レーガン - いかにして「アメリカの偶像」となったか (中公新書 2140)
- 中央公論新社 (2011年11月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121021403
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
大統領になるまでの生涯が丁寧に書かれていて、レーガンのポリシーの背景を読み取ることができた。また冷戦の収束に向けての駆け引きをはじめ、当時の出来事の背景を知ることができた。
-
よく耳にする「小さな政府」、「強いアメリカ」の代名詞、そして中曽根元首相とのロンヤス関係で有名なレーガン元大統領。自分がNYCに住んでいた頃、元NYT記者と政治の話で盛り上がっている時、「理想の大統領は?」の質問に「もちろん、ロナルド・レーガン」と断言する姿に、確かにあんたはバリバリ保守派の共和党支持者だよね~と納得。
ハリウッドのB級俳優な民主党員が、直観的な機転とすぐれた演説スキルを武器に共和党の保守派として大統領に上り詰めたドラマ。少し薄いかな?とも思ったけど。そのくらいでちょうど良いかも。
生誕100年を過ぎ、元大統領の伝記映画が製作されつつあるというので、ぜひ見てみたい。 -
読みやすいですが、もう少し焦点を政治家としての部分に当てて欲しいと思いました。
-
レーガンのアメリカを駆け足で振り返ることができた。Born in the U.S.A.が懐かしい。自分にとってのアメリカのイメージが形作られた時代でもあった。
-
レーガンが大統領になったときは、自分が大学生でお茶の水駅の階段を上っているときにしった。世界戦争になるのではないかと危惧した。
自分も未熟だった。
この本は、新書ながら、レーガンの生い立ちからその思想的背景まで丁寧に分析している。
(1)レーガンは、経済的保守(自由主義)と宗教的保守(南部キリスト教保守派)と反共主義とを包摂する保守派の魅力をもっていたい。(p112)
現在、共和党はロムニーが優勢になっているが、ロムニーも茶会グループのような極端な小さな政府グループを包摂した緩やかな保守派の賛同をえられるかがカギになる。
(2)レーガンは、ハイエクの『隷属への道』をよく読んでいた。(p97)
レーガンを無能、無知と評価する人も多いが、彼は読書家で、反対派をやりこめる反応力とウィットがあったのは確か。
(3)アメリカ保守派は、レーガンがこだわったSDI構想がゴルバチョフを追い詰めたと考えている。これに対して、民主党は、単にゴルバチョフが一方的におりたと考えている。(p303)
今年の選挙では、オバマは再選をねらうが、共和党の偶像化しているレーガンをまねた候補と闘うことになると思う。極端な自由貿易主義、自国中心主義にならねばいいのになと願う。 -
第40代アメリカ大統領ロナルド・レーガンの評伝。大統領に就任するまでの来歴にページの半分以上を費やしており、彼がなぜ「小さな政府」を提唱するに至ったかがわかりやすく書かれている。その一方で「強いアメリカ」(軍事増強)という相反する政策を唱えた矛盾について、俳優出身という経歴の彼自身がアメリカの矛盾や二面性を体現していたという伝にはおもわず納得してしまいそうになる。レーガンが繰り返し「丘の上の輝く町」と形容したアメリカの理想像は、日本的文脈に置き換えるとさしずめ「坂の上の雲」になるのだろう。