- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121502032
作品紹介・あらすじ
死亡率数%の心臓手術で次々と患者が死に至る。大学病院で起きたこの異常な事態には、複雑な医療の構図が背景にあった。患者と病院の関わりを視野におき、本事件の深層をさぐった力作。
感想・レビュー・書評
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新聞社が書いた本のため若干医療者に厳しいところもあるが、なかなか考えさせられた。
腕があれば大学病院の名前が無くても患者が集まる。
教授になるような政治家タイプは多いのだろう。
選挙に破れて高い手技は外に逃げて、低い手技で患者を殺す。
一方で大学病院を頼って難易度の高い患者が舞い込む。
非常に悪いタイミングが重なったのだろう。
医療者と患者のギャップは、どれだけ懇切丁寧にICしても多分埋まらない。
伝わるのは誠意で、下手でも一生懸命だと許されることもある。
大学病院という道を断たれた医師がその後どうなったのか気になるが、失意のまま生き長らえるのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1人の執刀医の能力不足による患者の連続した死。はっきり言ってコレだけ聞くと「海堂尊の小説の世界」なのだけれど、現実の出来事だ。
コレを読むと「倫理感の低い医師はいかんなぁ」と思ってしまう。倫理観があれば、不足した能力を補おうとすると思うし、患者を第一に考えるはずだろう。
けれども上司や立場、そして「がんばっている」という思い込みによる行動……。
これは医師と病院による組織的な重大過失だと思うけれど、医師だけではなく、どの仕事をしているのであれ、倫理感をもたなければいけないな、と思いました。 -
「ノンフィクション白い巨塔」!医者志望の(病院側寄りの)自分すら憤った。