経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)

  • 415人登録
  • 3.75評価
    • (25)
    • (52)
    • (44)
    • (5)
    • (1)
  • 56レビュー
著者 : 佐藤百合
  • 中央公論新社 (2011年12月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021434

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
クリス・アンダー...
落合博満
村上 春樹
ウォルター・アイ...
有効な右矢印 無効な右矢印

経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 刊行から時間が経つが(2011年12月刊行)、インドネシアの「今」と「これから」を知る上で、役に立った。内容はやや専門的で、学術的なところもあるが、わかりやすく解説されていると思う。内容の濃い新書だった。

  • インドネシアの近代を経済的視点から俯瞰した良書。
    2011年発刊だが、今尚大いに参考になる。

    経済成長が続くインドネシアであるが、実際に訪れるとジャカルタには近代的なビルが建つ一方、裏通りには低所得者層の居住区がある。その格差・落差に驚かされる。タイトルに
    『経済大国』とあるが、感覚的には買い被り過ぎ。

    人口ボーナス、民主化の進展、経済テクノクラート(人材)や華人財閥・プリブミ企業の規模拡大など、経済発展の素地は整っており、政治の安定・適切な経済政策がなされることでインドネシアの経済発展はより強固なものになるだろう。

  • インドネシアのことを知りたくて読み始めた2冊目の本。2010年位までの経済状況を知ることができた。2004年ユドヨノ政権になって以降、政治的安定により経済も安定的に前進しているとのこと。たいへん参考になった。

  • 少し古いが、著者の目的通り、インドネシアの今を政治経済の角度から的確に伝えている良書。インドネシアでビジネスする際には頭に入れておきたい。
    更なるアップデート版を期待する。

  • 【分類】332.24/Sa85
    社会科学のコーナーに並んでいます。

  • 20160226
    ジャカルタへの機内で読了。3年ぶり?のインドネシア出張ということで、少しインプットした。民主主義体制が定着し、離陸間近というポジティブな印象。人口ボーナスを享受できる体制が整ったという状況。今後20年が楽しみ。インドネシア語とか勉強しようかな。とすら思わさせる。

  • インドネシア現地調査に行くためゼミの輪読本として読んだ。
    インドネシアの政治・経済・文化が章ごとにまとめられている。インドネシアの全体像を把握するのに役立つ。
    興味のある分野を深く調べて、深い知識の習得を続けていきたい。

  • インドネシアの近代史が良く分かる本だと思います。特に、最近の主要な政権の鍵となる人物、インドネシアの財閥の成り立ちなど、幅広くしっかりとまとめてあるので、この本から入って個別トピックを深堀りしていっても面白いと思います。

  • ※メモ

    【きっかけ】
    出てすぐくらいに薦められて借りていたが、そのまま長らく放置。
    マクロ経済の本読もうというのと、ちょうどインドネシアを舞台にした援助と汚職の本を読んだ後というところで、手を取ってみることに。

    【概要】
    インドネシアは経済大国である(になりうる)という視座から、国の立ち位置、歴史(特にユドヨノ下での民主主義への転換)、経済政策・産業のアクターなどについて概観している。

    【感想】
    フィールドとして入り込んで政治経済を丹念に追ってきた成果が平易にまとめられている。
    体制転換の中で政府と民間のプレーヤーがどういう関係にあってどう動いてきたかという点まで追っているのは、そういった現地での蓄積によるところか。
    経済パフォーマンスという現象の底流にあるものが分かる。
    また、2014年選挙の結果を過去からの流れの中で理解することにも役立った。

    マクロ経済動向の捉え方はごく基本的なツールを用いていると思うが、様々な国の姿を捉える上での簡潔明瞭な整理の仕方として参考にしてみる。

    人類学色が強い旦那さんの研究と全然違う印象。

  • 主に人口と政治体制に着目し、インドネシア経済の将来性について書かれた本。3年程前に書かれた本なので、現在の状況にどれだけ当てはまるかは疑問も残るが、現代インドネシアの歴史という観点や、国の発展という観点からも面白かった。

    直近のインドネシア大統領選挙は、国民が国の主導による開発(開発独裁に近いもの)を選ぶか、開かれた経済成長を選ぶかという焦点があった。最終的には後者のウィドド氏が勝利しそうだが、対立候補である元陸軍のプラボウォ氏もほぼ同数の票を集めており、国の方向性について国民の間で揺れている姿が浮かぶ。

    他に細かい論点で面白かったのは以下2点。
    ・資源に恵まれたインドネシアはオランダ病を発症せずに済むか
    ・インドネシアの高成長は、全要素生産性の伸びが低いため、持続的ではなくいずれ行き詰まるのか。

  • 政治と経済政策が主題でおもしろかった。
    次は地方州の実態と展望も気になる。
    大統領選ももうすぐ行われ、もうほぼ次は決まったけれど、ユドヨノの残した安定と成長の路線を進めていけるか、不安ながら期待したい

