歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)

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著者 : 磯田道史
  • 中央公論新社 (2012年10月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021892

歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 『武士の家計簿』で一躍有名になった磯田道史さんが、あちこちで書いたエッセイをまとめた一冊。楽しく気軽に読めます。歴史が苦手な人でもさらっと読めるのではないでしょうか。
    中でも震災についての章は必読。読みやすい文章ですが、重要なことが書かれています。日本列島に住む人間がこれからの時代を過ごすにあたって読んでおかなくてはいけない本だと思います。

  • 「武士の家計簿」で有名な著者が、読売新聞に連載を持っていたころのコラムをまとめたもの。
    一つのコラムについて、ページ数にして大体3ページ。
    著者得意の古文書からの気付きなどについてつらつらと語られ、話題はバラバラだけど、歴史好きな人なら読んで面白いでしょう。

  • 他の著作と同様、歴史なのにとてもリアリティがある。
    忍者がどのくらいお給料をもらっていたとか、城攻めの時、最初に石垣を登ったのは彼らだったとか、知らなかったことがいっぱい。
    読むと他にも知りたい事がどんどん出てくる。
    とても読みやすい本です。

  • やはり僕的には忍者の実像を探る章が一番面白かったです。「忍びの国」(和田竜、新潮社)のように、想像力豊かに描かれる忍者像も面白いのですが、古文書を根気良く紐解いて真の忍者の実態に迫る本書は新しくて面白かったです。

    著者は古文書を読み解くプロですが、東日本大震災を超えて自分には何ができるのか模索した結果、震災に関する古文書から地震研究を行うことを思い立ち、より調査のしやすい地域に移り住むということをしています。

    ただ通説をなぞるだけで権威を振りかざし多くの可能性を潰す学者より、忌憚なく立場を超えて自らの説を発信していける著者のような歴史家が増えて行くことを願います。

  • 今まで読んだ歴史関連書籍の中で、断トツに面白かった。学生時の古文書の授業は退屈だったが、古文書のそのものは、おもしろワンダーランドなんだよなあ。そこに至れない人生をとても残念に思う。
    新幹線で関ヶ原を通過する時の態度から直すべし。

  • 本当に面白うございました。ぷっと噴き出す部分も。
    地震に備える為に生活を捧げる著者の姿勢に頭が下がる思いも致します。

  • <目次>
    まえがき
    第1章 忍者の実像を探る
     忍者の履歴書
     秘伝書に残された忍術
     忍者の俸禄
     赤穂浪士と忍者
     甲賀百人組の居所
     江戸の化学者たる忍者
     毒物が語る闇の歴史
    第2章 歴史と出会う
     「武士の家計簿」のその後
     ちょんまげの意味
     北陸の妖怪目撃記録
     幕末に飛び交った不気味な声
     連月焼のぬくもり
     頼山陽の真贋
     皇族旧蔵品の発見
     斎藤隆夫の命がけの色紙
     子どもと歴史の感動
     古文書が読めるまで
     司馬さんに会えたらという反実仮想
    第3章 先人に驚く
     天皇土葬化のきっかけ
     江戸の狆飼育
     殿様のお世話マニュアル
     江戸の食品安全基準
     江戸時代の倹約効果
     日本人の習性は江戸時代に
     手塚治虫と幕末西洋医
     トカラ列島宝島の薩英戦争
     龍馬暗殺時の政局メモ
     陰陽師の埋めた胎盤
     この国の経理の歴史
     福澤諭吉と学者の気概
     皇族・華族・不登校
    第4章 震災の歴史に学ぶ
     和本が落ちてきて
     小早川秀秋の墓
     心の丈夫なる馬を用ゆべし
     東北の慶長津波
     地震活動期に暮らす覚悟
     江戸時代の「津波避難タワー」
     フロイスの地震記事を追う
     津波ではじけた干拓バブル
     地震の揺れ時間
     津波と新幹線
    第5章 戦国の声を聞く
     石川五右衛門の禁書を読む
     五右衛門が獲ろうとしたもの
     国宝犬山城の見方
     小田原城主、大久保忠隣
     家康と直江兼続
     江戸城の弱点と攻略法
     毛利が西軍についた瞬間
     島津の強みは銃にあり
     井伊直政はなぜ撃たれたか
     関ヶ原見物作法①家康編
     関ヶ原見物作法②三成編
    文献索引 
    人名索引
    初出一覧

    ***

    著者は映画化された「武士の家計簿」の原作者であり、歴史学者である磯田道史氏。
    武士の家計簿は当然知っていましたが映画、本とも見た事なく、この著者との結びつきも自分の中でなかったので、今回まるっきり初対面(?)で読みましたが、ものすごく面白かった…!!!

