国際秩序 - 18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ (中公新書)

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著者 : 細谷雄一
  • 中央公論新社 (2012年11月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121021908

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国際秩序 - 18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 国際情勢、緊迫化してきてるよねぇ・・・
    ドンドン平和じゃなくなってきてるよね・・・
    キナ臭くなりまくりですよね・・・
    世界は・・・
    東アジアは・・・
    そしてボクらが住まう日本は・・・
    どうなってしまうのか?

    まず、そもそも平和って・・・
    どういうことでしょうか?
    平和って、やっぱり戦争がない状態ですかね・・・
    戦争や紛争がない状態・・・
    激しい対立がない状態・・・
    みんなが安心していられる状態・・・
    あたりでしょうか・・・
    逆に平和じゃない、ってどういうことでしょうか?
    戦争や紛争やテロが起こっていて・・・
    激しい対立があって・・・
    安心なんかできなくて・・・
    って感じでしょうか・・・
    そう考えると、世界中で全く戦争や紛争が起ってないことなど、ほぼ無くて・・・
    どこかで、戦争や紛争が起きてて、テロが起こったりして・・・
    いろんな国や地域で対立してて・・・
    様々な不安がいっぱいで・・・
    過去から現在まで、世界が上記のような状態、平和だったことなんて、おそらく無いんだと思われます・・・
    しかしまぁ・・・
    そんな中で・・・
    人間様は・・・
    2度の悲惨な世界大戦を経て・・・
    戦争や紛争が極力起きないようにして、とりあえずの(国際的な)秩序を保つ・・・
    という程度のものは拵えてきたわけです・・・
    決して戦争が無かったわけではないですが(というか何だかんだ結構あったけど)、20世紀の後半からは大国間の大規模で世界的な全面戦争は起こっていません・・・
    仮初めの平和ではあるけれど、どうにかこうにか秩序という名の平和は築いてきた・・・
    その期間の長さは18世紀以降最長記録!!
    しかしそれが!今!また揺らいできている!わけですね・・・
    歴史を振り返ると、新興国が力をつけて大国化したり、大国が衰えて『力の真空』が生じたりして、それでパワー・バランスが崩れる時に新しい戦争や紛争が勃発することが多い・・・
    おお・・・
    今まさに・・・
    中国を筆頭にいろんな地域で新興国の力が増し、地域大国が増えつつあり・・・
    逆に唯一の超大国のアメリカは衰退し始めているなんて言われてしまってる・・・
    このパワー・バランスの変容にどう対処すべきなのか?
    新たな戦争や紛争の勃発を防ぐにはどうしたら良いんでしょうか?
    本書は・・・
    過去、どのようにして秩序(平和)が作られ、保たれてきたか?そしてそれがどのようにして壊れていったのか?
    今の国際政治、国際秩序というものが生まれた18世紀以降の主にヨーロッパの歴史を振り返り・・・
    この問題を考察するための一つの視点を与えてくれる・・・

    著者は本書で国際秩序の原理を3つの概念で説明している・・・
    ・均衡
    ・協調
    ・共同体
    の3つの体系ね・・・
    『均衡』は勢力均衡(バランス・オブ・パワー)を指す・・・
    これは力と力が均衡し、バランスがとれることによって、国家間関係の安定が築かれて、平和が可能となる、というもの・・・
    軍事力とかの国家の力【パワー】が基になるヤツですね・・・
    『協調』はみんなで利益を上手いこと分け合いましょう、その方がみんな得でしょ、そのためにみんなで協調しましょう、というもの・・・
    各国が共通の価値観に基づいていれば、色々あるけど何だかんだ分かり合えてる関係が築ける・・・
    そういう関係であれば、理性的に合理的に判断でき、みんなが自国のことだけでなく、全体のことを考えて協調し、安定的な平和が生まれる、というもの・・・
    『共同体』は自由な国々が連合し、みんなで理性に基づいて共同体を築くことによって、安定的な平和が生まれる、というもの・・・

    この3つの秩序の原理をもとに300年の国際関係を振り返ると・・・
    均衡と協調... 続きを読む

  • 日本国憲法のせいだろうか。多くの日本人が外交というと平和外交か恫喝外交しかカードが無いと思うほどの外交音痴ぶりだが、本書は歴史をひもときながら、外交とは何かを教えてくれる。

