した。その結果、このような贈答行為を前提とした(あてにした)驚くべき経済活動が派生した。
    例えば、贈り物に添付された「折紙」(目録)が独立して前渡しされ、贈り物を受けるべき権利が化体した証券として流通するようになる。贈り物が現金である場合には、「折紙」の相殺さえ行われた。このような経済活動は、「折紙」に基づいて贈与が行われるという社会的信用がなければ成り立たない。また、朝廷や幕府の公式行事や公共事業の一部も、有力大名からの贈り物をあてにして予算化までされていたのである。
    もちろん、こうした極端な経済活動も、「贈与の最盛期」だった15世紀の100年間に見られた現象にすぎない。しかし、キリスト教文化の贈与とは異なる現代日本の贈答文化を考える上で、示唆に富むことは言うまでもない。

  • 鎌倉室町時代(12~16世紀)の中世を焦点に、贈与がいつどのように形成されてきたかを探った本。

    いやー、おもしろいね。

    中世の頃は、功利的贈答儀礼があったことがわかるし、市場経済にみられた合理的思考、計算、打算といった考えが贈与の領域に浸透していたことも発見できる。贈与経済と市場経済は決して対立的なものではなかったのよ。。



    おもしろいなー、と思ったのが贈答品のリサイクル。
    1年中贈り物が飛び交う中世の世界。そこで贈られた贈答品があまりに多いと、貰った人は売却、再利用するんだって。
    社寺の場合、独自の贈答品オークションがあったというから驚き。このオークションは換金・再利用目的の贈答品市場として機能していた。贈答品買取の専門商人もいて、近世になると献残屋という贈答品専門の買取業者(今で言うとリサイクル・ショップ?)までいたというから、なんとまぁ。
    それに贈られてきた贈答品を別の人への贈答に充てることも行われていたという(いいんすっか?これ)。
    もはや贈答儀礼そのものが実用的な物資調達手段になっていたとさ。
    例えば、戦国武将にとっての馬や、日明貿易の輸出品など、軍事・外交・財政上の重要物資が贈与経済のメカニズムによって調達されていたという。贈与という行為を通して中世日本がダイナミックに動いていたとはホント驚き。


    一番興味深いのが折紙というシステム。折紙とは=贈り物の目録のこと。これの使い方は、いきなり現金を送らずに金額を記した折紙を先方に贈り、あとから現金を届ける。現金が引き渡されると、受贈者から贈与者に清算がすんだ証として返却される、というもの。折紙の経済的機能は、資金準備がなくても贈与ができること。計算上の操作として贈与の相殺すらできた。これは困窮する貴族社会に贈与の合理化をもたす。
    折紙の仕組みによって贈与と言う儀礼にも債権・債務関係の操作が入り込んで帳面上の操作・計算のみで贈与を完結させていった・・って、これ贈与か?マジっすか??
    なんだか中世人のしたたかさ、逞しさを垣間見るような功利的な贈与儀礼である。


    贈与って元々、人と人・集団と集団が良好な関係を維持していくためのコミュニケーション手段だ。著者は、中世は贈与経済と市場経済が親和的な関係にあり、共通の功利主義的精神が一方では贈与の領域に、他方で市場経済の領域にあったという。
    でも中世の贈与は本来の意味からかなりかけ離れたところまで行ってしまったように思う。
    なにより中世人も人付き合いに苦労し、でもうまくしたたかに逞しくこなしながら、人との距離を保っていた。人付き合いなんてあらゆる時代の永遠のテーマかもね。

  • 「たとえば中世は自給自足の時代などではなく、多くの物資が商品として流通し、それらの価格も需要と供給のバランスによって決定されていた。
    (中略)また、権利というものがーー物権であれ、債権であれーー中世ほど用意に移転しえた時代も少ないだろう。」p.ⅲ

    「中世の人びとは損得勘定、釣り合いということにひじょうに敏感であった。彼らは、損得が釣り合っている状態を『相当』、釣り合っていない状態を『不足』とよび、他家との紛争や交際ではつねに『不足』の解消と『相当』の充足を求めたのである。」p.82


