ハーフが美人なんて妄想ですから! ! - 困った「純ジャパ」との闘いの日々 (中公新書ラクレ 420)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121504203

感想・レビュー・書評

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  • 「ダイバーシティ」や「ボーダレス」などキーワードは重要になっていくと思う。性的マイノリティの方とか障害のある方に関しては、最近テレビでも取り上げられることが多くなったように思うけれど、ハーフの方の苦労はなかなか知る機会がないので、本書は貴重な情報源になる。純ジャパとの対話例は、地方だとより現実に有り得そうだ。ドイツ人と結婚して子どもに付ける名前として、WilhelmとかFriedrichとかLudwigという名前は古すぎるという感覚は知らなかったなあ。

  • 「滝川クリステルのようなハーフはめったにいない 」というところで吹きました(笑)。


    全体として笑える本なのですが、ハーフが日本、そしてもう一つの親の国でどんないじめに遭うかなども具体的に書かれています。
    「ガイジン」と呼ばれる外国人とハーフでは、感じ方が違うとも。
    ハーフの子どもがいる方は必読の書だと思います。

  • サンドラさん週間継続中です。
    題名はちょっと俗っぽい雰囲気ですが、中身はとっても真面目にハーフの現実を語っています。
    以前からハーフの人は自国の中でアイデンティティを保つのが難しいと聞いていましたが、今回様々なハーフの人たちの切実な状況を知って、本当に厳しい現状があることを知りました。
    一見華やかに見えるハーフの日常ですが、実際は「母国が2つ」あるにも関わらず、どこにも居場所がない寂しさを味わうようです。
    また、鎖国を引きずっているような古く無知な純ジャパの差別。
    私たちはもっと国際的にならねばね。


  • 高知市内。駱駝別邸の塩タタキみたいな1冊。期待していた通りのことを、期待していた以上に教えてくれた。前回読んだ「極上の孤独」とかいうクソオナニー本の後だったから尚更なのか。知らなかったなーってことばっかりでとっても面白かった、というかタメになった。

    読んでみて今一度思う。
    もしもハーフに生まれ変われるなら、是非生まれ変わりたい。だってハーフであることの苦悩より、ハーフであることの喜びの方がはるかに大きいだろう。マイナスな話は「思い込みや偏見による人間関係の煩わしさ」にほぼ集約されているけど、裏を返せば、それだけ偏ってくれてるからひっくり返すのも簡単だということ。逆に驚かせてあげたら全てうまく進む。何もない没個性が仲間に入るのよりはるかにイージーモードだろう。

    仮に外国語が話せて、しかも国籍が2つなんてあってみ?どんな旅券より素晴らしい!ひたすらに羨ましい!日本に生まれ日本人として日本人の世を生きるのも楽しいけれど、一度きりの人生をどう転んでもドラマティックにしてくれる幻の旅券、それがハーフだと思う。どう転んでも魅力的だわ。

  • 日本人のハーフへの認識。やっぱり偏見があるよね。
    これからの日本がもっと多様性を認められる社会になるように祈るばかり

  • 【感想】
     卑近な例では『レバレッジ○○術』がレバレッジを連呼するように、本書ではハーフという文字が氾濫しており目次を見るだけでゲシュタルト崩壊が起きそうになるが、それでも大事なお話なので読みましょう。
     話題の広がりとしては、国籍・戸籍や社会階層や人種・血統や偏見・いじめ・差別やバイリンガル教育や学校選択や容姿や氏名や親子関係やオッサンあるあるなど多岐にわたっている。
     著者は本を多数刊行しているだけあって、こういったテーマの紹介が上手い。実際、著者氏名を例に「場に応じて、名前をどう表記するか・どう名乗るか」を説明をしている項(112ー113頁)など抜群に分かりやすい。

    【書誌情報】
    初版刊行日:2012/6/10
    判型:新書判
    頁数:224ページ
    定価:本体740円(税別)
    ISBN:978-4-12-150420-3
    http://www.chuko.co.jp/laclef/2012/06/150420.html


    【目次】
    はじめに [003-017]
      ハーフというと?
      ハーフ・マトリックス
      ハーフ? それともダブル?――そのほか呼び方について
    目次 [018-023]
    凡例 [026]

