アメリカの宗教右派 (中公新書ラクレ)

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著者 : 飯山雅史
  • 中央公論新社 (2008年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121502919

アメリカの宗教右派 (中公新書ラクレ)の感想・レビュー・書評

  • ここまで宗教が絡んでいることに衝撃を受けた

  • アメリカ人と宗教の関わりは深いなー。

  •  アメリカには多くの教派が存在し、それらの教派がどういった問題で賛成、反対を訴えているか、また急進から穏健までその程度が異なるということが解説されている。いかにアメリカの政治が宗教団体によって動かされているかということがよく分かる。
     メソジストやバプティスト、長老派、などの人たちの歴史的経緯と、各政権でどのようなスタンスを採るのかという話が整理されている。アメリカの政治や政治史を知るための1冊。(14/01/26)

  • 「アメリカ」を見るとき、市場主義や民主主義という点ばかりが強調され、宗教という側面が決定的にかけている。
    宗教を考えなければアメリカ理解はおぼつかないということをよく教えてくれる。

    信仰にまつわるものまで市場化されているアメリカ。
    ぶっとんでいる。在米中、ブッシュの支持者が大学にほとんどいなかったのに再選されてしまった理由がよくわからなかった。
    新書サイズでよく考えられたトピック。良著。

  • 2008年大統領選の直前に出版された本。「宗教右派」と言っても明確な定義があるわけでないことを前提としつつ、現代のアメリカの政治において影響力が増している福音派などキリスト教の各宗派の勃興を、建国以来の背景もとらえつつ俯瞰している。

    興味深かったのは、宗教右派とされるグループやムーブメントにも時代の移り変わりや、指示政党のブレがあるということ。また、米国で過去に宗教が力を持つときには、基本的にはグラスルーツ的な運動が大きな流れになり、政党が無視できないものに育っている。

    そういう意味では、2012年の現在、失速しつつあるとはいえティーパーティーを支持する連中も、流れ次第では息をぶり返す可能性があるのかもしれない。次回2016年の大統領選の時にはどうなっていることやら。

  • 民主主義の拡大というブッシュ戦略には宗教的信念が影響した部分はあるだろうが、アメリカは民主主義を守る特別な役割を持った例外国家だ、という意識はアメリカ国民に広く共有された考え方であって、福音派の特徴ではない。

    アメリカのカトリックの政治動向は日本ではあまり注目されていないが、2つの意味で重要。1つはカトリックには6,600万人もの信徒がいて単一の教派としては最大の勢力を持っている。もう1つの重要性はその膨大なカトリック票が共和党から民主党へ激しく揺れ動く究極の浮動票。だからカトリック票を制する者が大統領選挙を制するといっても過言でない。

    ブッシュ大統領は、最も好きな政治哲学者はだれか?と聞かれたら、すかさずイエスキリストと答えた。さすがだ。面白い。
    最近、日本ではなぜかサンデルが人気あるね。どうしてなんでしょうか? 
    私はピーターシンガーが好きです。
    まあシンガー好きなんて人は少ないでしょうね。でも彼はユダヤ人だから筋が通っているのだよ。

    アメリカの東部私立大学はもともと宗教系だから、それらのサイトを見ると理解が深まります。
    牧師の養成と子供たちの教育に注力した。会衆派はハーバードとエール。イギリス国教会はウィリアム&メリー大学、コロンビア。長老派はプリンストン。現在でもこうした大学で培われた人脈は政財界で強いネットワークを持っている。

  • 宗教が政治を支配するとも言われるアメリカの宗教の歴史・実情を描いた良書。
    非常に面白い一冊。

  • 最近アメリカの宗教界で力をもっていた、福音派(ファンダメンタリズム)=宗教右派の歴史が書かれている。

    アメリカの宗教、プロテスタントが分裂し、行き過ぎたリベラリズムの反動として、宗教右派が台頭してきたこと。その後、政治と結びつき、ブッシュ息子の時代にネオコン、ファンダメンタリストなどと結びつきあっていたのがよくわかる。

    日本の保守(右派)とは、また異なるので、そのあたりもおさえるには良い本だと思う。

  • [ 内容 ]
    アメリカ宗教右派は、大規模な草の根保守主義運動の展開で、アメリカの政治にインパクトを与えてきた。
    現代史におけるそのダイナミックな動きを、コンパクトにまとめたのが本書である。
    大規模な草の根保守主義運動の展開で、同時代のアメリカ政治にインパクトを与え続けてきた宗教右派。
    現代史におけるそのダイナミックな動きを、コンパクトにまとめたのが本書である。
    どうして巨大な勢力に成長できたのか。
    宗教右派を支持してきたのは、どのような人たちなのか。
    彼らが求めてきたものはなにか。
    これらを知らなければ、今のアメリカを理解することは難しい。
    本書では歴史を遡りながら、基礎知識としてのアメリカ宗教問題を説く。