    中世(主に15世紀)の日本の贈与について、その発生、形式化、市場との交わり、法化など、いくつもの変化を描いている。
    あらゆる規範やしきたりには、それらが生まれた合理的な理由がある。そしてその規範が生まれる土壌としての社会状況や文化がある。
    この本には、そのような合理的理由や土壌を検討する意義を教えてくれる。

    それにしても、金融手法(本書における贈答品の流用や、折紙)は必要に応じて生み出されるのだなあ、すごいなあと感じた。

  • 「贈与」の理論的背景が分かって、ギフト、寄付、税金、社会的交換など、色々なことの基盤が理解できる。

  • 主な題材は、日本の室町時代の贈与。本来は人間関係を維持、構築するための儀礼だった贈与が、あまりにも頻繁に行われる欠かせないものであったがゆえに、どんどん自動化、非人間化していく。やがて儀礼と経済活動の境目があやふやになっていき、最終的には幕府や将軍家を維持するための公的活動、税のひとつになった。応仁・文明の乱を皮切りに、打ち続く戦乱で京が荒廃することで衰えていったが、もしそのまま進んでいったら贈与がどんなものになったかを想像すると面白い。

  • [送り送られの心うち]世界の中でも独特の位置づけがなされる日本の贈与文化。その中でも特に特異な発展を示した中世の贈与の在り方を眺めながら、贈与が果たしていた社会的役割や、その裏に隠されていた贈与への人々の思いを明らかにしていく作品です。著者は、日本中世史や経済流通史を専攻としている桜井英治。

    中世の文化における贈与というものが本当に複雑で「変わった」ものだったことに驚かされるばかりです。現在行われている贈与を頭に思い描きながら本書を読むと、その違いに興味が湧くと同時に、なんとも中世の人たちも大変だったなと思うこと間違いなしです。それにしても夏に送った贈り物のお返しが年初に届くことがままあったりと、中世の人の時間感覚はずいぶんと今と違っていたんだなぁと。

    また、贈与が限りなく発展していった挙句の果てに、経済との境目がはっきりしてこなくなる様子なども記されており、贈与という行為自体に新たな目を開かせてくれるのも本書の魅力の一つ。当然今日においても贈与は人々のあらゆる生活の側面に欠かせないものとなっていますので、本書で先人達の贈与への姿勢を日常生活の参考にしてみるのも一考かと思います。

    〜日本の贈与の歴史が私たちに教えてくれているのは、他人との限界的な付き合い方であり、それはつまり身近な人ではなく、もっとも遠い人との付き合い方である。それは現代人が苦手にするところであろうが、中世の人びととてけっして器用とはいえなかった。それは私たちにとって、ひとつの救いでもあろう。〜

    贈り物に気苦労しちゃうタイプなので勉強になりました☆5つ

  • レヴィ=ストロース的なものを期待してはいけない。悪くない本だが、ジャック・アタリの所有論をヨーロッパについての考察としてはともにすすめたい。

  • Lv【初心者】~
    桜井先生の魅力的な室町描写が光る一冊!
    当然、室町だけでなくもっと広い時代、日本を超えた枠組みで贈与を面白く扱っておられる。
    だけど、やっぱり先生の室町描写、特に当時の経済のお話は物凄く魅力的で引き込まれる。

    貞成親王と六代将軍・足利義教の間で交わされる「折紙銭」の摩訶不思議な遣り取りは、室町期の朝廷と武家の在り方を知る上で、なるほど、うなずかされる事しきり、だ。

    桜井先生の「室町人の精神」→「破産者達の中世」→本書の順で読み直しても面白いと思うのでオススメ

  • ≪目次≫
    はじめに
    第1章  贈与から税へ
    第2章  贈与の強制力
    第3章  贈与と経済
    第4章  贈与のコスモロジー

    ≪内容≫
    中世(とくに室町期)の贈与が経済と密接に関わっていたことを説明している。なるほどだったのは、室町期は「贈与品」の横流しも妥当なことで、さらにこれがたとえば幕府の税収に位置づけられていたこと。中世の人々の感覚は、現在とかなり違うことは、「20年年紀法」などでうっすら知っているが、特に金銭感覚は大幅に違うことが分かった。しかし、近世は贈与品を横流しすることは、もう御法度なので、なんで中世はそんな感覚になったのかを知りたくなった。