    均衡の体系、協調の体系、共同体の体系の織りなす国際社会の視座が得られ、今後の日本の行く末を考える土台を与えてくれる。

    ・キッシンジャー:国際的な講話というものは、たとえそれが強制されたもので無く、受諾されたものであっても、常に、いずれの当事国にとっても、何かしら不条理なものと映るのである。逆説ではあるが、当事国がみな少なからず不満をもっているということが、安定の条件なのである。安定秩序の基礎は、関係当事国の相対的な安全--従って相対的な危険を意味する--にあるのである。
    ・新聞・雑誌がこの時代(19世紀)に急速に普及したことで、他国へのステレオタイプや神話も醸成され、それにあわせて敵意が芽生えることもあった。
    ・ヨーロッパ協調が機能するための2条件。1.主要な大国の間でパワーが均等に分布。2.それらの国が自制した行動を取ること。
    ・均衡が力の体系ならば、共同体は価値の体系。
    ・パスカル:力と正義を一緒におかなければならない。
    ・キッシンジャー:現代の危機が力を行使するだけでは解決され得ないことは自明の理である。しかしながら、これをもって、現在の国際関係において、力がなんらの役割も果たさないとは考えてはならない。
    ・抑止、均衡は自動的なものではない。
    ・伝統的な国際社会は自助原理に頼っていた。つまり、集団安全保障体制やPKOは適切に機能しない。
    ・ニクソン:世界史の中で長期にわたる平和が存在したのは、バランスオブパワーが存在した時代だけである。

  •  国際政治学と政治哲学を絡めながら、近世から現代に至るまでの世界史と国家論の変遷を追っていく。
     カントに心酔……とまではいかなくても多大なシンパシーを感じている私は、「交渉手段としての背景にある武力・他国を手段としてのみ扱う外交」を肯定する筆者の立場に対して素直に頷くことは出来ない。だが、カントのように「平和の可能性」をひたすら説くだけでも、暴力の連鎖が止まらないことも事実だ。
     細谷博士のように柔軟に、これらの問題を見据えていきたいと思える一冊だと思う。

  • 18世紀から現代に至る「国際秩序」の歴史を「均衡(バランス)」の体系、「協調(コンサート)」の体系、「共同体(コミュニティ)」の体系という3つの秩序原理の組み合わせから位置付ける試み。

    ヨーロッパ世界においてはじめて「勢力均衡」が成立したのは、18世紀のスペイン王位継承戦争後のことであるが、こうした「均衡」の体系は、たとえば19世紀後半のヨーロッパ国際秩序である「ビスマルク体制」において典型的に再現される。

    またその「ビスマルク体制」は、ナポレオン戦争後に成立したウィーン体制、すなわちヨーロッパにおける共通の価値(これは啓蒙の世紀である18世紀にスミスやヒュームらによって唱えられた「商業的社交性」の精神等によって支えられている)を前提に実現された「均衡による協調」の時代が徐々に崩壊(協調が失われ、剥き出しのナショナリズムが跋扈)していく過程で登場した。

    第一次世界大戦は、天才・ビスマルクによるアートとしての政治が失われ、均衡が崩れたことによって出現した。大戦後には「共同体の体系」が、しかし「均衡」「協調」という重要な要素を欠きながら登場する。とくに1931年の満州事変はヨーロッパ的な国際秩序原理とは異質な大国の行動が国際秩序を崩壊させたトリガーとしての画期性をもつと分析される。

    1931年の満州事変から10年後の1941年、英米による協調の精神を盛り込んだ「大西洋憲章」は第2次大戦後の冷戦期の「均衡の体系」の基礎となった。その後、ブッシュ(父)による「新世界秩序」構想、クリントンの「民主主義の共同体」構想を経ていく。

