通貨の日本史 - 無文銀銭、富本銭から電子マネーまで (中公新書)

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著者 : 高木久史
  • 中央公論新社 (2016年8月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121023896

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通貨の日本史 - 無文銀銭、富本銭から電子マネーまで (中公新書)の感想・レビュー・書評

  • 貨幣の歴史を超ざっくりまとめると、物→金属→紙となる。と考えると、最近の電子マネーやポイント制度って実は革命なんだなぁ。素材が必要ないってすごい。

  • 通貨から見た日本の通史。当時の経済状況を通貨の需給状況の関係から説明している点がよい。現在の日本の通貨をめぐる状況は整理されすぎているため、過去の複雑な通貨の状況を我々は理解できなくなっているのではないか。通貨とは、貨幣とは何か、という点については数百年前の日本人のほうがよく理解しているように思える。

  • 通貨の通史。だいぶ前に読み終わっていたが、レビューを書き忘れていたようだ。しかし、思い出そうとしてもほとんど印象に残ってない。近代以降が薄いような印象。さらに電子マネーまでとうたっているが、そちらも同様。

  • お金に視点を置いて日本史を見るという本は読んだことがなかったので楽しんで読めた。通貨は政府や中央銀行が発行して統制するってのは近代以降のことで、昔から民間の需要から生まれるってのを改めて学べた。お金の話だけではなく、その時代時代の気候から生産高や人口の増減についても触れていて、歴史の流れの底流にあるそういったものの変化を知れて面白い。間に孔を開けた硬貨が材料節約のためだったり、円の語源だったり、トリビアとして人に話したくなる話題も多い。

  • 高木久史『通貨の日本史-無文銀銭、富本銭から電子マネーまで-』(中公新書、2016年8月)読了。

    実に面白かった。
    新書は鞄に入れて移動途中で読むことが多いので少々時間がかかったが、それ以上にじっくり読ませてくれる内容でもあった。
    内容は、帯にあるように「悪『銭』苦闘の1400年」。通貨の歴史といえば銭の歴史であることを思い知らされた。

    読後に著者履歴を読んで得心したが、高木氏は現役の大学教員であり、しかも本書の底本(?)は3本の科研の研究成果だという。
    とはいえ、いわゆる研究者のための研究書ではないので、十分面白く読める。何しろ、お金に関するうんちくやことわざの由来なども随所にちりばめられている。早起きがなぜ三文の得か[p.48]、ビタ一文のビタは何を指すのか[p.80]なんて話もある。しかも可能な限り実物大の大きさで貨幣の写真を掲載していることも、より具体的に捉えることができて良かった。

    仕事柄、もっとも驚いたのは、日本における紙幣のルーツが割符(さいふ。現在はわりふと呼ぶ方が多い)だったということだ。14世紀に登場し15世紀後半に使用例が多いらしい。

    割符は現在の為替手形や約束手形と同じ書式・使用方法だったようだ。具体例も記載されているが[p.55]、割符を使えば、遠隔地との取引でも、重くてかさばる銭を持ち運ばなくてもいいことになる。これが紙幣のルーツだという。
    だいたいにおいて商人同士の取引では取引高が高額になるので銭よりは紙幣(銭よりも高額な額面)が便利である。参勤交代でも道中の諸費用を賄うためには紙幣を携行し、その都度、銭に交換した方が軽くて便利だ。

    ちなみに、ヨーロッパにおける手形の利用はイタリアで12世紀頃から始まったらしいが(『帳簿の世界史』に書いてあったような)、遠隔地との取引に対する人間の知恵は洋の東西を問わないようだ。しかも当然、国々(日本でいえば藩)で使う通貨は違っている場合が多いので、それらの取引をどうするかを解決する手法を考えたのは素晴らしい。

    もうひとつ、掛取引(信用取引)も15世紀後半以降に使われ出したという[p.57]。
    高木氏によれば、手形の利用や信用取引の普及の影には、銭不足(絶対的な流通量の不足)があったというから面白い。

