革新自治体 - 熱狂と挫折に何を学ぶか (中公新書)

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著者 : 岡田一郎
  • 中央公論新社 (2016年7月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023858

革新自治体 - 熱狂と挫折に何を学ぶか (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 岡田一郎先生の最新作。

    革新自治体については一定の距離を置きながらその成果および限界点を論じている。こうした作品は特定の立場に肩入れしていることが多く、評価が難しいところがあるのだが、氏の場合社会党研究者でありながら、父親を過激派左翼に殺されている(後書きにあり)というきわめてオリジナルな立場に置かれていることもあり、この点に成功していると思われる。

    本書では革新自治体の成功の要因として中道政党(公明党・民社党)並び共産党の党勢拡大と首長との協力関係に求めるが、日本社会党については議会運営を機能不全化させたとして辛辣に批判している。

    その一方で、革新自治体→積極的福祉政策→放漫財政という批判は、東京都の印象が強いだけで革新自治体を一緒くたにするのはミスリードであるとする。

    個人的には岡田先生には是非とも研究を続けてほしいと思う。もっと作品が出ればよいのに。

  • 美濃部亮吉都政をはじめ、1960~70年代に脚光を浴びた「革新自治体」について、その台頭の背景から政治的取組までを振り返り、その功罪を検証することで、今日の地方自治制度への示唆を探っている。革新自治体という切り口で、日本社会党、日本共産党を中心とした戦後の革新陣営の政治史が浮き彫りになっている。一方で、革新自治体で行われた政策がどのようなものだったのかという点の記述はやや薄く感じた。
    革新自治体の盛衰の鍵を握っていたのが中道勢力であったこと、それにもかかわらず革新勢力(特に社会党左派)に自らへの過信があったこと、革新勢力内の内部抗争が革新自治体の終焉を招いた要因であったことなど、革新自治体をめぐる政治構造がよくわかった。それらは現在の野党にとっても教訓となる内容であると感じた。
    革新自治体の存在により、公害など高度経済成長によるひずみの解消が進んだという面は確かにあるし、財政破綻を招いたというのが革新自治体に共通する問題というわけではなかったということも理解した。一方で、革新自治体が首長任せの有権者の性質を変えられず、むしろ促進したとさえ言えるという筆者の指摘は、現在の地方自治や政治全般にも通ずる大きな問題点であると感じた。

  • 高度成長のひずみを立て直すという風を受けて、60年代~70年代に各地の地方公共団体で、社会党系の知事や市長が誕生し、いわゆる革新自治体の時代がありました。本書は、この時代に、革新自治体がどのようにして生まれ、また消滅していったのかを、社会党の内部まで踏み込んで検討しています。

  • 目次に1977年の釧路市長選の事が書いてあったので、北海道の自治体についてもいろいろ記述があるかと予想していたが、北海道について目立ったの箇所はここだけだった。個人的にはちょっと残念。

    いわゆる革新自治体がどのように誕生し衰退していったのか、その歴史を追う。
    個人単位では大きく取り扱われたのは飛鳥田一雄・美濃部亮吉という印象。

    非自民の政党が誰を擁立するか、誰を支持するかは時と場合によりけりだったということが史実から読み取れる。

    戦後政治史を非自民・地方政治から研究した好著。

  • 一九六〇〜七〇年代に蜷川虎三、美濃部亮吉、黒田了一、飛鳥田一雄など個性的な首長を各地で擁し、脚光を浴びた革新自治体。だが、現在では、「巨額の財政赤字をもたらした」というレッテルのみで語られがちだ。本書は、革新自治体の台頭の背景から政治的取り組みまでを詳述し、その功罪も描く。国政とも深く関係して躍進し、そして消えていった地方の“左翼政権”は何を残したのか。現在の国政や地方自治を再考する試み。

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革新自治体 - 熱狂と挫折に何を学ぶか (中公新書)の作品紹介

一九六〇〜七〇年代に蜷川虎三、美濃部亮吉、黒田了一、飛鳥田一雄など個性的な首長を擁し、脚光を浴びた地方の革新自治体。だが、現在では、「巨額の財政赤字をもたらした」というレッテルのみで語られがちだ。本書は、革新自治体の台頭の背景から政治的取り組みまでを詳述し、その功罪も描く。国政とも深く関係して躍進し、そして消えていった地方の"左翼政権"は何を残したのか。現在の国政や地方自治を再考する試み。

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