本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121022325
感想・レビュー・書評
-
木下長宏『ミケランジェロ』中公新書、読了。岡倉天心、中井正一からゴッホまで--本書は、作品と徹底的に向かい合うことでその内実をえぐり出してきた美術美学史家の手によるミケランジェロ伝。89年の生涯を…まず、そんなに長生きだと知らなかったが…ありありと映し出す。
「『混沌』を生きる芸術家がここにいる」(帯)。ミケランジェロはレオナルドと同じく万学と天才かつ、常に「最高」を目指したこと。しかしレオナルドが「コスモスケープ」の人であるのに対して、ミケランジェロは「カオスケープ」の人だと著者はいう。
人間の生の実像は自然や歴史の破局に突如としておそわれ「受難を生きる」ところにある。「ミケランジェロは、決して一つのところにとどまっていない。つねにいままでの仕事を反省し、考え、未知の表現の可能性を求めて絵を描き彫像を彫っている」。格好の評伝。詳細をみるコメント0件をすべて表示