- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121502261
作品紹介・あらすじ
ノーベル賞に最も近いといわれたスター学者の不正を、ベル研究所や科学ジャーナルは、なぜ防げなかったのか?科学界を蝕む病巣とは?国内外のコンクールで受賞のNHK番組を書籍化。
感想・レビュー・書評
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ノーベル賞という存在が裏目に出るとこのような捏造が生まれてしまう。またノーベル賞だけでなくベル研究所のような企業に運営されているところだと科学以外のプレッシャーや圧力がかかり、研究者の純粋な科学への追求が出来ない構造となり得る。
このように大きなことでは無いかもしれないけれど、このようなことは研究者だけでなく、一般の会社勤めしている人にもあてはまるのではないだろうか。自分の成果を認めてもらいたい、また、みんなにカッコよく見せたい、そんな一心から、ついいろんなことを着飾ってしまうことも、一つの捏造では無いだろうか。ましてやSNSで良いところでアップして公開することも同じ心理だろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトル通り論文不正についての話。
研究会では有名な研究不正の話が細かく書かれておりどのように生まれるのかどのように対策するのか述べられている。
学術の世界で不正はあってはならないもので考えされられる本であった。 -
★図書館だよりNo.71 「読書への羅針盤」
本良 瑞樹 先生(電気電子工学科)紹介図書
➣記事を読む https://www.sist.ac.jp/about/facility/lib/letter.html#071
【所在・貸出状況を見る】https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/72797 -
平成史ブックガイドから。これは、物語的にハラハラする展開が楽しめる一冊。捏造が発覚した後の、当事者の発言が殆ど聞けなかったのは痛いけど、それはリアルワールドでは仕方ないことかも。これがもう、20年近くも前の話。以降、加速度的に細分化を続ける研究の世界だけど、意外にも捏造乱発は食い止められている?自分が知らんだけかもしらんけど。
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この本が書かれたのが2006年、事件は2000年頃起こって、STAP細胞の問題が起こったのが2014年。二つの事件、構造がそっくりだというのに、まず驚いた。
物理学という馴染みのないものも、とても解りやすく書いてあり、ドキュメンタリーだけども、ミステリ小説のような面白さがあった。
何故捏造事件は起こったのか、その解答に向かって、数々起こる疑問を探っていく。読み手がソコを知りたいという所を、しっかり調べてあり、読むのが止まらなかった。 -
ミステリー調で読みやすい。良書。
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「ノーベル賞受賞確実」と言われた物理学界の若きスターが起こした「史上空前」の論文捏造事件がなぜ起きたのか?どうやって周りは気づいていったのか?が丹念に描かれ、一本のサスペンス小説のような面白さです。
研究内容や物理分野の研究の世界の特徴などはわかりやすくサラッと書かれているので、学術研究の分野のことをよく知らない人にも面白く読めます。
時折ニュースで騒がれる論文捏造事件が起きる背景を知るのに絶好の1冊。
なお、この捏造論文のアイディアが実は実現できるようだ、ということが最近になってわかってきたそうです。論文自体は捏造でも、アイディアとしては正しかったのかもしれません -
めちゃめちゃめちゃめちゃ面白かった。素晴らしかった。生涯で読んだ本ベスト5に入る。
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