英単語の世界 - 多義語と意味変化から見る (中公新書 2407)
- 中央公論新社 (2016年11月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121024077
感想・レビュー・書評
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普段使う何気ない単語にも深い語源や長い経緯があるのが面白い。無意識に使っているような言葉でも、よくよく考えてみると本来の意味とは全く違う使い方がなされているのは、メタファーや文脈による新しい意味づけがなされているから。
こういうのが理解できるようになると類推する力も身につきそう。実際に最終章でも書かれていた通り、受験勉強にありがちな「一語一義主義」には警鐘を鳴らしているくらいで、正しい文脈理解には単語の意味の転用パターンを知ることが大事だと述べられている。
本書は言語学的な文脈がメインなので、正直なところこれを読んでも英語力は全く上がらないと思うが、単語ごとのストーリーを知ることで、文章を咀嚼するように読むことができるのでおすすめ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どのような単語も、場所や時代に合わせて人間の使いやすいように意味が変化してきたことを具体例を用いながら解説してくれている。とても読みやすかった。
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思ったよりよかったです。
映画版ロミジュリ(オリヴィアハッセーがヒロインやってたやつ)の有名なサントラWhat is the youth の歌詞、What is a maid?がなぜmaidを使ってるのか推測がつきました
図書館で借りましたが、じっくり読むために購入を検討します -
英単語の世界は複雑だ。何しろ、古代ギリシア語、ラテン語、ゲルマン語などいろいろな起源をもつ単語が幾重にも重なっている。そんな英単語の世界を多義語と意味変化から見るのが今回の本だ。
受験で良く単語と日本語の一対一で覚えるが、それが完全とは言えないのが言葉の怖さだ。著書では「妊娠する」の意味のpregnantが例に挙がっている。「意味深い、含蓄のある」と言った意味もある。
誰でも知っている単語の一つにbookがある。なんだと思う方もいるかもしれないが、意外な意味として「予約する」がある。簡単な単語だけに甘く見ているとやけどする。
その他にもいろいろ読んでいてフムフムと思うことがあった。多義語としてのyou、bottleが意味することなど。