老いの味わい (中公新書 2289)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 78
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121022899

作品紹介・あらすじ

七十代後半の坂を登り切り、八十歳を超えた作家が見つめる老いの日々。身の回りには、薄い横線で消された名前の目立つ住所録。バッグは肩からすべり落ち、タタミから立ち上がるのに一苦労。そして頭に浮かぶ疑問は、なぜ歳を取ると何事も億劫になるのか、病気の話にかくも熱が入るのか、「ピンピンコロリ」は本当に理想なのか-。一年一年、新しい世界と向き合って歩む日常と思考を丹念に描いた、心に響くエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  •  私は、来年は60代では一番年寄りになりますが、70になれば70代では一番わかくなります。そんな風に考えると面白いかもしれません(^-^) サミュエル・ウルマンの「青春とは」の詩はとてもいい詩だと思いますが、老いを感じると実際はなかなか難しいものがありますw。著者は「階段の一歩一歩が、体力や健康を確かめるバロメーターになる」と仰ってますが、階段の上り下り、健康維持のためであり、また転倒という危険物でもあるので、気をつけたいですね!黒井千次 著「老いの味わい」、2014.10発行です。
     ①会話の途中で「その時、こちらはもう生きてはいないだろうけどね」という言葉が不自然でなくなりましたw。②近況報告の内容は、70代後半は体調報告と病状報告とか。そして、80より先は1年1年だそうです。③二階への階段の一歩一歩は、体力や健康を確かめるバロメーターになっている。階段・エスカレーター・エレベーターの前で、私は迷いなく階段を選択していますw。④「おじいさん」の自覚はないですw。死ぬまで、ないような気がします(^-^) 黒井千次「老いの味わい」、2014.10発行、再読。
     黒井千次「老いの味わい」、2014.10発行、再読。①階段、エスカレーター、エレベーター。階段は体力や健康を確かめるバロメーター。私は階段、坂道は薬と思ってw ②電車は読書の空間。本と老眼鏡は、スイカ、万歩計同様の必需品 ③古い住所録は生の軌跡。整理や書き直しは必要な手入れだけど、同時にそれは過去の否定、末梢になってしまう。古い住所録はそのままに ④歳月重ね捨てられない物が多々。古いモノは時間の肖像。

  • 初出は読売新聞夕刊の月一回の連載「時のかくれん坊」.第一弾は「老いのかたち」こちらは未読.本書は第二弾.

    私自身も私の両親もどんどん年を取っていく.あたり前だが,そのあたり前のことがもたらす変化というのが,悲しい思いをともなう物が多いので,これから先,老いるというのはどういうことかを予習しようと,この本を読む.

    黒井千次はこの本の中では78歳から82歳.日々の生活から,「老い」をすくい上げ,その老いといかに付き合うかを淡々と綴っている.老いの描写は,なかなかリアル.物忘れのレベルを段階ごとに分析していくところなどは言葉が適切で,私ももう少しするとこうなっていくんだなぁ,ということが感じられる.

    あーやっぱり歳はとりたくないなぁ.

  • 2015年1月新着

  • 面白かったです。

  • 「老い」を描く言葉の豊かさに惹かれる。「春の道標」を再読したくなった。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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