    現在は第2次大戦後の「大西洋」中心の時代から太平洋を中心とした時代への転換点であり、日米中の均衡と協調が、今後の「国際秩序」の鍵を握る。

    やや難解な部分もなくはないが、国際関係を2国間関係という点と点の関係の集合から理解するのではなく、面として一貫してとらえようとする著者の試みはひとまずは成功しているのではなかろうか。剥き出しの「均衡」と共通の価値観を背後にもつ「協調」が相即不離の関係で成立することが、今後の国際秩序を構想する上で非常に重要だということが、歴史的な視点から説得的に論じられている。

  • [世の軸足の探求]18世紀から21世紀にわたる国際社会とそのパワーシフトを概観しつつ、その時代の国家間関係を規律していた国際秩序にスポットライトを当てていく作品。「均衡」、「協調」そして「共同体」という体系を基に、時代的にも空間的にもマクロ的な視点から解説を加えていきます。著者は、ヨーロッパを中心とした国際政治を専門とする細谷雄一。


    力や理性に対する考え方が大きく異なる3つの体系を用いながら、とことん丁寧に国際政治の沿革をなぞるバランスのとれた一冊でした。二国間関係が主になりがちな国家間の関係を、その射程を広げて地域、さらには世界規模から俯瞰していく様子はお見事。リアリストの著作の系譜にまた1つ傑作が生まれたと言っていいのではないでしょうか。

    極めて客観的な視点で貫かれた記述ではありますが、下記のとおり、特に終章において述べられる細谷氏の主張は極めて明確。ある意味では「地味で面白みのない」提言のように思われるかもしれませんが、国際政治の背骨部分をしっかりと規律するものの味方を学ぶために非常に有意義な教訓が得られたと思っています。目まぐるしく外交が動く世の中にあって、改めて沈勇な姿勢が大切であることを痛感。

    〜平和を永続させるための「協調の体系」や「共同体の体系」を確立するためには、「均衡の体系」を否定するのではなくむしろそれを基礎に置くことが重要となる。〜

    それにしてもやっぱりメッテルニヒってスゴいな☆5つ

  • 2014.3.31
    世界史の授業で国際関係を話すのに役立つ。2世紀程度の長期的視野から概観するので、流れがはっきりする。
    最終章3節からは今後のアジア、太平洋を考えるための材料が提示されている。
    文章も読みやすい。

  • 18世紀以降激動する欧州にあって、大国に踊り出、現在に至る英国のしたたかで骨太な戦略的思想と歴史が詳述されます。中国が喧伝する「戦後国際秩序」というテーゼが気になり本書を手にしました。こんな70年前の価値観で包囲網を成功させてはいけません。歴史に学び、新しい太平洋秩序を築く価値観を示すこと。そして、多くの国々の共感・賛同を得ることこそ、我が国の立ち位置を獲得するバックボーンになるのでしょう。

  • 中国が台頭する中で不安定化する国際秩序をどのように安定化するか、2国間関係でなく広い空間軸と時間軸で国際秩序を面で捉えようと訴える。スペイン王位継承戦争、ウィーン体制、ビスマルク体制、1・2次の世界大戦、冷戦、そして現代に至るまで、国際秩序がどのように変遷していったかを解説する。
    秩序原理にはホッブズの思想が土台にある均衡、アダムスミスやヒュームの協調、カントの共同体の三つの体系がある。
    ヨーロッパ人としての紐帯と勢力均衡で「均衡による協調」を実現し、長い平和をもたらしたウィーン体制。「協調なき均衡」でビスマルク個人の資質に大きく依存した秩序をつくり、ビスマルク退任後に世界大戦が引き起こされたビスマルク体制。非ヨーロッパの台頭で国際秩序がグローバルなものになった20世紀。第一次大戦の後、「均衡なき共同体」を構築しようとして失敗し引き起こされた第二次大戦。均衡と協調の体系が結びついていた冷戦。「共同体の秩序」を実現したEU。
    こうやって国際秩序を歴史的に説明してくれたことで、例えば子ブッシュ政権の戦争だとか自分にとってリアルタイムだった事件がどうゆう文脈で行われたのかとかがよくわかった。
    国際秩序の構築には共通な価値観が必要であるが、今の東アジアにはそれが欠けている。国際政治の中心が太平洋に移っており、オバマ政権になってから太平洋にリバランスする米との同盟を安定強化し、台頭する中との均衡を回復し、均衡の土台の上に協調を築くことが太平洋に安定した国際秩序をもたらすために必要だ。

