寺田寅彦 - 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学 (中公新書)

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著者 : 小山慶太
  • 中央公論新社 (2012年1月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021472

寺田寅彦 - 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 「寺田寅彦」と書名にあったので、彼に関する評伝あるいは、物理学者としての側面、もしくは、文筆家としての側面について書かれた本かと思ったが、違った。

    著者の「寺田寅彦には、二人の師となる人がいる。それは、レイリー卿と夏目漱石だ」という主旨はわかるが、やや強引かとも。

    内容も物理学(変遷や歴史)についての記述が多く、「寺田寅彦」そのものに関する記述が少ないようにも思う。

    物理学者であり、優れた文筆家であったことは、本書を通して、改めてわかる。

  • 小山慶太『寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学』中公新書、読了。漱石門下の寅彦はその文才でつとに名高いが、学師はノーベル賞科学者レイリー卿。古典物理学と量子論の交代期を生きたレイリーは「空はなぜ青いか」を解明した最後の道楽学者でもあったという。本書は二人の師匠の関わりから寺田物理学の神髄に迫る一書。

    寅彦は随筆や俳句を発表し、芸術も嗜んだ。アートに愉しむ如く、意表をつくテーマの研究に没頭した。同世代の科学者が先端の吸収に明け暮れる一方で、寅彦は、研究をまさに「愉しんだ」。「ねえ君、不思議だと思いませんか」。人が「研究する」意義を本書は問い直す。

  • 寺田寅彦の業績を当時の物理学の状況と比較しながら概観したもの。物理学が混沌とした時代のため、その解説に多くの筆が取られている。正直なところ、もっと寅彦に触れて欲しかった。

  • 面白かった。漱石作品を読み返したくなる。
    個人的にやや著者の「昔の研究は良かった、門外漢にも寄り添う感じで…」という書き方が鼻につくようにも思えましたが、なんでも不思議に思う心っていいですよね。

  • 寺田寅彦がどういう科学者であったかは、「ねえ君、不思議だと思いませんか?」という口癖が全てを物語っているかと思う。粋という言葉も似合うかもしれない。知るほどに魅力的な人物である。
    本書では、漱石とレイリー卿という二人の人物との関係を軸に、当時の物理学界の情勢を踏まえつつ、寺田という人物を辿っている。彼の研究内容にそれほど深く言及しているわけではないが、彼の物理に対する姿勢や興味の持ち方がよくわかり、寺田という人物像を得るのに大変よい。
    そして、寺田と漱石の関係が、私には大変心を打つものである。

  • 物理学者であり、文人でもある寺田寅彦についてのアウトラインを書いている。
    彼の随筆が好きなので楽しみに読んだが、文人としての寺田寅彦ではなく、物理学者としての寺田寅彦を中心に紹介されていたので個人的には少し残念。また肝心な寺田寅彦さんの研究成果説明が非常に読みにくく殆ど飛ばしてしまったが、夏目漱石さんとの師弟関係や当時の物理学の流れについて書いている箇所。特に貴族など金銭的に余裕のある人が自宅で実験をしてノーベル賞級の発見ができるような社会状況など、まだ100年ほど前の話なので、研究には随分とお金がかかるようになったんだなぁと感じた。

  • これは、寺田寅彦についてというより、同時代の物理学がどのようになっていたかを知るための本。
    だから、半分はレイリー卿の話なので寺田の文章について知りたいと思う人には向かない。

  • 寺田寅彦の文学の師が夏目漱石であるというのはよく知られているが,物理学における師が古典物理学を極めたレイリーであるという説が著者の思い入れたっぷりに語られる.本文を読んでみても,それほど根拠がある説ではなく,古き良き時代の物理学と,雑事に煩わされずにその研究に取り組むことができた裕福な研究者へのノスタルジックな思い入れがその説を支えている.レイリーとそれを取り巻く物理学の状況の説明に紙幅をとられた分,寺田寅彦自身の記述が少なくなっているのは私には残念.20世紀初頭の物理学の発展を背景にしながら,寺田自身の物理学の研究を語る後半が面白いだけに,そこをもう少し深めてもらいたかった.

  • 理系の人にはあこがれの寺田寅彦。いや理系じゃなくて文系?名前は有名なのだけれどどういう人だったのかあまり知らなかったのでこの本はとても参考になって、現代物理学が現代になる前のものの見方考え方がわかることもふくめ面白い。道楽で仕事やって人生ついでに生きていたい。

  • ねえ君、不思議だとおもいませんか?

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寺田寅彦 - 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学 (中公新書)の作品紹介

文理に異才を発揮した寺田寅彦には、二人の"師"がいた。夏目漱石とイギリスのノーベル賞科学者レイリー卿である。「空はなぜ青いか」の謎を解いたレイリー卿は、私邸の実験室で研究に耽る「道楽科学者」であった。寅彦もまた、随筆や俳句を発表し、音楽や絵画を愉しむ一方で、「尺八の音響学」「椿の落下運動」など、意表をつくテーマの研究にあけくれた。寺田物理学の真髄に迫り、その和魂洋才の精神をさぐる。

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