    もともと銭から始まった通貨の歴史だが、紙幣そのものは銭の不便さを補うものとして生まれたこと、通貨が日本銀行券のような形で発行されるまでは、私札から始まり藩札へと広がり、戦時中は軍票などが使われるといった感じで、紙幣の歴史それだけでも面白い展開を見せている。
    本書を読むと、歴史的には紙幣よりも銭を重視していたように思われる。そして銭の歴史は銭の素材(金属)の調達と鋳造・鍛造・形成といった技術の歴史でもある。穴あきコインが実は材料を節約するためだったと聞かされると、『知恵者がいたんだなあ』と唸ってしまう。

    でも銭。「ぜに」と読んでいたが「せん」と読むのが正しいのだろうか。

    最近はビットコインが流行の兆しを見せている。
    ビットコインといっても現物があるわけではない。これまでは形ある通貨の時代だったが、いずれは無形通貨が一般化するのかもしれない。
    そんなことを思いながら読み終えた。

  • 通貨とは一般的に「政府の独占事業」と言われているが、古来永劫的にそうであったわけではない。むしろ通貨制度の黎明期は大衆先行型で、政府はそれを追認するケースが多かった。これは意外である。なにしろ、天皇支配、武家社会という専制君主的時代に、政府機能が大衆をコントロールできなかったということを意味するからだ。プロセスが異なれど、西洋のように金銀を基軸に通貨を考える時代を経てきているのも面白い。結局人間、考えることは同じ。

  • <目次>
    第1章  銭の登場~古代から中世
    第2章  三貨制度の形成~戦国から江戸前期
    第3章  江戸の財政再建と通貨政策~江戸中期から後期
    第4章  円の時代へ~幕末維新から現代

    <内容>
    通貨の視点から日本の経済史を追っかける本。入り色と教えていて疑問だったところなどが解明したり、かなりの雑学的知識が盛り込まれていたり(江戸時代の銀貨ははさみで切って使っていたなど)、予想以上に面白かったし、授業で使える。明治以降の金本位制と銀本位制の関係(東アジアは銀本位制だから銀兌換だったとか)、日清戦争の賠償金はロンドンに送られ、日本は「金貨流通のない金本位制」だったとか…。

  • 今まで学んできた日本の歴史の中で、その姿は見えてはいましたが(両や小判などの言葉で)、それがどのように使われていて、どこが管理と発行をしていたのかについては置き去りにされていたように感じます。日本始めあたりに使われていたという和同開珎については教科書では知ってはいたものの、その使われ方については書かれてはいなかったように思います。本書はそのような謎(?)とも言える日本の通貨について、時期を追って丁寧に解説されています。なるほど、この時代はこのようにお金が流通していたのかということが整理して学ぶことができました。どのようにして今の円ができたのかなど、興味深く読むことができました。

  • 奈良時代から現代までの我が国の貨幣に関する通史。

    漠然と江戸時代は統一された貨幣制度があったように思ってきたが、日本史の教科書にあるような貨幣の金比率の改定だけではなく、実際には多くの制度の設計に見直しや変更が成されていたこと、それが明治期の日本圓の誕生と切り替えがスムーズに行われる原因となったことが判った。

    また、占領期の台湾、朝鮮、その他占領地での貨幣制度についても触れられており参考になった。

  • 都の建設のため国産銭が作られた古代、中国からの輸入銭に頼った中世、石見銀山の「シルバーラッシュ」が世界経済をも動かした戦国時代、財政難に苦しめられた江戸の改革者たち、帝国日本の通貨政策……。無文銀銭が登場した7世紀から現在まで、通貨をめぐる歴史はエピソードに事欠かない。通貨政策に大きな影響を与えてきた庶民の事情にも着目しながら、その歩みをたどる。今も昔も私たちを悩ませる、お金をめぐる通史。

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