力学入門 - コマから宇宙船の姿勢制御まで (中公新書 2354)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023544

作品紹介・あらすじ

20世紀後半、宇宙開発が進むにつれ、回転運動や姿勢制御に関する力学の理論は長足の進歩を遂げた。この回転運動と中学・高校で学ぶ並進運動(直線運動)を組み合わせると、すべての物体の運動が説明できる。ロボット制御など、日常生活を支える技術にも役立てられているのだ。本書は、日本初の人工衛星「おおすみ」から「はやぶさ」まで、ロケットの姿勢制御に関わったエンジニアによる宇宙開発と新しい力学の入門書である。

感想・レビュー・書評

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  • 剛体の力学だけならば、大学の初等力学の教科書で間に合うが、工学的な応用も本書では多く触れられており、その意味で大変にマニアックな新書だ。テンソルの扱いを含め数学的な事は解説されていないので、ほとんどの人は消化不良に終わるだろう。

  • 20190824 中央図書館
    縦書きだと式が読めないからな。中公新書も科学のラインアップは揃えなくてはいけないのだが、数理系はどうしても数式がないと、数理ファン層にはヒットしないし。
    力学入門、と名乗ってはいるが、ゴリゴリの物理学者でなく工学者の視点なので、ふつうの物理教科書よりは、3次元の運動についてわかりやすく書かれているところはある。

  • 平面での力のモーメントって中学生くらいでやった気がするんだけど、いくら二次元とはいえ随分難しいことをしていたのだなというのが一番最初の感想。簡単なところばかりをさらっている感じで、姿勢とは何かに関する説明もあまりなかったように思うけれど、それでも姿勢という概念に関するなんとなくのイメージが持てたような気がするところは、とても良い。
    物理ももっと色々理解したい。
    170926

  •  物理学者の視点ではなく、日本のロケット開発に携わっていたエンジニアの視点から書かれている。常に「モノ」の視点があり、理解できるかは別として、何を言わんとしているかのイメージはしやすかった。質点の動きから始まり、質点の回転、振り子を経て剛体の回転に行き着く。本編とも言える剛体の運動はやはり難しかった。質点の並進運動はそれなりに馴染みがあるので特に難しさは感じなかったが、回転運動、剛体の並進運動、そして剛体の回転ともなると非常に難しい。単純に馴染みがないだけでなく、正しく理解し、動きを導こうとすると力学と数学の知識を総動員する必要があるのも難しさに輪をかけている。

  • 2016年2月新着

  • 力、質量、加速度といったニュートン的な力学はイメージしやすいが、このほかに、力、慣性モーメント、角加速度といった剛体の回転や姿勢に関する別の力学があり、こちらは、必ずしも直観では理解できず、計算も複雑であるらしい。本書では、これら2つの力学について一般向けに易しく解説されている。ただし、回転の力学は難しく、最後の方は正直言って十分には理解できなかった。それでも、2種類の力学の類似性と相違であるとか、3次元空間における飛行機やロケットの姿勢制御のためにどのような理論が使われているかが少しは分かり、興味深かった。日を置いて再読したり、類書を読んだりして理解を深めたいと思った。

  • 20世紀後半、宇宙開発が進むにつれ、回転運動や姿勢制御に関する力学の理論は長足の進歩を遂げた。この回転運動と中学・高校で学ぶ並進運動(直線運動)を組み合わせると、すべての物体の運動が説明できる。ロボット制御など、日常生活を支える技術にも役立てられている。本書は、「おおすみ」から「はやぶさ」まで、日本のロケットの姿勢制御に関わったエンジニアによる宇宙開発と新しい力学の入門書である。

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