東京消滅 - 介護破綻と地方移住 (中公新書)

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制作 : 増田 寛也 
  • 中央公論新社 (2015年12月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023551

東京消滅 - 介護破綻と地方移住 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 2015年刊行。
    編著者は東京大学公共政策大学院客員教授。

     「地方消滅」で叙述された東京ないし首都圏の問題に焦点当てをした書。ゆえに特段の新奇はない。
     が、
    ① 東京周辺(都・神奈川県・千葉県成田市)に外国人医師と家事代行業の外国人受入特区を設定済みとのこと。周辺業態への拡大という未来像を想起できる現実だ。そうなれば事実上の移民解禁であろう。
    ② 介護施設の設置費用の過半が不動産取得費用にある点。
     この程度は目を引く内容だ。

     ただし、本書に書かれる問題は、東京ないし首都圏単独の問題でない。現に、本書においては、大阪府ないし大阪圏の方が、介護必要高齢者の顕著な増大という点で、首都圏より先に問題顕在化すると思しき記述がある。
     ところが、視点は首都圏のみである。
     他も多くはスカスカなそれ。

     例えば、本書では介護職への給与水準の低さを問題視する、それ自体は真っ当な指摘だとしても、もし全国一律に給与水準が上がった場合、地方だけの雇用増を齎すのだろうか?。
     多くの高齢者が住まう首都圏の雇用増を来すだけではないのか?。

     さらに、都内の介護施設の設置に関する用地・容積基準を緩和するのが政策的に手っ取り早いから、そこだけに手を付けて、首都圏の問題を解決し、さらに問題を先送りするだけなのでは、との疑問も?。

     そもそも、本書は高齢の要介護者及びその予備軍の、東京乃至首都圏から地方への移動、つまり政策的IないしUターンを実現しようと目論むものである。
     そして、そのIないしUターンが「トリンクルダウン」的に、介護職を中心とする若年層の雇用を地方に生み、地方の自治体消滅を回避しようというものである。

     が、ここで挙げる政策の採用がちぐはぐであれば、地方に費用負担だけを押し付ける帰結を招来しかねない。
     なるほど本書は、そうはならないように一応の配慮をしているが、政策の部分採用ないし政策効果の見通しを誤れば、本書の提言が首都圏のみの生き残りを画策したものとの評もあり得るのではないか。

  • ・後期高齢者は2025年までには東京圏で175万人増加し、全国の増加数の3分の1を占める。施設に入りたくても入れない「介護難民」が全国で43万人、東京圏だけで13万人になる予測。

    ・長野県は「移住したい県」の上位にくる。地域医療の充実は理由のひとつ。「都道府県別幸福度ランキング」で長野県は総合1位。幸福と所得は正比例するわけではない。

    ・移住はそれほど非現実的な話ではない。内閣府調査では20代お35%くらいが移住を考えているという結果が出ている。地方にも中学卒業まで医療費がかからないといった自治体が多数あるので子育て中の30~40代も移住ターゲット。

    ・高齢者にかかるお金はコストではなく投資。高齢者は金食い虫ではない。高齢者が税金を払ったり、経済活動に参加したりすることによって世界規模で7兆4000億円のプラス効果を生んでいる。世界は日本に期待している。日本がしてきた努力を世界にみせてほしい。byWHO事務局長・マーガレットチャン

    ・杉並区が南伊豆町に介護施設をつくるのか?杉並区で特養の一床分を確保するために3000~4000万必要でその半分以上は「土地代」という現状はほとんど知られていない。

    ・新しいことをやろうとすると批判はつきもの。「杉並区は”姥捨山”をつくろうとしている」「勝ち組の東京は老人問題で困ったら、それを地方に押し付けるのか」という意見はその典型。2015年の住民の意識調査ではおよそ4割の区民は「老後は地方で暮らすのもいいかな」と考えている。

    ・内閣府の県民経済計算によれば、東京都のGDP92兆円は日本全体の5分の1。オランダやスウェーデンをも凌ぐ数字で一国の中にもう1つ別の国があるという大きな存在が東京都。国に求めたいのは長期ビジョンを堅持しつつ、画一的ではない対策を講じること。東京五輪開催の2020年は奇しくも東京都の人口が減少に転じる年。来るべき2020年が新しい東京、新しい日本へと変革を遂げる姿を世界の人々にアピールできる年となることを期待したい。

