バチカン近現代史 (中公新書 2221)

著者 :
  • 中央公論新社
3.67
  • (8)
  • (20)
  • (14)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 238
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121022219

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 落ち着いた筆致でとても読みやすい。もっと踏み込めばもっと本気を出せばもっといいバチカン史が書けるのでは、というのが読後感。

  • 20141003~1015 近現代史をバチカン視点で俯瞰できる。イタリア統一の事情も初めて詳しく知った。バチカンの活躍により、現在の西欧諸国のキリスト教系政党が成立したことも興味深い。現在のバチカンは、ヨハネ・パウロ2世の時代よりもいっそう困難な問題を内外に抱えていると思う。

  • バチカンの外交関係が中心。

  • クラコフでのヨハネ・パウロ2世の追悼式が懐かしい。

  • ありそうであまり見ない、国際政治の文脈から見たバチカン史です。
    ごりごりの反動、時代遅れだったバチカンが、時代の波に洗われて平和と人権を武器に国際社会で存在感を示すようになる過程がよく分かります。うーん、やっぱピウス12世は好きになれんな(笑)。

    一点だけ文句。「マリア崇拝」は勘弁してください。あくまで「マリア崇敬」ですから。

  • 2013年97冊目

  • 何でも世界一に興味ある子どもなら、バチカン市国が世界最小の国家であることは知っているだろう。でも、大して信心深くもない私にとって、世界各国の群衆がサンピエトロ広場に集結するニュース映像には違和感があり、なぜバチカンが世界に多大な影響を及ぼしているのか、理解できなかった。本書では、バチカン(ローマ教皇庁)がたどってきた歴史や国際政治における活動・影響力について、フランス革命のころから説き起こしている。特に、共産圏に対するバチカン外交について詳述しており、興味深い。ただ、世界史をあまり勉強してこなかったので、前史としてローマ教皇の権威がどのように盛衰していったのか、なぜイタリアの地に諸国家が分立していたのか、もう少し詳しい説明があればもっとよかった。

  • バチカンという視点から書かれた近現代史で、とても新鮮だった。1848年の革命以降から第二次大戦の間はもう少し詳細に知りたい。労作。

  • 松本佐保『バチカン近現代史』中公新書、読了。仏革命以降のバチカンの歩みを概観する一冊。ナポレオン以降、聖俗分離が基本となる近代社会に、教皇たちはどのように挑戦したのか。本書が描くのは「ローマ教皇たちの『近代』との格闘」(副題)。 http://www.chuko.co.jp/shinsho/2013/06/102221.html

    現代でこそバチカンは最小国家ながら革命以前は伊半島の1/3近くが教皇領。バチカンに対してその中世的強権的態度や現代の独自外交を訝しがるフシがある。しかし本書は、ネタ的揶揄を退け、喪失と現代化の歩みを公平な眼差しでコンパクトにまとめた一冊。

    教皇たちの近代との格闘とは、すなわち教義面と政治面での挑戦とそれに対する応答の歴史。時には苦しい妥協を強いられながらも生き残ってきた足跡は非常に興味深い。第1,第2バチカン公会議の叙述も丁寧で、バチカンから世界を俯瞰・再認識できる。

全21件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

名古屋市立大学教授

「2021年 『アメリカを動かす宗教ナショナリズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松本佐保の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×