  • わかりやすい。ユドヨノ後どうなるか、もう少し著者の予測があればよかったと思う。

  • 国主導としてのインドネシアの経済発展の流れが掴めた。しかし、ジャカルタを中心とする都市部と、美しく多様な文化をもつ地方、経済発展の波及は逃れえないけれども、どう共存していくのか。私の興味の観点はそこにある、と感じた。

    文学部として、多様であって美しくてひとが幸福だと感じる社会は、経済発展によって実現可能か。とりあえず、インドネシアに行って、色々なものを見るのが楽しみ。

  • 政治的な問題が取り除かれつつあること、人口ピラミッドが適した状態にあることから、インドネシアが今後10年以上発展し、経済大国となる可能性があることを分かりやすく説明している。

    今までインドネシアという国についてほぼ無知であった(アメリカより横幅が大きいということすら知らなかった)が、非常に平易で読みやすかったおかげでかなり詳しくなれた気がした。

  • 昨日、書店で時間潰しに読んだ。アジ研の人が書いた本は新書でも内容濃くていいね。

  • インドネシアが経済大国である理由、それは人口構成がピラミッド型であり人口ボーナスの恩恵を受けられるから。そして政治が安定していることが成長の要因である。

    インドネシアだけを扱った本ですが、本書の結論は新しくありません。人口が伸びるから市場が大きくなるにつきます。扱っている範囲は経済だけでなく政治についても詳しく書かれています。また、英語を直訳したような文章になっているので読みにくく感じます。

    第7章では日本とインドネシアの関係が述べられていますが、日本の存在感が薄れてきている現実があるので、フローではなくストックで見た日本が強調されています。このあたりは日経新聞と同レベルの事しか書かれていません。

  • ○この本を一言で表すと?
     戦後インドネシアの歴史、民主主義の確立、経済成長のための課題とその解決策について書かれた本


    ○この本を読んで面白かった点
    ・イスラム教徒が多い(約88%)インドネシアの国章でヒンドゥー教のガルーダをモチーフにしていたり、建国五原則で神を「アッラー」ではなく「トゥハン(インドネシア語で特定しない神を指す)」にしていたり、人口の約四割を占めるジャワ人のジャワ語ではなく文法がシンプルで表記が簡便なムラユ語(マレー語)を国語にしたり、確かに寛容な国だと思いました。(第1章)

    ・現在の人口がすでに多く、中間層が今後さらに増大していく傾向(2020年に2億人以上)にあるなど、消費市場が伸びそうな要素が盛りだくさんで、労働力としても優秀など、人口ボーナス(生産人口に対し従属人口が相対的に減少)を活かすための出生率低下政策と雇用確保がうまくいけば間違いなく伸びそうな国だなと思いました。(第2章)

    ・現在の中国のような政治体制(立法・行政・司法の三権よりも上の最高機関が存在)から大統領公選制のアメリカのようなはっきりと三権分立された政治体制に転換できたのはすごいなと思いました。移行時に権力が逆転して今度は国会と政党が国民協議会を牛耳るなどの動きも過渡期の大変さを表していると思います。(第3章)

    ・元々上意下達がはっきりしている状態(中央⇒州⇒県・市⇒郡⇒村・町)から州に実権を与えることにより分離独立要求を助長しないために頭越しで県・市に実権を与える、というやりかたはなかなか極端で面白いなと思いました。自治が行き過ぎて全く管理できない状態になり、州・県・市が中央の補助機能を併せ持つという形で戻ったことも、中央の政治体制の揺れ動きと同様に大きく揺れ動いて最後にバランスを取っていてなかなか面白いなと思いました。(第3章)

    ・ユドヨノ大統領がスハルト時代に武力抑制で抑えていたGAM(自由アチェ運動)と和解でき、国軍に影響力があったために動きを押さえることができ、テロに対しては断固たる姿勢で臨んで治安を安定させることができたのも元軍人という経歴があったからという話に納得できました。エジプトの革命では軍がバックにいて成功したものの、軍の体質が変わらず軍を外して政権を固めることができていないことと対照的だなと思いました。(第3章)

    ・ユドヨノ外交のバランス感覚はなかなかすごいなと思いました。WOC(世界海洋会議)開催、COP13議長国、2009年G20で気候変動セッションのキースピーカー、バリ民主主義フォーラム主催、非民主主義国との独自対話ルート、特定の大国の影響下にはいらない(ASEAN+3、ASEAN+6への無回答、TPPへの無関心)など(第3章)

    ・インフラ開発の未整備は発展途上国・中進国のどの国でも(ブラジル・インドなど)ありますが、民主主義化してからインフラ整備に対応しづらくなったというのは印象的でした。民主主義化する前に開発独裁の国だった韓国、今も開発独裁の国であるシンガポールなどでインフラ整備がうまく進んでいるのと対照的だなと思いました。(第4章)

