戦国大名の正体 - 家中粛清と権威志向 (中公新書 2350)
- 中央公論新社 (2015年11月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121023506
作品紹介・あらすじ
応仁・文明の大乱を経て、群雄割拠の時代が幕を開ける。戦国大名たちは、家中粛清を断行して権力基盤を固め、分国法の制定や城下町の整備により自らの領国を発展させた。やがて北条・毛利・島津らのように、版図を拡大し、地域に覇を唱える大大名も現れる。生き残りをかけて戦い続けた彼らは、ただ力のみを信奉し、伝統的権威を否定する専制君主だったのか。大名たちの行動規範を探究し、戦国時代への新たな視座を提示する。
感想・レビュー・書評
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KT4a
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家中の粛清などで権力を握る主君や対抗する家臣たち、大名が分国をどのように捉えていたのか、幕府や朝廷といった権威はどの程度の影響を与えたか、文化の受容といった観点から戦国大名を見ている。
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史料に基づき、今日戦国大名と呼称される人達の有り様に肉薄した一冊。時代小説やドラマで描かれる虚像とは一線を画し、分国法による統治の正当性の主張、名誉や面目または権威の重視といった、彼らが備える特徴と当時の社会構造が著されている。主君殺しや家臣の粛清などの血生臭い事例も、(全てがそれに当てはまるとは限らないが)、秩序の安定というより大きな目的の為の手段で、戦国大名もそういった必要悪の末成り立っていた存在、という見方は成程と思った。また合戦の目的も境界での略奪行為が主で、だからこそ、天下統一という殊更に無意味な野望(!)は、戦国大名は持っていなかっただろうという一文も納得がいく。英雄譚からこの時代に興味を持った人にも読んで欲しい一冊。
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情報の羅列になってしまった感じ。文中からも筆者が本当に書きたかった本ではなかったことが素直に感じられるのは、著者のお人柄か。情報量は多いのですが、ストーリーがない感じ。
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2016年1月新着
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枝葉末節に終始し、結論に辿り着いていない印象
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<目次>
序章 ヨーロッパ人の観た戦国日本
第1章 粛清と王殺し
第2章 大名の条件
第3章 天下と外聞
第4章 亡国の遺産
終章 十六世紀の考え方
<内容>
タイトルからくるイメージよりもオーソドックスな戦国本。高校教科書をもう少し詳しく知りたい人に最適。特に第2章は、教科書の用語(寄親・寄子や貫高制、喧嘩両成敗など)を実例をあげつつきちんと説明がしてあり、高校教師、より詳しく知りたい生徒などにいい読み物となる。また、全体を読み通すと、戦国時代のイメージが変わる。戦国時代は「下剋上」だが、秩序がない混沌の時代ではなく、戦国大名は秩序を求めて争っていたことがよくわかる。 -
20151125
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応仁・文明の大乱を経て、群雄割拠の時代が幕を開ける。戦国大名たちは、家中粛清を断行して権力基盤を固め、分国法の制定や城下町の整備により自らの領国を発展させた。やがて北条・毛利・島津らのように、版図を拡大し、地域に覇を唱える大大名も現れる。生き残りをかけて戦い続けた彼らは、ただ力のみを信奉し、伝統的権威を否定する専制君主だったのか。大名たちの行動規範を探究し、戦国時代への新たな視座を提示する。