日本銀行と政治-金融政策決定の軌跡 (中公新書)

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著者 : 上川龍之進
  • 中央公論新社 (2014年10月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121022875

日本銀行と政治-金融政策決定の軌跡 (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 独立性を獲得したためにポピュリズムの標的になった日本銀行の悲劇
    血液製剤によるC型肝炎や原発事故により、エリートや専門家は大衆から信用されなくなっている。

  • 政治学者の書いた日本銀行の歴史(経営情報学科 藤波先生)

  • よくもまあ、あんな詳細にトレースできたものだと感心。
    終章でキングドンの「政策の窓モデル」で分析しているところが気に入り購入。
    農業政策の分析に一役買えるか、それはボブ次第…(; ̄ェ ̄)

  • 本書は、1998年の日本銀行法改正以降の金融政策決定を追うことで、日本銀行と政府・与党間の影響力関係を解明することで、日本銀行の政策決定における独立性が低下してしまった原因を述べている。そのうえで中央銀行と政治は、いかなる関係にあるべきか、中央銀行の金融政策は、どうあるべきかを考察している(p.ⅳ)。

    近年の金融政策の動向のみならず、その判断に必要な日銀の役割についても書かれており、かなり丁寧な構成になっている。著者の主張は大変シンプルである。しかし本書の議論から十分、納得できるものだと考える。

    経済学の知識がほとんど無い人も本書の序章を読むことで、著者の主張をある程度理解することができるだろう。ただ前提知識がない人が一人で読むにはかなり骨が折れると思う。経済学(特に金融論)を学ぶ学生の教科書・副読本としておすすめしたい。

  • 1998年の日本銀行法改正以降の金融政策決定の軌跡を追うことで、日本銀行と政府・与党間の影響力関係を解明している。そして、現在のアベノミクスに従属する日本銀行について、「日本銀行はなぜ追い詰められたのか」という問いに答えることを目的としている。
    日本銀行の独立性を高める日本銀行法の改正が行われてから、アベノミクス全盛の現在までの日本銀行の金融政策決定過程やその時々の政治との関わりがよくまとめられており、それらの経過を概観するのにちょうどよい。速水総裁、福井総裁、白川総裁、黒田総裁、それぞれの金融政策決定や政治との付き合い方のスタンスの違いも興味深かった。
    しかし、キングダンの政策の窓モデルを適用したりはしているが、政治学的な分析は浅い気がして、物足りなかった。

  • 1998年の日本銀行法改正から現在まで、政治が金融政策に与えてきた影響、というか永田町と本石町の絡み合いの歴史を述べた本。

    エコノミストによる解説ではなく、政治過程論を専攻した学者が書いた本ということで、まずは経済政策につきまとうややこしいメカニズムを知らなくても読むことができるところが魅力(?)かと思いました。ただここは評価が分かれるところかもしれません。政策の分析とか評価はなされておらず、ニュートラルに事実を述べていくというスタイルです(ただ、どことなく白川前総裁に同情的な感じはしました)。

    新聞には金融政策の話題が次々に登場しますが、当然その時々の政策に焦点が当たっているわけであり、それだけを読んでいると大きな「流れ」みたいなものが見えにくくなるように思います。本書のように時系列で流れを追ってくれると、なぜその政策が採用されるに至ったのかという大事なところが見えてきます。

    ただそれなりのボリュームがあり、淡々とした記述が続くため、途中で飽きてくるのが難点。学術書ではなく、かといってノンフィクションでもなく、なんというか中公新書っぽい本だという感想です。

    (20160228)

  • <内容>
    筆者は「政策の窓モデル」を用いて日本銀行が中立性を失われながら、執行部をリフレ派に乗っ取られる事態になったのかを説明している。

    政策の窓モデルによれば、
    ①問題の流れ、②政策の流れ、③政治の流れ
    の3つが合流したとき「政策の窓」が開かれ政策は実現するという。

    ここで重要な役割を果たすのが「政策起業家」ある。
    現在のリフレ派は景気回復は、株価を上げるために海外投資家の思惑に沿った政策をすべきだとする。
    すなわち海外投資家の政策選好(グローバル金融資本)に沿うというのである。

    こうした日銀犯人論の背景には、日銀がリフレ広報戦で敗北したのに加え民主党の変節が挙げられる
    「民主党政権がアベノミクスの道を舗装したのであった」p.255との指摘は鋭い。

    私も筆者と同様の意見。
    リフレ派については非常に懐疑的だ。

  • 「政権維持・次の選挙での勝利=現時点での好景気」か「中長期的な経済の安定」か。

  • 日本銀行の政治からの自律性について。面白いテーマだと思うが、もう少し話の軸を定めて話をして欲しかった。

  • 日本銀行と政治との関係。不透明な関係を多様な文献から導き足している。日銀の今までの軌跡をたどる一冊。

  • ニュースを聞いても、新聞を読んでもイマイチ分からない日本銀行の仕事。最近では時々の政権の言いなりになっているように見える。なんでそうなったのか。本書は日銀と政府の関係をバブル以降から歴史的に説明してくれる。

    ものすごく複雑な過程で、金融テクニカルな話も多く、僕には分からないことも多く、簡単ではない。簡単ではないが、おおよそ、世論に阿る政府・国会の圧力に、日銀が負けて、なし崩し的に金融緩和を進めていった、というところかと思う。それにしても、効果の不明瞭な金融緩和を、十数年にわたって日銀が行っているというのは決して健全ではない。

    その世論を作っているのがマスメディアと、その煽りに乗っかる軽い国民。いやというほど例が示されている。最後どうなるかわからないけど、結局責任は国民にあるんだと思う。

  • 勉強になりました。

  • 分析というよりは、日銀の政策や政策決定の歴史を追っている本。

  • 今年一番の新書。

  • 711で購入する。 今年のベストワンです。 日本銀行は、自らの政策が、無意味と理解しながら、実行していたのです。 予想通りでした。 では、何故、無意味な政策を実行したのでしょう。 政治家、世論の信頼がなければ、何も出来ません。 信頼を得るためには、国民、政治家が望む政策を実行することです。 それが、無意味であるかどうかを問う必要はありません。

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日本銀行と政治-金融政策決定の軌跡 (中公新書)の作品紹介

バブル経済崩壊、デフレ、リーマン・ショック、世界金融危機-。日本経済は1990年代以降、長期低迷に陥った。政府の景気対策は有効に働かず、政治家、エコノミストらの批判は、インフレを懸念し、腰が重い日本銀行に集中する。本書は、速水優、福井俊彦、白川方明、黒田東彦ら4人の日銀総裁を通し、自民・民主両政権から、景気回復や民意を大義名分に、独立性を奪われ、政治に左右されていく日本銀行の軌跡を描く。

日本銀行と政治-金融政策決定の軌跡 (中公新書)のKindle版

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