「か弱き、純真な子ども」という神話 (中公新書ラクレ)

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著者 : 和田秀樹
  • 中央公論新社 (2007年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121502544

「か弱き、純真な子ども」という神話 (中公新書ラクレ)の感想・レビュー・書評

  • ・『2006年末のいじめ自殺報道の際にも、立て続けに中高生の自殺が報じられたが、マスコミが報じなくなってからは、自殺がぴたりと止んでいる。
     そういう意味では、未成年者は被暗示性が強い分だけ、やはりマスメディアの報道のあり方を問題にしないといけない。諸外国の自殺予防のための報道ガイドラインでも、いじめで死を選んだ子どもの遺書の内容や、具体的な死に方と言うのは、基本的には報じてはいけないとされている。また、カリフォルニア大学サンディエゴ港の社会学教授であるフィリップスは、自殺報道が自殺に及ぼす影響の研究をし、新聞の一面に自殺が載った直後には、自殺は統計学的に有意に増えていることを明らかにしている。』p142
     『いじめられた子が一方的に美化されたり、加害者が一方的に断罪されたり、さらに遺書が公開される形で自分の主張が全国に伝えられることが、死にたいと思っている子どもに暗示されることは、行動化の背中を押す。』p142
    『いじめられた子の1000人に一人も自殺していないのに、いじめだけが自殺の原因(もし本当にそうなら、はるかに多くの子どもが自殺しているはずである)のような報じ方をするのも危険だ。複合要因(家庭の問題や、ほかの悩みなど)が絡まないと自殺しないと言う報道をするだけで、はるかに子どもへの暗示力が弱められるかもしれない。
     やはり報道のあり方は、確実に問題にされなくてはけない。自分たちが結果として人を死に追い込んでおきながら、あたかも正義の味方みたいな顔をするというメディアのあり方は、どう考えても許しがたいことだと思う。
     そして、WHOも自殺報道のプレスコードを作るべきだと提唱し、すでにさまざまなガイドラインが各国で功を奏しているのに、日本のマスコミはそういうことにも不勉強だ。』p143
    『子どもがおかしくなっているのではない。マスメディアが子どもをおかしくしている面も確かにあるのだ。』p144

    『死の問題を恐れずに論じ、また死を選ぶことがいけないことであることや、そういうときには何らかの心の不具合が生じていることを教えるなどの自殺予防教育は、子どもの自殺を減らすのに相当有効なようだ。実際、アメリカやフィンランドなどでは、自殺予防教育がさかんに行われている。
     その自殺予防教育の肝とされることの一つに、「友達から、『死にたい』と言われたとき、どう対応するか?ということがある。「わたしなんて、もう生きててもしょうがないよ」と、友達に言われたときどう対応するか、前もって教えておくのだ。』p144
    『こんなときに、どう対応するかをシュミレーションするわけだ。ポイントは、「とにかく話を聞けるだけ聞いてあげる」こと。その上で『おまえがすごく辛いのは、よくわかったよ」などと言い、「じゃあ、一緒に先生の所へ行こう。付いていってあげるからさ」とか、「カウンセラーの所に行こうよ」と言う。聞いてもらって、多少心の余裕が出来たり、自分のことを大事に思ってくれる人がいることをわからせたうえで、大人や専門家の手にゆだねる道筋を付けていくのだ。また、死にたいと思っている子どものほうも、こういう自殺予防の教育を受けているから、マニュアルどおりの対応を話を聞いた友達がしてくれたときに、専門家のところに行くことに抵抗がなくなるというメリットがあるという。』p145

    ・「集団的浅慮」「リスキー・シフト」:『一人で判断するときより集団で判断をしたときのほうが、向こう見ずな結論を出しやすい』『さらには、集団で行動しているときのほうが、その行動を途中で、あるいは適当に手心を加えて、止めることができなくなってしまう、ということだ』p152
    ・『やはり集団リンチによる殺人では、もやは傷害致死は認めないようにすべき』『殺意がなかったと主張していても銃を持っ... 続きを読む

  • きちんと勉強させておくことこそ、「安全な子育て」。

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