カラー版 - ダ・ヴィンチ絵画の謎 (中公新書 2425)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 136
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024251

感想・レビュー・書評

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  • めちゃくちゃいいわ。
    自分は美術に関心があるわけではないけれども、天才には興味がある。
    ダビンチとミケランジェロの違いについては特に興味深いが、それも最終章に書いてあった。ほかの本にも書いてある範疇のことではあるかもしれないけど、しかし、自分に知識がついてきたので、膨らませて読めた。
    釈迦と絡ませて、読むと、死を前にしたとき、人間がどうするべきか?
    その問題に、ダビンチがどう到達したか、書いてあった。
    答えは、立派に費やされた一生は快い死をもたらすであった。人類社会のために自分の一生を費やすということであった。

  • ダヴィンチの手稿研究者が彼の考えをベースに絵画を読み解く。科学者の先駆者として特に地質学に傾倒し世界の終末を探求したダヴィンチだが、海洋生物の化石を山中の様々な地層で発見することで過去陸が隆起した事を認識、終末は水没するとした。
    モナリザの背景の向かって右側は橋もかかり現在を示すが、左側は陸は水に削られ荒涼とした終末観を示している。モナリザそのものはザッペリの説に則り、ジュリアーノメディチの愛人で子供イッポーリトの母親とする説を支持している(が、これをサポートする実証はまだ限定されている)。

著者プロフィール

1946年、福島県に生まれる。京都大学名誉教授。専攻、イタリア文学、イタリア演劇。『鳥の飛翔に関する手稿』(谷一郎、小野健一との共著。岩波書店、1979年)で第三回マルコ・ポーロ賞受賞。おもな著書に、『レオナルド・ダ・ヴィンチの謎 ――天才の素顔』(岩波書店、1987年)、『ダ・ヴィンチ絵画の謎』(中公新書、2017年)、 『誰も知らないレオナルド・ダ・ヴィンチ』(NHK出版新書、2019年)、『レオナルド・ダ・ ヴィンチ ミラノ宮廷のエンターテイナー』(集英社新書、2019年)、おもな訳書に、『カルロ・ゴルドーニ喜劇集』(名古屋大学出版会、2007年)、『レオナルド・ダ・ヴィンチ 絵画の書』(岩波書店、2014年)、フェデリーコ・ヴィットーレ・ナルデッリ『ピランデッロ 秘密の素顔』(水声社、2020年)、『ピランデッロ戯曲集Ⅰ』(水声社、2021年)などがある。

「2022年 『ピランデッロ戯曲集Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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