  • ここ数か月内に読んだはずなのにほとんど覚えていない。

  • 東京消滅・・・というタイトルはやや大げさかもしれないが、高齢社会にいかに対応するか(医療・コミュニティ)という内容。
    日本版CCRCの紹介はためになった。

  • 2040年以降は高齢化率は40%くらいで安定する。
    田舎は先に高齢化、東京は遅れて高齢化。
    医療機関の入院ニーズは、75歳以上の高齢者数に連動。
    2040年以降は、入院ニーズが減少する地域もある。
    地方からの若者の供給が途絶える。
    今後増える要介護認定者の6割は都会。

    医療サービスと介護受け入れ能力=別府市、函館市。
    二次医療圏

    大都市では北九州市。
    地方都市では、室蘭、別府、高知、大牟田、秋田、松江、旭川、帯広、釧路、弘前、鳥栖、上越、宮古島、米子、岡山、坂出、三豊、松山。

    CCRC(継続的なケア付きリタイアメントコミュニティー)
    シェア金沢。ゆいまーる那須

    茅野市は人口増。医療を求めて移住する人たちがいる。
    杉並区は南伊豆町に介護施設を作った。
    七尾市 恵寿総合病院の地域医療。

  • いま、東京圏は若年層の流入により高齢化率は低い水準にとどまっているが、こうした情況がいつまでも続くわけではない。2020年には東京も高齢化率が26%を超え、その後急激な高齢化局面に突入する。若者流入が依然続くとしても、団塊の世代をはじめ東京圏在住者が大量に高齢期を迎えるからである。本書では東京圏の高齢化の危機を回避するため課題、方策について考察する。介護保険制度の持続可能性、全国各地の医療・介護の余力、生涯活躍のまち(日本版CCRC)の先進事例などにスポットをあてながら、一極集中で経済発展するモデルを脱却し、地方がその多様性や個性や特色を活かして経済発展するモデルへと転換すべき時期であることを説く。

  • 介護付有料老人ホームの現場にいる者としては、高齢者を単にサービスを受けるだけの存在にしないように気を配っているけれど、「ゆいまーる那須」のようにお互いに支え合いながらコミュニティをつくるところまでは、とてもいっていない。歯がゆいです。他でも書きましたが、政府が2025年をめどに構築を目指している、住み慣れた地域で人生の最後まで暮らし続けられることを目的とした「地域包括ケアシステム」(それに添って行政の指導も、介護保険の単位も、学校のカリキュラム決められている)は、前提(統計的事実を無視して、必ずしも皆が目的としていないものを自明のごとく目的として)が間違っているうえに、物理的にも不可能(人も施設も)なことを、無責任に打ち上げているだけに思えます。もう時間がないのですから、在宅介護にこだわって、特養の待機者を放っておくのではなく、業態変更してでも空いている介護施設に入所させるとか、外国人介護職を受け入れる(現行発行されない就労VISAを発行して、福祉関係の大学を卒業した留学生を介護職として受け入れる)とか、色々方法はあると思います。

  • これから、2025年の東京を考える1冊。急速に老いる都市、東京という一端を知ることができる。
    待機児童の問題もあるけれど、働き方、生き方そのものを変えていく、仕組みづくり自体が大事だな、と思う一冊。金沢、北九州(福岡)くらいの都市機能を持つ都市こそ、未来を描きやすいのかもしれない。
    (1)2025年において東京の介護需要不足は24.4万人。
    (2)CCRC=Continuing Care Retirement Community(継続的なケア付きリタイアメント・コミュニティ)。介護ケア生活支援サービス付きの地域共同体。高齢者を主体的な存在として位置づけ、地域社会の担い手にする事。にシェア金沢において、高齢者、障害児、学生が互いに支え合う、見守り合うこと。…学生は何かのボランティアを行う事を条件に賃貸料が相場の半額。
    (3)30%の人が参加してくれれば、全員が納得出来るようになる。一番大事なのは情報をきちんと全員に伝えること。

  • シェア金沢 ゆいまーる那須

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東京消滅 - 介護破綻と地方移住 (中公新書)の作品紹介

若者の集まる街、東京。そんなイメージは過去のものになるだろう。2015年から25年にかけて、東京圏では75歳以上の高齢者が約175万人増加する。東京圏には医療・介護施設が不足しており、将来、介護施設を奪いあう事態になりかねない。地方の介護人材がさらに東京圏に集中すれば、「地方消滅」に拍車がかかる。東京発の日本の危機を脱するため、地方への移住を含めた解決策を提言する。鎌田實氏らとの対談も収録。

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