中国ニセモノ商品 (中公新書ラクレ)

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著者 : 馬場錬成
  • 中央公論新社 (2004年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121501387

中国ニセモノ商品 (中公新書ラクレ)の感想・レビュー・書評

  • 最新の内容を知りたくなった。

  • 簡単な現状認識のために読破@スイス

  •  現在、中国では海賊版や模倣された商品が蔓延している。ここではそれらをひっくるめてニセモノ商品と呼びたい。なぜそういったものが蔓延しているのか。その答えは歴史的背景にあった。1999年ごろから外国の企業が中国に移転し始めた。理由は人件費や電気代、原料費が安いことからであった。そのころ最先端にあった技術や製造設備が中国にどんどん持ち込まれ、結果、中国の産業基盤は全体的に底上げされていった。技術レベルがどんどん上がり、中国は世界の工場と呼ばれるほどになった。しかしそれと同時に、中国はニセモノ製造において世界トップになっていた。
    中国でニセモノ商品が出回っていることはもはや誰もが知っていることだ。では、なぜ知っているのにそういうものが無くならないのだろうか。どこで、のように流出し、蔓延しているのが分からないのであれば中国政府が摘発できないのも分かる。しかし、客がニセモノ商品を求めて特定の場所に訪れる。同じように、中国政府や警察もどこでニセモノ商品が売られているか、また作られているかを特定まではできなくてもある程度認識はしているはずだ。中国政府のニセモノ商品に対する認識、対策はどうなっているのか。中国政府は厳しくニセモノ商品を取り締まっていないのではないか。
     以前、官民合同の訪中団が中国で蔓延している海賊版対策の促進のために中国を訪れ、中国政府に海賊版対策の強化を要請した。また、国際知的財産保護フォーラムでは知的財産保護官民合同訪中代表団が中国に対し海賊版や模倣品対策の実施を要請し、知的財産保護の重要性を示した。これに対し、国家版権局副局長の沈仁千さんは、海賊版が中国国内で流通しているということは確かに認めた。しかし、 「中国では法制度、体制ともに整備されており、権利者は積極的に対処できる」などと答えたという。この沈仁千さんは「権利者は積極的に対処できる。」と述べている。しかし実際、それは本当なのだろうか。ある1つの企業に注目した。
     石油類試験器の専業メーカーである田中化学機器製作株式会社は1995年の10月に上海に会社を設立し、中国での現地生産を始めた。しばらくして会社内でトラブルが発生し、製造部長であった中国人が退職した。そして、その中国人は田中化学機器の取引先であった企業に転職した。間もなくして、製造部長が転職した会社から田中化学機器が製造している商品とそっくりの商品が売り出された。
     田中科学機器は反不正競争法違反により、そっくりの製品を市場に送り込んできた相手企業を提訴した。反不正競争法は不正競争防止法の中国版であり、不正な競争を禁止し、公平な競争と国際約束を守るために制定された法律のことである。相手に請求したのは、製品の製造中止、損害賠償、マスメディアを通じての謝罪などだった。
     田中科学機器のこの行動に対し相手企業は、製品は模倣品ではなく、自分の会社が開発したものだ、などと主張した。その結果、裁判所に司法鑑定を申請することとなった。だが、司法鑑定の結果は田中化学機器にとって驚くべきものとなった。 「逆工程で模倣できる程度の技術は公知であり、商業秘密とは言えない。」、これが司法鑑定の出した結論であった。
     中国の司法判断はまだまだ未熟である。どのような基準で鑑定人を決めているかも分からない。にもかかわらず、裁判では司法鑑定が判決のように扱われる傾向がある。また中国には地方保護主義というものがある。地方保護主義とは、地方が中央に対して様々な対抗をすることによって、中央で決定された政策が地方レベルにまで十分に執行できない状況のことである。中国では、地域によってニセモノ製造が産業の中心になっているところも少なくない。ニセモノ製造がある種のベンチャー企業活動となり、地域を活性化させているのである。よって、地域はニセモノ製造を必死に... 続きを読む

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中国ニセモノ商品 (中公新書ラクレ)の作品紹介

車、ハイテク製品、食品、キャラクター商品…あらゆる種類の中国製ニセモノが世界中へ向けて出荷されている。本書は現地を含めた長期取材をもとに、日中間の裏面に横たわる経済問題に迫る。

中国ニセモノ商品 (中公新書ラクレ)はこんな本です

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