保育園問題 - 待機児童、保育士不足、建設反対運動 (中公新書 2429)

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著者 : 前田正子著
  • 中央公論新社 (2017年4月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024299

保育園問題 - 待機児童、保育士不足、建設反対運動 (中公新書 2429)の感想・レビュー・書評

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  • 都市部の保活の厳しい現状、日本全体で人口減少が進む中、首都圏の中でも、とりわけ東京23区に人口が集中していることが保育園問題をさらに深刻化させている実態。保育園を作ろうにも土地や建物には限りがあり、土地があっても近隣からの反対運動がある。加えて最も深刻なのが保育士不足。低賃金、長時間労働、責任の重さ。モンスターペアレントの対応など、課題は山積している。日本が抱えている真実を丁寧に分析し、これから進むべき道を様々な実証を元に指し示す。狭く厳しい隘路ではあるが、明るい希望も抱けた。

  • 横浜市の副市長を務め、1人の母でもある著者が保育園問題を考える。現状、課題分析、諸外国の例、対策(提言)の構成となっており解りやすい。行政の立場、子育てする親の立場の双方を経験しているだけあってか、非常にバランスが取れた一冊となっている。良書と言えるだろう。

    以下、本書のメモ。

    〇認可保育所の運営
      公立:約4割  社会福祉法人:約5割  学校法人や株式会社など:約1割

    〇保育所の数
      ・2万3,447ヶ所(2016年)。2014年と比べ減少。
      ・過疎地の保育所の閉鎖、認定こども園への移行が主な原因。

    〇保育量をめぐる3つの論点
      ①認可保育所を利用しない人からの不満
        認可保育所に入所できた保護者にだけ手厚い公費負担があるのか。
      ②応能負担
        国基準では世帯年収1,130円以上であれば保育料は年間120万円超。
      ③地域格差
        財源豊かな自治体は手厚い公費負担があるため保育料が安い。

    〇深刻化する保育士不足
     ・年に約4.9万人が就職する一方、約3.3万人が離職(厚生労働省;2014年)
     ・「賃金が希望と合わない」、「責任の重さ・事故への不安」、「休暇が少ない」などが主な理由
     ・経験の浅い保育士が増加。
     ・「子育て支援員」制度開始。

    〇著者の8つの提言
      ①育児休業1年の徹底 ⇒ その分を1~2歳児の保育に回せられる
      ②父親の育児休業取得率の向上 ⇒ パパクォーター制度など。
      ③育休の過度な延長よりも保育所の整備を優先 ⇒ 参考としてフランスの事例
      ④働き方改革
      ⑤保育士の給与改善 ⇒ 財源は増税
      ⑥保育士への適切な研修やキャリアパスの構築
      ⑦東京圏への一極集中の是正 ⇒ サテライトオフィスの設置や本社の地方移転
      ⑧幼稚園の認定こども園化

  • 子育て支援に関わる諸政策全般を概観し、問題点を指摘した良本。研究家でもあり、実務家(横浜市副市長)でもあり、母親でもあった筆者の作品は、きわめて示唆に富む。

  • 待機児童、保育士の不足などの保育園に係る問題について網羅的に論じた書。現在の保育行政の全体像と問題の所在が理解できるだけでなく、その解決策も若干ながら言及するチャレンジングな新書。個人的には行政法学的な分析がなかったので残念なところでした(保育料の法的性質如何、保育の必要性の認定の処分性如何等)。

  • 本題の「保育園問題」は、副題である「待機児童、保育士不足、建設反対運動」だけではなく、もっと広い視野で見なければいけない問題だということが良くわかる。

  • 毎年2万人以上の待機児童が生まれる日本。厳しい「保活」を経ても、保育園に入れない子どもが多数いる。少子化の進む日本で、保育園が増えてもなぜ待機児童は減らないのか。なぜ保育士のなり手が少ないのか。量の拡充に走る一方、事故の心配はないのか。開設に反対する近隣住民を説得できるのか――。母親として、横浜副市長として、研究者として、この課題に取り組んできた著者が、広い視野から丁寧に解き明かす。

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保育園問題 - 待機児童、保育士不足、建設反対運動 (中公新書 2429)の作品紹介

毎年2万人以上の待機児童が生まれる日本。厳しい「保活」を経ても、保育園に入れない子どもが多数いる。少子化の進む日本で、保育園が増えてもなぜ待機児童は減らないのか。なぜ保育士のなり手が少ないのか。量の拡充に走る一方、事故の心配はないのか。開設に反対する近隣住民を説得できるのか-。母親として、横浜副市長として、研究者として、この課題に取り組んできた著者が、広い視野から丁寧に解き明かす。

保育園問題 - 待機児童、保育士不足、建設反対運動 (中公新書 2429)はこんな本です

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