    ・政官産学界を広く計画策定のプロセスに参加させて「マスタープラン」を策定することができたのは民主主義の国ではかなり上々の結果だと思いました。今の日本では無理そうだなとも思いました。(第4章)

    ・6つの経済回廊のように地域ごとに特色のあるなかでマスタープランの22業種を割り振るというやり方は、島国で人口もそれなりに分散している国家ならではだなと思いました。(第4章)

    ・インドネシアは何が成長主導産業か?という問いは確かに具体的なイメージがわかず、それゆえに「フルセット主義」というのはなんだか納得しました。1990年と20... 続きを読む

  • JETROアジア経済研究所の方が書かれています。

    やはり,政治,自然災害,治安問題,環境問題,金融市場など,条件と役者は,
    組み合わせとタイミングが重要であると感じた.
    インドネシアにおいて,これからの10年,20年がどのように変化するのか,
    長期的な成長と安定にむけて,どのような努力を今インドネシアが重ねているのか,
    ここに到るまで,どのような足跡があったのか.
    非常に精細で,とてもよくインドネシアのいまがわかる本だったと思う.

    スハルト時代のインドネシアに関する本(20年弱前のもの)を読んだ後だったので,
    変化するインドネシア,という印象が非常に強く残りました.

  • 経済大国インドネシア
    スカルノ大統領からスハルト体制へ。経済成長年7%×30年。その代わり自由と政治参加は制限された。
    スハルト後、
    大統領直接選挙が成功。晴れて民主主義国となる。
    国民の80%はイスラム教。
    首都ジャカルタは渋滞地獄。

    外交
    インドネシアは、ASEAN議長国。ASEANとしてポジションを取ることで、アメリカやヨーロッパ、新興国群と渡り合う。
    関税撤廃か否かを謳うTPPのような枠組みよりも、サンパウロラウンドのような折衷案というか、柔軟な立場を好む。
    2004年、国民選挙による初代大統領にユドヨノが選ばれた。
    彼は優秀な教授肌の人間で、蔓延していた汚職を減らし、アチェ問題を終局させ、国際会議の場にインドネシアの地位を築いた。
    ユドヨノの任期は2014年で切れる。
    2011年5月、ユドヨノは「インドネシア経済開発加速・拡大マスタープラン2011~2025年」を発表した。この冒頭で、インドネシアが目指すべき将来像を以下のように示している。
    「グローバルな食糧安全保障の基地であり、農業・農園・水産業の各産品と鉱業エネルギー資源の加工センターであり、そしてグローバル・ロジティクス・センターであるインドネシア」
    明快。

  • インドネシアの政治、経済、文化的な現状を概説する一書。
    文章は平易で細かくまとめられており、あまりにもインドネシアに対し
    無知であった自分にとってよい入門書となった。
    インドネシアの現状を記した上で、日本との関係を描き
    終章できれいにまとめる構成も飲み込みやすい。

  • インドネシアの政治・経済の状況が詳しく書かれている。
    筆者の言うように、今後長期にわたってインドネシアが政治的に安定し、経済運営を順調に進めることができたならば、経済大国となる日も近いかもしれないと思った。
    一方で、資源・人口・優秀な指導者が揃っていても、国民全体での教育・学術水準の向上にはまだまだ時間がかかるとの印象があるので、先進国化するのは遠い未来のようにも感じた。

  • インドネシアについてあまり知らなかったのでいろいろ知れてよかったです。ただ本の構成は淡白でちょっと退屈。

  • インドネシアに関係する日本人必携の便利な本。ユドヨノ政権になって以降の政治的安定の歴史的背景、成長率6%の意味、人口ボーナスの成長促進効果など、インドネシアの過去、現代、未来を考察するのに役立つ。また、現在、インドネシアで活躍する主要人物、政党、財閥、企業がかなりの割合で網羅されている。ガユス事件を取り上げている日本の書物はこれだけと思う。知ったかぶりに便利な図版豊富。数年後に改訂版が出版されるのを願う。また、索引をつけてくれるとありがたいが、これは贅沢か。

  • インドネシアの魅力について、マクロ的に各国との比較感を持って理解ができる良書。
    読むとインドネシアが政治も含めてまともでバラ色の国のように思えるが、実際に当地に赴いている方に話を聞くとそうでもないとのことなので、話半分に考えておいたほうが良さそうではあるが。

全56件中 1 - 25件を表示

経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)の作品紹介

リーマンショック後の二〇〇九年秋、欧米の格付け会社が、インドネシアの持続的成長能力と財政的安定を評価し、国債の格付けを引き上げた。以来、インドネシアの有望性は世界が注目するところとなる。二億四〇〇〇万近い人口と豊富な資源を背景とした潜在的な国力は、二〇〇四年、ユドヨノ政権になって以降の政治的安定によって、さらに強固な成長要因となっている。中国、インドに続く"アジアの大国"のこれからを展望する。

経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)はこんな本です

経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)のKindle版

ツイートする