iPS細胞 不可能を可能にした細胞 (中公新書)

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著者 : 黒木登志夫
  • 中央公論新社 (2015年4月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023148

iPS細胞 不可能を可能にした細胞 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 11月20日 IPS細胞の作成に成功した日

  • 今更ながら話題のiPS細胞について概要でも理解できればと本書を手に取った。全くの門外漢である私でもある程度理解できるように書かれており、面白いエピソードなども織り交ぜていて読みやすい。(とはいえ難しいところも多々ありましたが)

    研究不正等にも触れられており、小保方氏を擁護する方には是非読んでほしい。将来の再生医療への期待も高まる。本書を読むことにより、今後は幹細胞関係の報道を興味深く見ることができると思う。

  • 2012年生理学・医学賞は山中伸弥京都大学教授が受賞

    【配架場所】 図・3F文庫新書 中公新書 No.2314 
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=171055

  • 「人々は、受精に至る物語に大いなる興味をもっているが、本当のドラマは受精から始まるのだ。」こんな調子でiPSを巡る専門的な内容を素人が読んでもわかりやすい達意の文章で語る。歴史を押さえ、研究のエピソードを交え、読者を飽きさせない。
    新書は手軽な反面、物足りないことも多いが、これはお得であった。
    山中教授の序文が寄せられているのも、また素晴らしい。

  • すごく平易な文章で読みやすいのですが、いかんせん門外漢の当方の腹に落ちたのかどうかは疑問。これは当方自身の無能力故であり、この本の評価を落とすものではないので悪しからず。
    それにしても確実に神の領域を侵してるとは感じました、信心深くもなく、医療の進歩を望む立場の当方ではありますが。関わる人間の良心が鋭く問われており、小保方問題は単なる氷山の一角なのかも。

  • iPS細胞が見出された背景について非常に基本的なところから丁寧に解説してくれる上、臨床の場での適用例やその研究・実用段階の記述が極めて豊富。聞き慣れない病変名に有名人のエピソードを絡めたり、Wikipediaなどよりずっとシンプルでキャッチーな図表を用いるなど、専門的な分野への読者の親しみやすさを高める配慮を随所に感じる。

    幹細胞に様々な種類がある上互いに相補的な関係にあるものも多く、iPS細胞と他の細胞を切り離して扱うことに全く意味がないことが分かったことが本書を読んでの最大の収穫。iPS細胞を取り巻く「今まで」と「これから」が280頁足らずで一望できる手軽さも良。ただ研究者名や専門用語が頻出し、他所での言及箇所を探す手間が煩わしい。索引が無いのが惜しい。

  • いわゆるその分野の大御所が書いた初心者向けの本。突っ走っている人でないだけに抑制と目配りがあるので読みやすい。最後の1章が必要なのが本当にかわいそう。

  • 勉強になりました。

  • ☆2(付箋6枚/P278→割合2.16%)
    これは、星以上に面白かった。
    iPSが出来るまでの歴史が分からないと、iPSの価値も分かりません。
    定義から使われ方まで、分かりやすいと思います。

    ・正常の細胞を培養に戻すと、一定期間しか培養できない。1961年、フィラデルフィアの兵フリックは、ヒトの細胞は10ヶ月も培養すると、勢いがなくなり死滅することを発見した。これを「ヘイフリックの限界」とよぶ。その間の細胞分裂回数は、人の一生の細胞分裂回数と同じだという。それに対して、がん細胞は永久に分裂できる。

    ・ES/iPS細胞はときとして万能細胞と呼ばれることがある。特に、ジャーナリストは万能細胞と呼びたがる。しかし、iPS細胞は「多能」ではあるが、「万能」でもなければ「全能」でもない。どこが違うのだろうか。
    万能細胞は、胎盤と胎児の両方を作れる能力を持っている細胞である。子宮に移植すれば、胎盤から供給される栄養によって完全な胎児が生まれる。そのような細胞は、発生のごく初期、桑実期の前くらいまでである。「ドリー」は、脱核した卵子への核移植によって、受精卵と同じ「全能性」の「クローン胚」を作ったので、ヒツジとして生まれることができた。
    多分化能細胞は、体を構成するすべての細胞に分化する能力をもつ細胞である。ES/iPS細胞は、多分化能は持っているが、子宮に戻しても胎児はできてこないので、「万能細胞」ではないことになる。

    ・臨床の現場で、山中は、どんなに力を尽くしても現代の医学では治せない病気のあることを思い知らされた。全身の関節が数年のうちに動かなくなるリウマチの女性、足を切断しても助けられなかった骨肉腫の高校生、せき髄損傷により動けなくなったラグビー選手。臨床の二年間で、自らの外科医として限界と同時に、臨床の限界をも感じた山中は、基礎医学に進もうと思うようになる。

    ・外国の研究所で研究するのは、新しい技術を学ぶだけではない。考え方、科学へのアプローチなど、根本的なところでも学ぶべきことが多い。山中は、グラッドストーンに留学したとき、研究所長から「VW」の重要性を聞かされたという。それは、「Vision」と「Work Hard」の頭文字であった。

    ・山中は、多能性幹細胞を作る研究計画をJSTにも申請した。山中の申請「真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立」は、岸本忠三(当時大阪大学総長)の目にとまった。研究には壮大な無駄が必要であると考え、膿胸患者の胸水からIL-6という重要な生理物質を発見した岸本は、山中の申請に年間5000万円の研究費を2003年から5年間配分した。この研究費がなければおそらくiPS細胞は世に出なかったであろう。

    ・アクチビンは、脳下垂体で作られる卵胞を刺激するホルモンであるとして、その二年前に報告されていた。同じ物質が、発生の初期には文化の方向を決める重要な働きをしていたのである。しかも、一つの物質が、濃度によって、さまざまな方向への分化を誘導することが分かった。たとえば、0.5ナノグラムでは、血球を誘導するが、その10倍では筋肉、20倍では腎臓、100倍では心臓、200倍では肝臓が誘導される。その作用は、イモリ、カエル、マウス、ヒトに至るまですべての生物に共通である。

  • 2015年6月新着

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iPS細胞 不可能を可能にした細胞 (中公新書)の作品紹介

2006年、山中伸弥は、たった4種類の遺伝子によって大人の細胞が、未分化の細胞に初期化することを発見した。それから8年余、iPS細胞は、脳や肝臓、そして、アルツハイマー病の細胞をシャーレの中に再現した。難病の治療薬開発、黄斑変性、パーキンソン病、骨髄損傷などの再生医療も現実となった。不遇時代、山中伸弥を力づけた『がん遺伝子の発見』(中公新書)の著者が、iPS細胞の生い立ちとその応用に迫る。

iPS細胞 不可能を可能にした細胞 (中公新書)はこんな本です

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