常用漢字の歴史 - 教育、国家、日本語 (中公新書 2341)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023414

作品紹介・あらすじ

十万字以上の漢字のなかで、日本語の読み書きに使う目安となる常用漢字は二一三六字。これに人名用漢字を加えた約三千字で過不足はないのか。選択の基準はどこにあり、字体や音訓はどのように決められたのか。本当に常用されているのか。国家が漢字と音訓を制限することの功罪とは。本書は江戸時代の常用漢字を推測する実験から説き起こし、明治以降のさまざまな漢字表を紹介。常用漢字でたどる日本語の百五十年史。

感想・レビュー・書評

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  • 痒い所に手が届くというか……。『私の國語教室』で、漢字についてはあまり触れられていなかったのを、上手くカバーしてくれている。

    常用漢字表の持つ力について、筆者はよくよく意識するよう伝えてくれる。
    『道草』『羅生門』『山椒大夫』は今から(平成二十七年から)ちょうど百年前の、大正四年に書かれたとある。
    さて、この百年は遠い昔とするか否か。
    しかし、きっとこの時代に書かれたものを「そのままの形」では読めなくなっているのだろう。それも、恐らく、誰もが。

    私も、朝日新聞で漱石の『それから』を改めて読むのが楽しみであった。
    けれど、サイズが同じであったとしても、同じにはならなかった部分、それが字という問題点なんだろうと思う。

    また、難しい読みをする固有名詞の漢字も、どんどんと平仮名化されている。
    筆者の指摘に、なるほどなあ……と思わされた。

  • 811-K
    閲覧新書

  • ちょうど常用漢字の話題になっていたので読んだ.漢字を多用する日本語に未来がない,とは思わない.デジタルのこの時代,漢字制限の必要性は確かになくなってきてる気もするね.さすがに,ローマ字や平仮名のみの日本語はやだね.そう言われたら,漢字・平仮名・片仮名それにアルファベットと,日本語を表現するに多すぎる気はする,それを気にせず使いこなしてるんだけども.

  • 感想未記入。引用省略。

  • 日本語の漢字をどのようにするのか、明治から150年にわたる歴史を紹介。漢字廃止論をはじめ、漢字読みや字形、常用漢字の選択にまつわるたくさんの問題を網羅的に解説。今後の漢字の行方を考えるうえでも面白いと思います。

  • 書籍についてこういった公開の場に書くと、身近なところからクレームが入るので、読後記はこちらに書きました。

    http://www.rockfield.net/wordpress/?p=6262

  • amazon に注文しました。
    (2015年09月25日)

  • 十万字以上の漢字のなかで、日本語の読み書きに使う目安となる常用漢字は二一三六字。これに人名用漢字を加えた約三千字で過不足はないのか。選択の基準はどこにあり、字体や音訓はどのように決められたのか。本当に常用されているのか。国家が漢字と音訓を制限することの功罪とは。本書は江戸時代の常用漢字を推測する実験から説き起こし、明治以降のさまざまな漢字表を紹介。常用漢字でたどる日本語の百五十年史。

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著者プロフィール

1958年、鎌倉市に生まれる。早稲田大学大学院博士課程後期退学、高知大学助教授を経て、清泉女子大学文学部教授。専攻は日本語学。
著書に、『仮名表記論攷』(清文堂出版、2001年、第三十回金田一京助博士記念賞受賞)、『文献から読み解く日本語の歴史』(笠間書院、2005年)、『消された漱石』(笠間書院、2008年)、『文献日本語学』(港の人、2009年)、『振仮名の歴史』(集英社新書、2009年)、『大山祇神社連歌の国語学的研究』(清文堂出版、2009年)、『日本語学講座』(清文堂出版、全10巻、2010-2015年)、『漢語辞書論攷』(港の人、2011年)、『ボール表紙本と明治の日本語』(港の人、2012年)、『百年前の日本語』(岩波新書、2012年)、『正書法のない日本語[そうだったんだ!日本語]』(岩波書店、2013年)、『漢字からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書、2013年)、『常識では読めない漢字』(すばる舎、2013年)、『『言海』と明治の日本語』(港の人、2013年)、『辞書からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書、2014年)、『辞書をよむ』(平凡社新書、2014年)、『かなづかいの歴史』(中公新書、2014年)、『日本語のミッシング・リンク』(新潮選書、2014年)、『日本語の近代』(ちくま新書、2014年)、『日本語の考古学』(岩波新書、2014年)、『「言海」を読む』(角川選書、2014年)、『図説日本語の歴史[ふくろうの本]』(河出書房新社、2015年)、『戦国の日本語』(河出ブックス、2015年)、『超明解!国語辞典』(文春新書、2015年)、『盗作の言語学』(集英社新書、2015年)、『常用漢字の歴史』(中公新書、2015年)、『仮名遣書論攷』(和泉書院、2016年)、『漢和辞典の謎』(光文社新書、2016年)、『リメイクの日本文学史』(平凡社新書、2016年)、『ことばあそびの歴史』(河出ブックス、2016年)、『学校では教えてくれないゆかいな日本語[14歳の世渡り術]』(河出書房新社、2016年)、『北原白秋』(岩波新書、2017年)などがある。

「2017年 『かなづかい研究の軌跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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