    『わたしが知りたいのは「歴史のほんとう」である。歴史のほんとうが、隠されていればいるほど、探り出すことに興味を感じる。 (まえがき p2) 』
    『誰も読んでいない古文書をみつけ、それを解読して、事の真実に迫る。わたしは、そういうものを簡平明な文章で書きたいと思って、本書をまとめた。 (まえがき p3)』

    ということで、 よくある歴史小ネタ本に留まらず、現代語訳化、一般書籍化されていない古文書から引っ張ってきたネタが多いため、私もこの本で初めて知ったことがたくさんありました。「孫引き」ではなく、生史料からのお話は読んでいてワクワク!歴史ってこうなのね!とか、こうやって出会うのね!とか、まさに歴史の「愉しみ方」をまとめられています。
    とにかく読んでいて面白い。

    『そういうわけで、ずいぶんとたくさんの古文書を読み、さかんに現地を歩いてみたのだが、率直にいって、楽しかった。 (まえがき p3)』

    理由はこの一文に尽きると思うのですが、著者自身がほんとうに歴史が好きで好きでしょうがないんだろうなと。

    また、まえがきにも触れられている通り、東日本大震災を受けて著者は茨城から東海地震エリアの浜松に移住。

    『しかし、古文書を解読でき、なおかつ歴史時代の地震を研究する大学の日本史研究者が、東海地方には一人も常駐していない。これは困ったものだと思い、機会があったので、自らのぞんで、浜松の大学に転職し、江戸時代以前の地震や津波の古文書を探して研究する仕事をはじめた。
    第4章は、この過程で書いていったもので、これから起こる地震について、歴史から何が予見できるのか。 (まえがき p4)』
    『こうした、現状のわれわれが突きつけられている課題について古文書の情報から何がいえるのか、ひとつずつ書いていった。 (まえがき p5)』

    として、第4章は過去の歴史事象と絡めた地震・津波などの災害史的な話が多くなっています。
    本書の趣旨内容とは若干それますが、本書内には著者の若い頃などのエピソードが多く紹介されており、それを踏まえて今この心境で仕事に当たられている著者をみるとすごく感慨深いものがあったり。その転換になったであろうことは、第3章の「福澤諭吉と学者の気概」に収録されています。

    個人的に、「歴史って何の役にたつの?」という疑問については幾度も直面したことがあり、そのたびにその答えを探していました。私の専攻、また恩師の面で、結果的には磯田氏が辿りついた社会への貢献の仕方に限りなく近いものになっていますが、つまりここで悩むと言うことは、逆にいうと歴史と現代社会へのつながりを示す「モデルケース」が少ないということなんじゃないかと。それこそ、ある意味歴史が「道楽」として捉えかねない一面の事実なんじゃないかなぁと。
    勿論過去の先人が「道楽」としてこれに興じていたわけではなく、ただそれを受け継いだり掘り起こしたりする、そういう活かし方が不十分だったのは間違いないと思います。
    震災以降、災害史や環境史学の活動が益々活発になっていますが、そのあたりの動きを含めて個人的に著者の今後の活動に興味が湧きました。

    しかし、最後に関ヶ原の話をもってきたのはうまいなぁと思いました(笑)きっとこれは狙ったに違いないと思っているのだけど、笑った。笑って終わったので、余計にこの本(歴史)が「面白い」と感じてしまうのでした。


    『わたしは、歴史家だ。みみずの這ったような字で書かれた古文書の文字のなかに、きらめくような一行があって、だれもしらない真実をみてしまった瞬間がたまらない。いつやってくるか知れぬ、その瞬間のために、生きているようなものだ。 (p59)』

  • 秀作。
    歴史学者として地震の研究をする為、静岡県に移り住む熱意に感服する。
    歴史は繰り返す。特に震災は。

  • 語り口が軽妙で、タイトル通り歴史を愉しめる。最後の関ヶ原の見方が特に良い。

  • 古文書を読めるのって良いなぁと、羨ましく思った歴史エッセイ。
    歴史考察探偵というべきか、
    興味を持ったらとことん古文書を読み解いていく著者の姿。
    大変・・・だけど、愉しそう(#^.^#)
    文章も読みやすいので、読んでいる私までも興味を持ってしまう。
    忍者、殿様のお世話マニュアル・・・そして、江戸時代の大災害まで。
    TVの歴史番組で司会をしている著者の姿を思い浮かべながら、読むのも一興。
    それにしても、日本史に関する知識の深さには驚嘆します。

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歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)の作品紹介

忍者の子孫を訪ね歩き、東海道新幹線の車窓から関ケ原合戦を追体験する方法を編み出し、龍馬暗殺の黒幕を探る-。著者は全国をめぐって埋もれた古文書を次々発掘。そこから「本物の歴史像」を描き出し、その魅力を伝えてくれる。同時に、歴史は厳しいものでもある。地震史研究にも取り組む著者は、公家の日記などから、現代社会への警鐘を鳴らす。

歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)はこんな本です

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