  • 地元の図書館で読む。購入すべき本です。

  • 読後の感想としては、とにかくこれだけの濃い内容を、新書1冊にまとめた努力には敬意を払いたいと思った

    まず、序章で、3つの原理として「均衡の体系」「協調の体系」「共同体の体系」を説明し、2章以降で18世紀以降の主としてヨーロッパの5大国を例に挙げながら3つの原理のどれに比重を置いて国際政治を造ったか、その歴史を検証している。

    人間は平和を望みつつ、その都度戦いを起こしてしまうが、第二次世界大戦後の不安定な中でも、局地戦はあっても大きな戦いがないことがある意味不思議に思えた。

    個人的には、ビスマルクの「政治は、科学(サイエンス)というより技術(アート)である」という言葉が心に残った。日本の使節団にビスマルクは会ったそうだが、いろいろな意味で日本も国際政治に組み込まれていく様子がわかりよかった。

  • 近代ヨーロッパが生んだ国際秩序の基本原理である「均衡」(ホッブス的な力と恐怖が支配する世界を前提とした、デヴィッド・ヒュームが言うところの「嫉妬深い競争心」に支えられた勢力均衡)、「協調」(相互に利益をもたらすような諸国の経済的つながり、アダム・スミスが言うところの「商業的社交性」に支えられた諸国間の調和と協調)、「共同体」(カントが想定した「共通の理性」「世界市民主義」「平和連合」による戦争のない国際秩序)の三つの体系を切り口に21世紀の国際秩序の方向性について論じた本です。これも飛行機の中で時間潰しのために読もうとして買ったものの積み残しですが、読んでかなり頭がスッキリしました。コストパフォーマンスかなり良かったです。
    オバマ大統領の就任と中国の台頭によって、21世紀は「太平洋の世紀」になったが、東アジアでは中国の台頭が著しいにも関わらず、共通の価値や利益の共有がなされていないため(従ってこのままでは中国が周辺国に対して譲歩する可能性は極めて低い)、先ずは勢力均衡の回復が急務であり、それを基礎とした上で「大国間協調」や「東アジア共同体」の構築を目指すべきであると言っています。そして、東アジアに「力の真空」が生まれることで国際秩序を不安定化させないためには、アメリカの東アジア関与の継続、日米同盟の強化、日本の国力の強化が必要だとしています。その上で、東アジアにおける価値や利益を共有することで安定的な「均衡の体系」を構築し、その基礎の上に日中協力関係を発展させ、それによってこの地域の平和を確立させる必要があるというのが、この本の結論です。

  • 国際関係について、「均衡」、「協調」、「共同体」の3つの概念を用いて歴史から関係性を論じた書。
    世界の外交の歴史を題材として節目ごとに如何なる形態の国際秩序が形成されてきたかが記されており、今まで一つ一つの出来事としてしか捉えられていなかった事象を新しく再確認できる助けとなった。

  • 均衡、協調、共同体という3つの国際秩序形成の原理の観点から、過去300年の国家間の秩序形成を整理し、論じている。新書にしておくにはもったいないぐらいのボリュームである。近視眼的に自分が所属する国、地域社会からしか世界を見ることをあまりしていないなぁ。他国の立場から同じ国際情勢を眺めることの必要性を改めて認識させられる1冊。

  • カントとかアダムスミスというと、抽象的な哲学が頭に浮かびますが、メッテルニヒといった実務者の認識にも様々な回路で、影響を与えていたことがわかります。非常に整理されていて読みやすいのでお勧めです。

  • ヨーロッパ史についての深い思索に基く21世紀のアジア分析は、著者ならではの切り口。とても示唆に富む内容だった。

  • 均衡、協調、共同体という三つの体系から国際秩序の変遷を説明した良書で、入り口としての本としてまとまっていて読みやすいです。
    高坂さんの『国際政治』と併せて読むとより理解が深まると思います。

