外国語を学ぶための 言語学の考え方 (中公新書)

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著者 : 黒田龍之助
  • 中央公論新社 (2016年2月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023636

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外国語を学ぶための 言語学の考え方 (中公新書)の感想・レビュー・書評

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  • 言語学から外国語習得を考える…
    専門家ではないので何とも言えないが、本書を読むと、細かな専門的な気配りが必要であると感じた。用語の使い方然り、言葉の使い方然り…
    こだわりがないようで、かなりある著者ならではの辛口なコメントが小気味良い。
    「終章 浪漫主義言語学への招待」は著者の言いたいことが凝縮している、と勝手に解釈。ボブも浪漫主義に憧れてしまうわけで…

  • 黒田さんの言語学の本は面白い。
    用語はちゃんと気を遣わねばだ。
    アルファベットのことも知らなかった…
    いろいろ参考になった。

  •  外国語や言語学に関してたくさん書籍を出している著者の、外国語を学ぶ上で大切な言語学的な視点について。
     と言うと、面白くなさそうに聞こえるが、エッセイ的な要素や独特の語り口も含めて、言語に対する興味を向けさせる内容が盛りだくさんだった。特にこの本は、著者が「ことばのシェフ」(p.187)として、どういうスタンスで日々言語を教えたり、本を書いたりしているかが結構あちこちに書かれている。端的に言ってしまえば、著者の好き嫌い、がはっきり書かれている本だなと思った。
     冒頭の方に、「大学で教えていると、最近は拙著を読んで言語学を目指すことにしたということにしたという学生に出会うことが珍しくなくなった。(中略)「言語学を目指す学生は、どうやらわたしの目論見に反して、言語学そのものにしか興味を持たないようなのだ。外国語を学んだら、そこから文学や歴史に興味が広がるのが当然だと考えていたわたしにとって、これはショックだった。文化的背景を無視して、言語の構造だけを追いかけて、それが何になるのか。」(pp.iii-iv)ということらしいが、残念ながら、たぶんおれがその学生に近い。15年ほど前、大学生の時、著者の『はじめての言語学』を読んで、言語学面白いと思い、色んな言語学があることを知って、でも英語を極めようと思って、英語の生成文法のゼミに入った。たぶん著者のスタンスからすれば二重の悲劇、つまり1つは文脈を考えずに言語の構造の厳密な記述を考えようとする方向を勉強したという悲劇、もう1つは、言語学に興味があって言語学を勉強したと言っておきながら、英語以外の言語学習をろくにやらなかった、やる気がなかったという悲劇で、大学卒業くらいの時には、その「悲劇」に自分でも気づいていたが、まあいいや、そのうち興味が持てれば、と思って学生時代は終わってしまった。
     ということで、著者の本大好きなのに、著者には歓迎されない読者、という感じで読んだが、じゃあなんでろくに外国語を学ぶ気もないおれがずっと言語学に興味を持っているんだろう、という感じで、ずっと自分が疑問の対象だった。
     それはともかく、そういうおれでも興味深いと思ったことをいくつかメモしておく。まず日本語の話で、発音した時に聞き取りにくいくらい短い⑤は、「何かを補って長くすることで、耳で理解しやすい工夫する。『胃』『背』『葉』は『胃袋』『背中』『葉っぱ』のように拡大させる。」(pp.31-2)、他にもお酢やお湯のような「お」をつけるパターン、毛や字を「髪の毛」や「文字」のように言い換えるパターンというのがあるらしく、面白い。単語も語の言い換え、という捉え方ができるらしい。あとは「人」か「族」か、という話。ヨーロッパはソルブ人やバスク人のように「人」、アジア、アフリカ、ラテン・アメリカは「族」で、「あまりよい意味には感じられず、差別のようなものを感じてしまう。」(p.39)という話。そしてこういうように色んな用語にこだわるのは、「言語の世界はあまりにも広く、一人の人間が細かいことも含めてすべてを把握することは難しい。だとしたら、知らないことに対しては慎重でありたい。専門家の意見には真摯に耳を傾けたい。自分が常識と信じていることは、常に訂正される可能性がある。そのためには用語に敏感であることが大切なのではないか。」(同)ということで、別に言語の勉強だけでなく、色んな学問に対して謙虚であるということは、用語をできる限り正しく使おうとするということなのかもしれない、と思った。あと「『ご注文はよろしかったでしょうか』というのは、確認の『た』を用いて丁寧に表現しようとしたのだから、別に目くじらをたてることもない」(p.127)ということで、これは「あ、電車が来た」とか「明日は水曜日だった」の「た」と同じようなもの、というのが面白い。母語の日本語で気づくことが多いと面白いと思ってしまう。でも、英語や日本語の例ではなく、やっと外国語で面白いと思う話があったのは、まず「オーストロネシア語族オセアニア語派に属する言語のうち、フィジー語のようにメラネシア地域で話される言語では、人称代名詞に単数、両数、複数に加えて、三数つまり三を示すための特別な形がある」(p.104)とか、「セルビア語ではlやrにもアクセントのある場合がある。」(p.155)
    など。
     終章では「浪漫主義言語学」について書かれているが、こういう勉強ができたらいいなと思う。「外国語学習者の多くは会話を目指すが、見知らぬ人に道を教えて、おかげで感謝されて嬉しいなんていうのは、早く卒業してほしい。」(p.182)、「会話重視の外国語学習は、自分のいいたいことばかりを投げかけて、相手の話を聴いていない。それでは『会話のキャッチボール』ではなくて『会話のバッティングセンター』である。」(p.185)、という部分にはとても共感するし、「読書は言語から永遠に離れない。古典から現代までさまざまな書物に広く触れることは、外国語学習の究極である。時間をかけてさまざまなテキストを読むことを通して、ゆっくりと理解を深めていけばいい。」という部分に、究極的にはそこをおれも目指していきたいと思った。(17/06/23)


