キリスト教と戦争 (中公新書)

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著者 : 石川明人
  • 中央公論新社 (2016年1月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023605

キリスト教と戦争 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 世界最大の宗教であるキリスト教の信者はなぜ愛と平和を祈りつつ戦争ができるのか、キリスト教徒がどのように武力行使を正当化するのかについて見ていくという体裁を取っていますが、実際の内容としてはキリスト教だけに留まらず全ての人間に当てはまる事柄が議論されています。

    取り敢えずキリスト教に限った話で言えば聖書に於いて「戦争はするな」とは一言も書かれてはおらず、むしろ戦争の章は多く、また百人隊長といった軍人がイエスに認められさえするのです。さらに信仰を盾として、救いを兜として、神の言葉を剣として取りなさいと軍事的な表現で語られてもいるのです。

    そして聖書のそれら章句を読み、解釈し、議論するのは人間であり、人間には①諸悪の根源は外来的なものである②悪は常に意図的である③今は特別な時代であるという3つの戦いへと駆り立てる先入観が備わっているという心理学的にもかなり突っ込んだ部分にまで話が拡げられています。

    それらはなにも"戦争"だけの話ではなくて、全ての人間もちろん私自身の日々の生活での他人とのコミュニケーションに於ける葛藤にも当てはまるものであり、手厳しい論調で書かれてはいるものの私自身の反省点も多く見受けられてもっと冷静で優しい人間になりたいなと思わされました。

    著者による文章はややキツめの印象を受けますが、宗教だけに留まらず私たちの普段の生活レベルにまで通用する議論がされているので、一度落ち着いて自分自身を見つめなおしたいという方にも良い1冊かと思います。

  • 初めて知ることがたくさん

  • 表題の通り、最終章まではキリスト教と戦争との関係性を創立した紀元前から現代に至るまで簡易にまとめており、初学者にも分かりやすい内容となっている。
    最終章は著者の意見となっているわけだが、それがあたかも人間性への諦念のような終わり方であり、人によっては物足りなさを感じるかもしれない。

    だが、現代において考えるべき諸問題へのヒントを得る一助という意味で、本書は読むに値する良著であると思う。

  • ■書名

    書名:キリスト教と戦争
    著者:石川 明人

    ■概要

    聖書や歴史上の神学者、近代の聖職者たちが説く「戦う論理」とは。
    愛と平和を祈りつつキリスト教徒たちが戦争に関わる矛盾を問い直す
    (amazon.co.jpより引用)

    ■気になった点

    ・剣を取る物は皆、剣で滅びる。

  • キリスト教が戦争をどう捉えているかという本。なぜ「十字軍」が始まったのか、「十字軍」はキリスト教にとってなんだったのかを知りたかったが、そういうキリスト教の戦争の歴史を解説してくれる本ではなかった。残念ながら私の期待には沿っていないが、勝手に期待してた私が悪いので仕方ない。

  • 新書だけれどずっしりと重い。半世紀前から、聖書は読んできたつもりだった...けれど、キリスト教教徒である著者とはずいぶん読み方が違い、驚きました。日本では0.8%しかいないキリスト教徒も、世界では23億、ピュー・リサーチ・センターの予想では、2050年には29億、イスラム教徒が28億と接近し、2070年には逆転すると。「イスラム教とキリスト教の両陣営が、直接戦争状態にあった時期はむしろ稀である。」著者は書いていますが、心配ですね。参考図書案内も充実しているし、大きな宿題を貰った感じです。

  • 2016年3月新着

  • 2016年3月15日読了

    キリスト教という切り口で戦争を語っているけれど、キリスト教とクリスチャンという1つの人の類型を通して普遍的な人の欲望やエゴや思考と戦争の関係を紐解いている、とても興味深い一冊。
    「平和」という概念は自立したものではなく、「平和ではない≒戦時」状況があって初めて成り立つ。ということは「真摯に平和を願うこと」は「戦争の原因を取り除くこと」と極めて近いことでもある。
    宗教というのは、人が本来みずから取り組まなくてはいけないこと(なぜ人を殺してはいけないのか?とか)のジャッジを「神」に預ける、ある意味の心の逃げ場なのではないかと思える。
    なぜなら預けた時、考えることから解放され、それを「救い」や「赦し」と感じるのではないか、と。
    1章と終章だけでも十分に読む価値のある一冊。

  • アーミッシュの元は再洗礼派
    原爆を投下する部隊に対して祈った従軍チャプレンもいた。
    カトリック教会は、建前としては、良心的兵役拒否は代替奉仕がある場合のみ可能という立場。
    システィナ礼拝堂にミケランジェロに絵を描かせたユリウス2世は、自ら剣を帯びて戦地へ向かう「軍人教皇」だった。
    プロテスタントも、ツィングリは自ら剣をとって戦い、チューリッヒの教会にある彼の銅像は、聖書と剣を手に持っている。
    アメリカでは「兵士のための聖書」なるものまで販売されている。
    初期キリスト教徒が軍に入らなかったのは、人殺しを避けるというより、軍隊内の偶像崇拝に関わるのを避けるためだった。
    ブッシュ大統領は一番好きな政治家はだれかと聞かれ「イエス」と答えた。
    空母の航空機格納庫で戦闘機を背景に、精密誘導爆弾を保管する箱に水を入れて洗礼を施す写真がアップされている。

  • 請求記号:190.4/Ish
    資料ID:50081696
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

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