海賊の世界史 - 古代ギリシアから大航海時代、現代ソマリアまで (中公新書 2442)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121024428

感想・レビュー・書評

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  • どの章もとても面白かった。

  • 海賊という側面からの海洋史。
    引用できそうな箇所が多く、ためになった本。

    古代ギリシア海賊王、ポリュクラテス
    「友人に感謝されるには何も奪わずにいるよりも、奪ってから返してやるほうがいいのだ」 ーま、そりゃそうかもしれんが、、、

    ゲルマン民族大移動の中のバンダル族、長い旅路の上にカルタゴに定住し海賊国家(?)となる。その略奪の悪だつさからVandalizeの語源となる。

    アッバース朝時代のアブ・ハスクはクレタ島を占拠し多才にわたってきた船を焼き払い、いぶかる部下に「何が不満なのだ、私は乳と蜜が流れる血にお前たちを運んできたのだ。休息しお前たちの不毛な土地のことは忘れてしまえ」(強引すぎる)

    レパントの海戦後のセルバンデス。下級貴族で生活の厳しかったセルバンデスはレパントの海戦に参加することでのちの官職を得るためレパント海戦の総司令官やナポリ総督の推薦状を得てスペインに帰国。しかし帰国途中で海賊にとらわれ、上記推薦状から高貴な貴族と思われ法外な身代金を要求される。払える親族もないことから10年ぶりに帰国することに。帰国後も十分な職なく税金の徴税代理人。 徴税したお金をあづけていた銀行が破産したことから国から訴えられる運命に、、、(悲惨すぎる、、、)
    その他諸々、エピソード満載。

  • 大学の授業の課題がきっかけで読んだが、海賊という側面からみる世界史は非常に興味深かった。
    この一冊で海賊についての外観をまるっと理解できる良冊。
    特に海賊黄金期の大航海時代がワクワクさせる。
    丁度パイレーツオブカリビアンをも観ていたため、海賊の面白さにハマってしまった。

  • 世界史を概観しながらその中で海賊がどういう風に位置付けられるか、どのように歴史の流れに影響を与えたかといった分析。
    古代ギリシャの力があることは聖なることだという英雄視から古代ローマのキケロの人類の敵論という認識の違いがある。強国か生まれて海洋秩序が整うと海賊は衰え、強国の衰亡と海洋秩序の乱れから海賊が跋扈するという歴史の繰り返し。イスラームやノルマン人、オスマントルコ、英国など、海賊行為と国家の結びつきも。西洋と北アフリカ諸領の関係と海賊の終焉は知らなかった。

著者プロフィール

1971年、神奈川県生まれ。中部大学国際関係学部講師。博士(国際関係学)。2008-11年まで在アルジェリア日本国大使館専門調査員。著書に『「バルバリア海賊」の終焉:ウィーン体制の光と影』(風媒社、2015年)ほか。

「2015年 『アルジェリア人質事件の深層』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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