     

  • 私は、非日本語圏に住み始めて、英語だけでなく中国語などの非母語に接する機会が急増した。
    言語ってそもそもどういう事なんだ?知りたい、という程度で手に取ったこの本は、それ以上のことを教えてくれました。

    母語である日本語でさえ気づいてないことが沢山ある。
     「ある」と「ない」
    のくだりなど、読んでいて声が出た。前者は動詞で後者は形容詞!
    語族・語派なんてこれまで1ミリも気にせず、言語学習をしていたが、間違いであった。言語学、すごい!!。

  • 「言語学」ってすごーく辛気くさい学問だという印象が根深くある。言葉について考えるんだから、専門家でなくてもわかりやすく面白いのでは?という浅はかな思い込みがいけないのかもしれないが。

    本書も第1章の用語の説明あたりはちょっと堅苦しく、むむむ…という感じなのだが、その後はいたって読みやすく、なるほどねということがいくつもあった。「言葉」というものを考えるには、具体的に実際の言語を深く学ばないといけないという考え方は、実に目ウロコ。

    ちょっとアウトサイダー的立ち位置の先生のようで、ところどころで現状に苦言を呈するという書き方になっているが、なんとなくユーモラスな感じが漂っていて、きつい感じはしない。もう少し若かったら、よし!何か外国語を勉強しようと思ったかもしれないけど、今の根気のなさではムリだわ~。

  • ロシア語講座の黒田先生の本、というところで買って、半年以上積読状態...。
    この度、急遽長距離を移動しなければならない用事ができ、旅のお供に持参した。
    ふわっと読んでしまい、テーマをつかみ損ねたかもしれない。

    本当に、この人はことばそのものが好きなんだなあ、と分かる。
    そして、大学を、なのか、「科学的」言語学をなのかわからないが、早々にお付き合いをやめてフリーの言語教師になられた理由も分かる気がする。

    言語は道具ではない、他言語を学ぶには、その言語にしっかり向き合って、長い時間をかけて学ぶしかない、という、至極当然の心構えが説かれた本だと理解した。
    それを、言語学のさまざまな考え方の紹介を通して伝えているのだ、とも。

    個別的な話では、形容詞が、ロシア語のように名詞に近いふるまいをする言語と、朝鮮半島語のように動詞のような言語と二パターンあるということ、同音異義語が、同字同音異義語、異字同音異義語、同字異音異義語にわかれるという話辺りが面白かった。

  • 勉強になりました。

  • 著者の専門言語が少しでもわかればもう少しおもしろく読めたかも。

  • 言葉についての「考え方」、言語学がどういう態度でどう言葉を扱っているのか紐解くことで、語学につきものの先入見にとらわれずに、自分にあった外国語学習方法を見つける助けになる一冊。
    おとなになってから学ぶたくなった人のための古文や漢文のおすすめ参考書など、ちょっと覚えておきたい。
    日本語と英語しかしらないなんてつまらないし、学校の国語や英語の時間にも、もっといろいろな言葉に親しむことや「言語学」のおもしろさにふれさせてくれたらいいのにな、とあらためて思う。

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外国語を学ぶための 言語学の考え方 (中公新書)の作品紹介

誰もが近道や楽な方法を探そうとするが、結局は地道な努力しかないと思い知らされる外国語学習。だが、それでもコツは存在する。本書は、そのヒントとなる言語学の基礎知識を紹介。「語学には才能が必要」「現地に留学しなければ上達しない」「検定試験の点数が大事」「日本人は巻き舌が下手」といった間違った「語学の常識」に振りまわされず、楽しく勉強を続けるには。外国語学習法としての言語学入門。

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