  • モース的贈与論の修正がいかにも現代の学問というところがあって実におもしろい。新書でこういう新しい学問が読めるのは本当に良い。

  • 儀礼としての贈与が重視されながらも、極端な形式主義で、贈与品の流用も平気で行われた日本の中世の独特の世界が垣間見えて知的に刺激を受けることができた一冊。

  • 資料ID: C0032972
    配架場所: 本館2F新書書架

    角川財団学芸賞

  • 贈与と税や経済の関係、贈与が強制力を持つ過程などを、中世日本の贈与を素材に考察。
    お茶会で"決められてる"諸出費の事などが想起され、名残なんだなと思った。
    折紙の話とか相殺の話とか、知らないことも多かったー。

  • これもまた前なので詳細飛ばしますが、
    読みたかったのはこれだ、でした。です。

  • 学術書としては価値があるのだろうが、自分にとっては贈与に関する雑学を仕入れただけで、根拠を示す部分が冗長に感じられた。税が贈与から発展したということは新発見だった。

  • 内田樹さんの提唱される「贈与経済」に強く惹かれたので、贈与、贈与と唱えていたのだが、日本政治思想を研究している水野氏からこの本を貸していただいた。

    ひと通り読んだだけでは、なんか私がイメージしていた贈与経済とこの本との接点がつかめなかったのだが、最度、読み返してみると朧気ながら浮かんでくるものがあるような気がしてきた。まだ、これというものはつかめないのではあるが、大事なヒントを蔵している著作のような気がする。

    それにしても驚いたのは、13世紀には日本に市場経済が成立していたという事実である。そりゃぁそうではあるが、改めて説明されるとなんだかショックを受けた。私の頭の中では市場経済が貧者の不幸を生み出しているような気がしていたからだ。「市場経済」から「贈与経済」へという内田さんの構想にひかれたのも、自分が貧乏な気がして窮屈だったからだ。

    しかし、問題は市場経済ではない、どうもそれを取り巻く一種の「法」とでも呼べるもの(本文78ページ参照)じゃないのか?

    「儀礼と経済のあいだ」という副題も示唆深い。共同体が存続してゆくためには守らなければならない掟があるはずである。儀礼は掟の結晶化したものだし、経済は掟に沿って営まれなければならない。私に必要なのは、経済に関する掟の究明や理解なのかもしれない。

  • 確かに贈与の歴史だった。
    日本の西暦1400年から1500年あたりの時代に,贈与システムがどんな風に機能していたかを丁寧に議論されていた。
    そういう意味では,評価が星二つなのは厳しすぎるのは分かっている。

    しかし,儀礼と経済の間,というサブタイもあって,まさか日本のそんな100年間に限った話だとは思わなかったので,もっと古代のクラ交換とかレヴィ=ストロースの話とか,そういうところから近代・現代の贈与までを議論するのかと期待して読んだのだ。
    そしたら,どこまで読んでも南北朝のなんとか天皇と足利の何代目だとか,土倉とか寺院の誰とかの古文書を引いての論理展開ばかりだったという。
    そういう意味で期待外れで,がっかりした。
    それならサブタイトルをもうちょっと内容に即してつけてくれよ・・・・。

  • 贈与の4原則は興味深い

    2012/03/03図書館から借用;3/9朝の通勤電車から読み始め;途中別の本も読みながら,3/15読了

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贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ (中公新書)の作品紹介

贈与は人間の営む社会・文化で常に見られるものだが、とりわけ日本は先進諸国の中でも贈答儀礼をよく保存している社会として研究者から注目を集めてきた。その歴史は中世までさかのぼり、同時に、この時代の贈与慣行は世界的にも類を見ない極端に功利的な性質を帯びる。損得の釣り合いを重視し、一年中贈り物が飛び交う中世人の精神を探り、義理や虚礼、賄賂といった負のイメージを纏い続ける贈与の源泉を繙く。

贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ (中公新書)はこんな本です

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