郊外はこれからどうなる? - 東京住宅地開発秘話 (中公新書ラクレ)

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著者 : 三浦展
  • 中央公論新社 (2011年12月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121504043

郊外はこれからどうなる? - 東京住宅地開発秘話 (中公新書ラクレ)の感想・レビュー・書評

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  • 高度経済成長期に多々開発された「郊外住宅」の現在の状況と将来の展望について、現状分析や海外の事例などを参考に、論じた作品。
    既に、空き地・空き家問題が起こっており、人口減少社会の本格的な到来の前に、いち早く取り組まなければならない課題だと思う。

  • 1982年にパルコに入社した三浦氏が手がけた仕事は新所沢店出店のマーケティングで、それはパルコが創刊したマーケティング情報誌「月間アクロス」につながっていく。入社5年後の27歳の時に編集長になり郊外論はそのまま三浦氏のライフワークとなっていった。この本はそんな三浦氏が入門編として用意した東京の山手と下町、郊外の変遷から田園都市などが取り上げられている。三浦氏のこの本の続編とも言える「東京は郊外から消えていく」は以前に読んでてこちらは今住んでる人が次に住みたい町はどこかとかアンケートを中心にこれから人気の集まる街を予想して、一方では空き家問題を取り上げていた。どちらかといえばこのほんの方がお勧め。

    明治期の地図を見ると鉄道は海岸線、時々海の上を走っており築地や月島は既に埋め立て地になっていたがお台場やら羽田やらは昭和の初めでもまだ海苔の養殖場だった。さらに遡ると1603年に埋め立てられるまでは日比谷は入江になっており和田倉門は海に面していた。銀座のあたりは前島という半島だったが丸の内は良くて湿地帯だったのだ。明治期に入ると本郷界隈が住宅地と開発され最初の山手となった。

    路面電車が整備されるとそれまでは郊外だった山手線内側の西半分に人が住むようになり山手となった。御殿山、代官山などその名の通り高台にあり、坂を下ると下町がセットになっている。大正〜昭和初期に中央線の高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪が郊外住宅地として開発され渋沢栄一の田園都市会社が洗足、大岡山、田園調布を開発しはじめた。田園調布の分譲開始は関東大震災の1923年でこのころ東京の下町だった東側から西側への重心の移動がすすんだようだ。

    「アクロス」が第四山手ゾーンと呼んだたまプラーザに代表される東急田園都市線沿線が発展したのは1960年代で85年に「金妻」の舞台となったことからメディアにも取り上げられるようになっていく。バブル期には郊外はとんでもない範囲にまで拡がるがこの当時の千葉・茨城の新築マンションの広告コピーが非常に面白い。

    「ゆったり暮らす。(牛久)」「シティの風、リゾートの風、レイクフロントへようこそ(土浦)」「都心へツー・オン50分圏(野田線はっきりしないが運河のあたり)「暮らしが都会へ急接近しています。(東金)」

    当時は住宅の平均分譲価格が年収の10倍以上で例えば吉祥寺駅前の70平米、築15年のマンションが1億2千万円、今なら6千万円ほどなのだが。今の蘇州でもちょっとした高給取りで年収が10〜20万元なのにアパートの価格はちょっと安めで平米8千〜1万元とかから、高いと2万を超えている。最近は60平米台の部屋の広告もあるけど普通は100平米からとかだからローンで家を買うのはお勧めできないのだがまだ上がると信じてる人達はなかなかブレーキがかからないらしい。給料は上がり、買った家の資産価値は上がり続けローンの支払いは実質減るという時代が確かに10年ほど続いたのだけどね。

    郊外がどうなるかというと確実に進むのが少子化と高齢化。これと言った解決策が出てるわけではないが住んでる人達がどうやって街の価値を高めていくかだろう。空き家対策にしても防災対策にしても地籍がはっきりしないケースが足をひっぱりそうだ。アベノミクスでは少子高齢化対策と女性の社会進出を両方やると言っているがそのためには職住接近して共働きでも子育てできる社会にしていかないと無理があるように思える。

  • 1990年代の米国ニューアーバニズムにおけるアワニー原則。

  • 読了。

  • 郊外に住む者として興味がありました。人口減となっていく中で郊外の何に価値を求めるかが重要でしょうか。

  • 軽い語り口のところもあるけど、全体的に興味深く読めた。
    郊外が成り立ってきた歴史と、広げていく広報のイメージ戦略的な部分など。

    目次
    第1章 第四山の手論
    第2章 東京は増加する人口を吸収してきた
    第3章 山の手の条件
    第4章 郊外の文化論
    第5章 郊外の歴史と問題
    第6章 郊外の未来

  •  書名とは違い、「山の手と郊外は西進した。」「山の手には常に下町が隣接する。」「日本の郊外はアメリカをイメージしている。」等、雑多な内容である。

    マーケティング的東京論とは、所沢は「第4の山の手」というように、無いものを作り出す、見えないものをあぶり出す、ロールシャッハテストのように、有るものをそう見えるようにすること?=預言者、創造主、ペテン師、マジシャン???

    「郊外の社会学」と比較するつもりだったが、論点がまったく違った。

  • 山ノ手と下町の違いがなんとなくわかった。山ノ手や下町も時代で流動的に変わるもの。

    郊外化は画一化、均一化の問題を持つので一気に街の空洞化が進みやすい。

    それを考えると今後は異世代、異文化が混ざり合う街に住むことが良いのかもしれない。

  • 主に戦後の「郊外」の歴史と背景を様々なデータで検証した本。郊外といっても、その成り立ちはそれぞれ。さらに住む人、その時代には理由がある。海外の例も含めて、まちの出来上がる経緯と衰退を予測。ニューアーバニズムというコミュニティを醸造する仕組みは、今の日本の郊外都市に必要な考えだと思う。

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郊外はこれからどうなる? - 東京住宅地開発秘話 (中公新書ラクレ)の作品紹介

高い理想の下につくられ、マイホームへの憧れとともにあった東京郊外。その知られざる開発秘話を掘り起こし、光と影を検証する。30年間、郊外を市場調査・研究してきたパイオニアが、「山の手」と「下町」の推移、「逆開発」のまちづくり等を説く。東京郊外論の基本常識。

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