寺田寅彦 - 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学 (中公新書 2147)
- 中央公論新社 (2012年1月24日発売)
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感想 : 16件
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- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121021472
感想・レビュー・書評
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「寺田寅彦」と書名にあったので、彼に関する評伝あるいは、物理学者としての側面、もしくは、文筆家としての側面について書かれた本かと思ったが、違った。
著者の「寺田寅彦には、二人の師となる人がいる。それは、レイリー卿と夏目漱石だ」という主旨はわかるが、やや強引かとも。
内容も物理学(変遷や歴史)についての記述が多く、「寺田寅彦」そのものに関する記述が少ないようにも思う。
物理学者であり、優れた文筆家であったことは、本書を通して、改めてわかる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
寺田寅彦の文学の師が夏目漱石であるというのはよく知られているが,物理学における師が古典物理学を極めたレイリーであるという説が著者の思い入れたっぷりに語られる.本文を読んでみても,それほど根拠がある説ではなく,古き良き時代の物理学と,雑事に煩わされずにその研究に取り組むことができた裕福な研究者へのノスタルジックな思い入れがその説を支えている.レイリーとそれを取り巻く物理学の状況の説明に紙幅をとられた分,寺田寅彦自身の記述が少なくなっているのは私には残念.20世紀初頭の物理学の発展を背景にしながら,寺田自身の物理学の研究を語る後半が面白いだけに,そこをもう少し深めてもらいたかった.