経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書 2143)
- 中央公論新社 (2011年12月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121021434
感想・レビュー・書評
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今度は経済の面から見た時のインドネシア。外資、華人、地元民など資本が入り乱れている様子など、興味深い。変わりつつあるというのが、キーワード。
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少し古いが、著者の目的通り、インドネシアの今を政治経済の角度から的確に伝えている良書。インドネシアでビジネスする際には頭に入れておきたい。
更なるアップデート版を期待する。 -
インドネシア現地調査に行くためゼミの輪読本として読んだ。
インドネシアの政治・経済・文化が章ごとにまとめられている。インドネシアの全体像を把握するのに役立つ。
興味のある分野を深く調べて、深い知識の習得を続けていきたい。 -
インドネシアに関係する日本人必携の便利な本。ユドヨノ政権になって以降の政治的安定の歴史的背景、成長率6%の意味、人口ボーナスの成長促進効果など、インドネシアの過去、現代、未来を考察するのに役立つ。また、現在、インドネシアで活躍する主要人物、政党、財閥、企業がかなりの割合で網羅されている。ガユス事件を取り上げている日本の書物はこれだけと思う。知ったかぶりに便利な図版豊富。数年後に改訂版が出版されるのを願う。また、索引をつけてくれるとありがたいが、これは贅沢か。
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インドネシアに関して非常に内容の濃い良書だと思います。ぜひこちらのカンボジアミャンマー版も欲しいです。以下備忘録。
2011年5月インドネシア経済開発加速拡大マスタープラン
➡インドネシアが目指すべき将来像
グローバルな食糧安全保障の基地であり、農業、農園、水産業の各産品と鉱業エネルギー資源の加工センターでありそしてグローバルロジスティクスセンターであるインドネシア
➡国内大資本はパーム油や石炭輸出の担い手。一方重工業からは足を抜きつつある。オランダ病現象。
➡新興企業家 ハイルル タンジュン
パラグループ
➡ 2004年に民主主義を確立する。政治体制の安定。
2030年かけてインドネシアは人口ボーナスの効果が最も大きくなる時期に差し掛かる。
タイやベトナムとの違い
➡人口規模の違いから、経済規模が違う -
一度はBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)に、もう一つの「I]を加えるかとまで云われたが、スハルト政権以後の民主化のうねりでインドネシアは混沌とし(赤狩りで大虐殺があった)、結局経済発展をする機会を逸してしまったインドネシア。今ではVISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)の1つとして数えられる。
インドネシアは二億人を超える人口大国であり、東西の広さはアメリカ合衆国を超える広さを持つ。またイスラム教国として有名であるが、キリスト教やヒンズー教、仏教も抱える多民俗・多宗教国家である。それが故のコンセンサスによる政治がなされ、今では日韓台に続く民主国家であるとまで云われる
。ただ腐敗はまだまだ多いようで、これからの改革が求められる。
今までは成長のモデルは「外資導入」であったが、むしろインドネシアは国内資本の育成にも力を注いでいる。華人の商人がいたこともあるが、やはり自由化が進むインドネシアの上で、「外資・内資」という形はもうないのかもしれない。たしかに外資導入を促進した国家は、維新体制の韓国と戒厳令下の台湾であった。インドネシアモデルは、これからの経済発展の道標かもしれない。 -
手元に置いておくと、新聞が読みやすくなる1冊。
国がどういった条件でなら、成長していくかがよくわかる。 -
豊富な天然資源(石油、天然ガス、石炭他)と世界第4位の人口(労働力,消費市場)を背景に経済大国への道を歩むインドネシアについての好著。
インドネシアに関するニュースといえば暴動、紛争、テロ、地震・津波、鳥インフルエンザなどネガティブなものが多いが、「混乱と停滞」から「安定と成長」に移行し、若い労働力を背景とした「人口ボーナス」で今後15年は経済発展が続くであろうポジティブな見方をしている。
最近仕事で関係があったことから同国に興味を持ち、プライベートでも現地を訪れてみて上記イメージに対する確信を持った。
まずは保有しているETFを買い増すこととしよう。