お伊勢参り - 江戸庶民の旅と信心 (中公新書)

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著者 : 鎌田道隆
  • 中央公論新社 (2013年2月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121022066

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お伊勢参り - 江戸庶民の旅と信心 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 伊勢神宮は人気の高いパワースポット。
    その気になれば誰も訪れることができます。

    それが江戸時代ともなると、庶民の移動手段は徒歩。
    お伊勢参りには、家や職場を空けられる環境、歩ける体力、費用の工面が必要です。
    なのに社会現象といえるほど、我もわれもと伊勢に向かいました。

    旅人たちも、旅人を受け入れる人たちも、その行動は、そのきっかけ、その人数、振る舞いは、想像を超えていました。知恵と心意気に脱帽です。

    江戸時代、PCやスマホどころか電話すらなしで、どうやって大人数の旅の宿や食事を賄ったのでしょう?

    そこには、そんな旅を支える仕組みが、その時代なりにしっかりとあることを知りました。

    さらに著者と学生たちが実際に大人数で、江戸時代のお伊勢参りを再現した体験が書かれています。
    継続的に再現されるうちに、昔旅を支えていた仕組みまでが、自然発生的に再生されています。

    旅人と受け入れる人々との心動かされる交流です。

  • 伊勢つながりで読んでみました。伊勢参りの歴史と風俗を様々な史料によって紹介し、奈良大学から25年に亘って
    実践したお伊勢参りの様子を活写するもの。面白い。

  • 通常の配架場所: 1階文庫本コーナー
    請求記号:175.8//Ka31

  • 現代私達が思い描く「旅」のイメージはどうやら江戸時代ごろに固まってきたものらしく、それ以前の旅は放浪ってイメージに近いらしい。
    江戸時代に盛んになったお伊勢参りを中心に当時の旅や信心について考察する内容です。

    当時の人のお伊勢参り感や約60年に一度起きた数百万人単位のおかげまいりなどは日本の歴史や文化を考えるにも面白いと思える。
    そして、最後の章では現代に二十五年にも渡って実際に歩いてお伊勢参りを行ってきた経験等を書き綴っているのも面白い。

    現代にも残る「おもてなしの文化」を語る一節は特筆に価する。
    こちらがお願いする以上のおもてなし、そして提供をする側が考えるおもてなしが出来ないときは、たとえ要望する側が望むことは可能であっても断る。契約通り、言われたことだけするといった現代普遍的になりつつある考え方ではない文化が日本の近代化の中でどのような影響を与えたのかと考えさせられる。

  • 【目次】
    1. 庶民の家出先として?
    2. 江戸時代の庶民のお伊勢参り
    3. 数百万人のおかげまいり
    4. 江戸時代の旅のなぞ
    5. 歩く旅・現代ーお伊勢参りを体験する

    【概要】
    お伊勢参りが好きすぎる著者による、お伊勢参り四方山話。
    前半は、江戸時代の旅日記や随筆、果ては裁判記録に残る、お伊勢参りに関するエピソード。
    後半は、著者の研究室を中心として、25年間毎年行われた、お伊勢参り体験とそこから学んだこと。

    【感想】
    旅の持つ意味の変遷や、お伊勢参りの歴史的位置づけを研究したものではなく、史料に書かれたエピソードや、著者自身のお伊勢参り体験の中での心温まる話を、ゴシップ的に楽しむ本。

    お伊勢参りと歩き旅とを愛するあなたへ。

  • 鎌田道隆『お伊勢参り 江戸庶民の旅と心』中公新書、読了。江戸時代の庶民にとって最も代表的な「旅」がお伊勢参り。…と聞けば幕末の「ええじゃないか」を想起しがちだが、本書は特異点だけに注目するのではなく、江戸時代の庶民がどのように「旅」を経験したのか、史料から明らかにする。

    確かに「信心」が理由であれば、抜け参りは許され、開放的外部との接触が人を蘇生させる。しかし、費用はいくらぐらい? 何を食べた?等々……その衣食住の受け入れや旅の実際については、本書で初めて知ることが多い。

    圧巻は「歩く旅・現在 お伊勢参りを体験する」。学生とわらじを案で、奈良大学から5日かけて励まし合い、接待を受けお伊勢様へ歩いていく。見えてくるのは現代には「道中」がないこと。地域開発や生きた教育のヒントが見え隠れする。

  • 面白かったです。

  • 実験歴史学を提唱された鎌田先生の著者だけあって、近世における旅(道中)の具体的な様相が伺えます。

    お伊勢参りについては、宝永のおかげ参り・明和のおかげ参り・文政のおかげ参りという60年間隔の3つのおかげ参りを画期に考察されており、明和の頃から「信仰」の旅から物見遊山の旅へと変化していったとされています。

    また、奈良大学で行われていた「宝来講」での経験や出来事は、我々現代人が忘れてしまった多くのもの(旅人へ施行する心遣いetc)が詰まっているように感じました。

  • 前半は江戸時代のおかげまいり紹介。
    数百万人て想像がつかない。

    後半は実際に奈良から歩いてみたよレポート。

    江戸も現代も、街道のあたたかい人情に触れることができます。

    こういう本は初めて読んだので、事例紹介も楽しく読めました。抜け参りに対する庶民の考え方(伊勢神宮へのお参りなら仕方ない、みたいな)とか、興味深かったです。

  • 今日ほど豊富なレジャーもなくて、情報も圧倒的に少なく、一生のうちの移動範囲が限られた江戸の世、
    庶民が楽しむレジャーとして、お伊勢参りが大流行したのは、御師を通じて勧誘や、街道筋の人々のおもてなし等、今でいうマーケティングの妙だったのかもしれない。
    海外の人から見たら「巡礼の旅」だけど、メッカを目指して砂漠を歩く旅とはだいぶ性格が違うような

    そして25年間続けたという学生の4泊5日のお伊勢参り。
    コンクリート道を歩き続ける旅はかえって現代の方が不便な点も多かっただろうけど、「ほっこり」する人との出会いにあふれている。
    この人情話だけ読んでも、江戸時代に庶民が旅路を楽しんだであろうことは想像に難くない。
    そんな出会いですら、この25年で起きにくくなっているのかもしれないけど。
    確かに旅の楽しみは大部分、出発地と目的地の間の「道中」にあったのだろうなあ。現代人なら誰でも道中も存分に楽しめる旅にいけるだけの長期の休みがほしくなる。

    おかげ参り発生の構造がわからない。当時の世、ご神託でもなければ一時期に何百万人も伊勢へ向かって動き出すなんて。不思議。同時代に世界でこれほどの人口移動てあったのかな。

  • いやぁ。。。想定外に面白かったです。伊勢本街道を歩いてみたかったんです。暗峠を越えて榛原までは歩いたんですよ。何日かに分けて。もう一度チャレンジしようかなぁ。

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お伊勢参り - 江戸庶民の旅と信心 (中公新書)の作品紹介

千三百年以上の歴史をもつ「お伊勢さん」には、今なお全国から参詣客がやってくる。一般庶民の参詣が根付いた江戸時代、路銀いらずのおもてなし文化から、およそ六十年周期で発生した数百万規模の「おかげまいり」まで、日本中の庶民がいかにお伊勢参りに熱狂したかを、様々な史料が浮かび上がらせる。著者自身が、二十五年間にわたって実践したお伊勢参りの記録も収載した。街道の文化を再現する一冊。

お伊勢参り - 江戸庶民の旅と信心 (中公新書)はこんな本です

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