    [ 目次 ]
    第1章 プロテスタントとアメリカ
    第2章 プロテスタント大分裂
    第3章 リベラルの時代
    第4章 宗教右派は何を求めているのか
    第5章 宗教右派の勃興とモラル・マジョリティー
    第6章 確立した宗教右派運動とキリスト教連合
    第7章 ブッシュ政権と宗教右派の絶頂期
    第8章 21世紀アメリカの宗教勢力地図
    第9章 宗教右派の停滞と福音派の影響力

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 一番勉強になったのは「宗教的中立とは何か」ということ。
    米における「宗教的中立」とは、教会と政府の分離。

    特定の宗教や教派を特別扱いしてはいけないということだが、
    政治に口をはさむなと言う概念ではない。
    (でも宗派は複数あっても、神は1人なのだよね)

    選挙の投票のために、いろいろな問題や主義主張に対する考え方を占めさせる「投票ガイド」はほしい

    以下引用
    P47プロテスタントの分裂は近代科学を受け入れる近代主義者と
    それを拒否して聖書を字句通りに解釈する原理主義者の論争から
    P222福音派は一枚岩の狂信集団ではないし秘密陰謀組織でもない
    極端な過激思想を嫌う「黄金の中間地帯」がしっかりしていれば大丈夫
    P244宗教と世俗権力が結びついていけば大きな不幸を生み出すことは歴史が証明している

  • アメリカのキリスト教と政治がどのように関わってきたかを把握するには最適の一冊です。とくに、一見複雑な民主党・共和党と宗教右派の関係が、とても分かりやすく説明されているのが助かりました。

  • 2009年11月22日読了

  • 『一見して、これはあべこべのように見えるかもしれない。一般的に、人民の権利を守るために、横暴な君主と政府の権力を制限する思想は「自由主義(つまりリベラリズム)」と呼ばれ、「保守主義」とは、封建制度や君主制を擁護する思想のことであったはずだ。ところが、アメリカにはそもそも守るべき君主制は最初からなくて、自由主義が建国以来の理念である。だから、その自由主義の伝統を守ることが、アメリカでは「保守主義」と言われているのだ。』
    『教派が支持傾向に影響を与えるのは、信徒が教派の教義に従って投票するから、というわけではない。植民地以来の歴史で、宗教や教派は、人種や出身告別に作られたコミュニティーと一体になっていたので、教派ごとに独自の文化と伝統が生まれ、所得階層も同じようなレベルの人が集まり、政治に求めるものも共有されていったからである。人種や出身国の区別は時間が経つにつれてあいまいになってきたけれども、信徒の教派への帰属意識は根強く残っていて、それぞれに独自の社会意識、政治意識が生まれてきたのだ。』
    『宗教保守層が膨張した理由は単純で、リベラルの行き過ぎに反発していた国民の数が多かっただけということだ。』
    大変面白かったが、話の途中で時系列がかなり前後するので混乱する部分もあった。
    年表が欲しいところ。

  • アメリカでの政治と宗教の切っても切れない関係。ブッシュ政権下で勢力を増したと言われているプロテスタント系ロビイスト、いわゆる「宗教右派」についての過去から現在までを概観した本。キリスト教に詳しくなくてもわかりやすいように、うまくまとめられている。巨大票田となっているが故に共和党の議員たちは宗教右派の主張(伝統的な家族観、中絶反対、同性婚反対)寄りになってしまう。大統領も一政治家である以上、また然り。信仰心の厚いブッシュ政権では宗教右派に近い政策が行われていたものの、近年ではその影響力にもかげりが見えてはいるらしいものの、その影響は無視できるものではない。環境問題では推進派と消極派の内部対立もあるようで、保守/リベラルの二項対立という単純構図が崩れつつあるのは日本と似ている。米国政治を語る上で避けて通れない要素であり、特に11月の大統領選を眺める上でも重要な視点を与えてくれる良書。ただ、経済右派の経済的な思想についてはあまりふられてなかったのが残念。新自由主義に近いようではあるんだけども、、、。

  • 非常に良く出来ている。本年度ベストワン。

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