なぜフェミニズムは没落したのか (中公新書ラクレ)

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著者 : 荷宮和子
  • 中央公論新社 (2004年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121501592

なぜフェミニズムは没落したのか (中公新書ラクレ)の感想・レビュー・書評

  • 2004年刊行

     。「お金が欲しいから女のくせに仕事をする人生を選んだ『男性蔑視主義者』による、きわめて個人的な『八〇年代論』」。このあとがきの独白が全てを物語る。
     せめてリサーチを学術レペルに上げ、抽象化して論述しないと、ただの毒吐きでしかない。
     なるほど上野千鶴子批判は興味深く、掘り下げて欲しかったが、本書の個人体験レベルの批判では上野氏は反論すらしないだろう。
     また、団塊Jr世代女性への批判がこのレベルでは、彼女らがこの見解をどこまで傾聴するかな、との感。

     「八〇年代の空気感を取り戻そう」との著者の掛け声が寒々しい。

  • 80年代フェミニズムに対する怒りはわかったけどちょっと感情的すぎるのでは?読んでてとても疲れる本だった。

  • 団塊と団塊ジュニアにはさまれた「くびれ世代」の著者が、80年代という時代の空気を回顧しながら、当時の人びとが感じていた「フェミニズムのようなもの」をフェミニズム学者がすくい取ることに失敗してしまったと批判している。

    本書の中心は、フェミニズムの代表的論客である上野千鶴子と、80年代的な「フェミニズムのようなもの」を体現した林真理子が対決した「アグネス論争」を検証する箇所だ。当時の林が女性たちから絶大な支持を受けたのは、それまで男だけに許されていた「やりたいことをやるんだ!」「欲しいものを手に入れるんだ!」という思いを実行に移し、次々に成功を収めてきたからだった。ところがフェミニストは、「……したい!」という彼女たちの言葉に込められた思いを理解することはなかった。林が「仕事がしたい!」と言うところを、フェミニストは「専業主婦という奴隷になりたくない」と言う。つまりフェミニストは、自分の欲望を実現するという語り方よりも、社会の抑圧からの解放という語り方を好んだのだ。ここに、フェミニズムと「フェミニズムのようなもの」との齟齬がある。で、フェミニズムは女性たちの広範な支持をまとめ上げることができず、男社会による分断工作を受けて没落してしまったというのが、著者の見立てである。

    むろんフェミニストの側からは反論が出ることだろう。著者の言う「高みの見物を決め込んでいる男」の一人としてその反論をシミュレートしてみるならば、おそらく、素朴な実感に依拠する「フェミニズムのようなもの」はけっきょくのところ時代の気分にすぎず、社会の構造的な問題の分析に手をつけようとしなかったために、景気の後退によって跡形もなく消え去ってしまった、といった感じになるのではないか。とくに上野の世代は、状況に流されて全共闘に参加した男たちがけっきょくのところ生活保守主義に回帰していった経緯を見ているだけに、素朴な実感信仰によって問題の解決はもたらされないと知っていたのだろうと思う。

    著者は、林真理子が「新しい歴史教科書をつくる会」の呼びかけ人になったことに対して評価を控えるという立場をとっているが、これはひいきの引き倒しだろう。林の迷走は、無定見な実感信仰が状況に流された実例以外の何ものでもないように思う。

  • 著者の方が、主観的なものいいすぎるので、内容をまともに受けとる気がおきません。

    批判なさっている上野千鶴子と同じ穴のムジナになっていませんか?

  • 上野千鶴子批判本。一方で林真理子を手放しで賛美する。

    フェミニズムやら男女共同参画〜は、バリキャリが名誉男性になりたいがためのものであり、フェミニストらはその他志向の女性を見下して馬鹿にした。
    そのため女性からの支持を得られず、白い目で見られたのだという話。

    著者の恨み辛みが強すぎてアレだが、差し引いてもフェミニストに対する女性の視点として芯をついていると思う。

  • 70年代のリブ運動はメキシコ会議を境に解消してしまった。そのあたりからフェミはアカデミックにシフトするんだが、実はそうは名乗らずに「ルンルン」を買って楽しく元気に実践してた人たちっているし。アカ・フェミがそういう人たちを掴めなかったあたりが問題、と荷宮はいうわけ。これと、江原由美子『ジェンダー秩序』の最終章あたりにある日本の第二派フェミニズムの分析を読むと、納得することも多いし考えることも多くて面白い(^^)

  • 上野千鶴子に限らず、
    自分と同じカテゴリに属さない者をばっさばっさと切り捨てる作者。
    悪口を並べ立てるのはかまわないが、
    それを大した根拠もなく学者然と述べるのはやめてほしい。

  • すごい挑発的な帯だったので、
    購入してしまいました。が、
    80年代のフェミニズムのようなものについての時代論的分析がよいなと感じた

  • 読後の感想。「ほら、やっぱり私フェミじゃないじゃん!!」。私のフェミニスト疑惑を晴らしてくれた。「フェミニズム」と「フェミニズムのようなもの」の違いを解説してくれる。

  • 全体的な雰囲気でみると、批判的な意見が出てきますが、もちろん、ところどころ納得するところもあります。<br><br>著者の立場としては、80年代フェミニズムが人々に受け入れられず、衰退していったのはその徹底した姿勢、そのネガティブな思想にある。といったような感じでみている。<br>確かに。徹底しすぎできぃきぃ言ってるイメージできちゃったし、女を二分しちゃってて、男目線になっちゃってるところもあるかも知れない、でも根本的に議論の土台が違うから仕方ないのだ。アカデミックな部分と、現実的な話が交わるわけがない。<br>その中間人物が、本当は必要だったんだよね。<Br><Br>
    納得するところはあるものの、しかし、あまりにも自分が正しい、上野は間違ってる路線が激しすぎて、自分への反省がないところがちょっといまいち。<br>自らも省みつつ、批判してもらいたいもんです。

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なぜフェミニズムは没落したのか (中公新書ラクレ)の作品紹介

『アンアン』等の80年代雑誌文化は「フェミニズムのようなもの」だった。「女の時代」と言われたあの頃の空気は、なぜ退潮したのか?林真理子、上野千鶴子らに焦点を当てて検証する。

なぜフェミニズムは没落したのか (中公新書ラクレ)はこんな本です

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