言霊とは何か - 古代日本人の信仰を読み解く (中公新書 2230)
- 中央公論新社 (2013年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121022301
感想・レビュー・書評
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古代日本人における言霊への考え方について。
最近、(創作界隈で)言霊とかよく聞くので、とりあえず勉強しとくかーと思って読みましたら、やっぱりそんな便利なものではないというか、古代においては、一般的に考えているような、言葉自体になんらかの霊力が宿って実現する、というような用例ではなく、神が発する、もしくは人が発した言葉に対して神の霊力が働きかけて実現する、ということのようである。(前者は江戸の国粋学者が誤用したもののよう)
古事記、日本書紀、万葉集から用例とって説明してるのでわかりやすい。(用例の少なさは気になるところではある)
国望(くにみ)・国誉(くにぼめ)、見るなのタブー、夢相わせ、名付けについてなどの例を引用。
あくまで古代にのみ焦点絞っているので結論がわかりやすくて読みやすい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
言霊、言葉に宿っている不思議な霊威。古代、その力が働いてい言葉通りの事象がもたらされると信じられた。
言葉には霊力が宿っており、その霊力が禍にも福働く、祝詞、寿詞、呪文、唱え事を、ことわざ、和歌、あいさつ語、忌み言葉など
古い祝詞は、神々を褒め称え神に供え物を捧げることによって、人間の言葉の威力ではなく神神の霊力が発揮されることを期待する詞章である。
言霊思想の変遷、古代日本人、現実の世界に変化をもたらすことができるのは神の霊力だけ、言霊は神に属するもの。近世の国粋主義者たち、言葉に宿っている不思議な霊威、 -
勉強になりました。