  • 国際秩序のベースとなるのは勢力均衡。協調するには価値観の共有が重要。国際政治を考えるうえでかなりしっくりきた一冊。

  • 均衡・協調・共同体の3つの秩序体系をキーに18世紀~現代までの国際政治の変遷を辿った内容。日本外交への提言もあり最後まで読ませる有益な本だった。読後、学生の頃世界史の授業で見聞きした「勢力均衡」という言葉が古臭いものでなくリアルに感じられるようになった。

    興味深いのが100年近く平和をもたらしたウィーン体制について。
    ナポレオン戦争後の仏の敗戦処理をイギリス、オーストリア、プロイセン、ロシアの四大国が中心に進められた。(ウィーン会議1814年)。フランスを罰するよりも、大国間による勢力図に組み込み、均衡によって封じ込め、協調による平和を構築しようとした。
    こうしたウィーン会議の背後には力による均衡とヨーロッパの文化的な紐帯があったという。力の釣合いに基づいた道徳的、文化的な紐帯が「均衡による協調」という体系を生み出し、平和を作り出したという指摘はおもしろい。ウィーン体制は、バランス・オブ・パワーとヨーロッパの一体性を前提にした秩序であると。

    じゃ、均衡が崩れ、なおかつ共通の価値観、宗教、生活様式、経済的利害や貿易といった共通性もない、非ヨーロッパ諸国が加わるとどうなるか?均衡も協調も失われた世界は安定を失い、二度の世界大戦に突進していく。均衡だけでは平和は維持できない。が、均衡なき協調はさらに脆い。共通の価値観や文化的な一体性がないければ尚更だ。協調もない世界に共同体など望むべくもない。力の釣り合いという均衡の体系は「協調」や「共同体」を確立する上で欠かせない要素だ。本書を通じてそれが実感できる。

  • 一般的には20世紀初頭に勢力均衡から集団安全保障に移ったといわれる「国際秩序」について、その17世紀から今日までを、「均衡」「協調」「共同体」をキーワードに読みといていく。現在の国際秩序は均衡も協調も共同体の理念も乏しい、不安定なものなのかもしれない。必要なのは何か、読者に考えを迫る。

  • 国際秩序の変遷を「均衡」「協調」「共同体」という3つの系譜から読み解いた一冊。勢力均衡の上に立たない協調がいかに脆いものか、近代ヨーロッパの歴史をたどりながら論じている。

  •  勢力均衡,協調の精神,共同体の拡大。国際関係に対応するこれら三つの論理がどう変遷してきたかを歴史に沿って概観していく。
     勢力均衡が確立したスペイン継承戦争に始まる均衡の黄金期18世紀。ナポレオン戦争を経て協調と均衡がバランスよく続いた19世紀ウィーン体制。それがビスマルクの登場で均衡の論理に振れ,各国で大きくなる民衆の声に流されて破綻を招いた20世紀前半。その間にはウィルソンに代表される空想的共同体主義が招いた混乱もあった。そしてイデオロギーが分裂しつつも大国間の戦争は避けられた20世紀後半の冷戦時代。
     秩序を乱す力の真空にどう対応していくか。歴史に学んで時代に合った方策をとっていくしかないか。勢力均衡の否定とか,あまりに先走った議論はいけない。

  • 面白かった 世界史はほぼ近代史しかしらないがその近代史でもこれだけのことが起きていたのだなあ
    一つの軸を持って歴史を読み解くというのは大いに学ぶところがある
    これからの国際秩序における日本の立ち位置とは 軍事的にはどうやっても厳しいのだし、ならばせめて経済的に没落するわけにはいかんよなあ 国際秩序の一等構成国たりえない国、国際秩序構成国の衛星国の悲劇は多数ある 満ち足りた成熟国とか言ってる場合ではない

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国際秩序 - 18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ (中公新書)の作品紹介

「均衡」「協調」「共同体」-近代ヨーロッパが生んだ国際秩序の基本原理である。本書はこの三つの体系を手がかりに、スペイン王位継承戦争から、ウィーン体制、ビスマルク体制、二度の世界大戦、東西冷戦、そして現代に至る三〇〇年の国際政治の変遷を読み解く。平和で安定した時代はいかに築かれ、悲惨な戦争はなぜ起こってしまったのか。複雑な世界情勢の核心をつかみ、日本外交の進むべき道を考えるための必読書。

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