    第1章 ハーフと言ってもピンからキリまで 027
      テレビの中のハーフはみんな華やか
      日・独ハーフに生まれて
      ハーフはモテるのか?――ハーフと容姿
      ハーフと財力
      ポジティブ連鎖とネガティブ連鎖
      現場ハーフ

    第2章 ハーフのまわりの困った純ジャパ 053
    1 積極的すぎる人々 054
      初対面で両親の馴れ初めを知りたがる質問マニア
      英語話したがりのオジサン
      ハーフや外人を狙う割り込みオバサン
    2 思考停止する人々 067
      日本語で聞いても英語で返す駅員さん
      頭の中が真っ白になるファストフード店員
      ガイジン顔の日本人が理解できない人々
    3 偏見のある人々 074
      「外国の女は軽い」と思う人々
      フランス・コンプレックスの先生
      不審がる銀行員
    4 親 085
      ハーフにとって一番身近な困った存在、勘違いママ
      離婚した後、子供のもう一つのルーツを否定する親
      目立ちたがり屋のパパに悩まされるハーフ
    5 理想の純ジャパ 104
      ハーフにとって、ありがたい純ジャパとは?

    第3章 ハーフの「揺りかごから墓場まで」 107
    1 誕生 108
      出生届はどこに提出?
      名付けは一生の問題
      国籍という武器
    2 幼少期(1歳~6歳) 130
      ライフブランはお早めに
      バイリンガル教育は根気が勝負
      しつけはどちらの国流?
    3 学校生活(小学生~大学生) 149
      校則に引っかかるハーフ
      ハーフといじめ
    4 社会に出る(社会人~?) 170
      就活ハーフ
      ハーフとバイト
      会ったとたんビックリされるハーフ
      ハーフと結婚
    5 年を取る 189
      劣化ハーフ
      いつお国に帰られるのですか
      墓場までハーフ

    第4章 日本社会の片隅でハーフが叫ぶ 197
    1 ハーフと愛国心 198
      日本とフランス、どっちを応援するの?
      ハーフはなぜ「愛国心」を持ちづらいか
    2 ハーフと日本人 208
      ハーフを通して「日本人」を考える
      ハーフ? 日本人?
    3 ハーフと地元力 214
      どちらの国にも「ただいま」と言える幸せ

    おわりに(2012年5月 サンドラ・ヘフェリン) [219-222]

  • おもしろいしためになる。
    偏って見方してたなって反省になった。

    バックボーン知らないって怖い。

  • ハーフ、と聞くといいイメージしか沸かないのは
    芸能人のせい…かもしれない。

    ハーフの方々を襲う偏見の嵐と、外見上の悩み。
    そして、そんな彼らの周囲の日本人。
    具体的に例が出てくるので、そんな事が?! という
    驚きが大量です。

    そもそも今まで生きてきて、ハーフを見た事がないです。
    なので、こういう悩みが、というのに驚きです。
    親の教育方針もそうですし、離婚調停中に
    子供を連れて帰ると犯罪者、とか。

    ハーフを作るのだ、と意気込む親の期待もすごいです。
    自分の子供に変に期待をかける親はいますが
    生まれる前から、というのがあるのですね…。
    この場合、伴侶は道具状態なのでしょうか?
    親の方の心理も知りたいです。

  • ・「ハーフ質問あるある」はああ、確かにそういう質問しちゃうだろうなという項目満載。
    ・背が高い自分が「身長何cmあるの?」って聞かれ続けてる以上に好奇の目でもっとプライベートな面を初対面で聞かれるということであると。
    ・島国だから余計に排他的なところがあるのでしょうか、この国は。

  • 今年一緒にお仕事させていただいた日独ハーフ、サンドラ・ヘフェリンさんの、タイトルがなんとも衝撃的な著作です。普段なかなか知ることがない、ハーフの方が遭遇する悲喜こもごも。読んでいると「なるほどっ!」と思わされることがたくさん。「困った純ジャパ(純ジャパニーズ)の言動」には私も言ってる…とギクッとさせられる部分もありました。
    ハーフが、とか純ジャパが、とかだけでなく、人の多様性そのものについて考えさせられる本でした。
    文章や内容がとっても面白く、非常に読みやすいですし、ぜひ大勢の方に手にとってほしい一冊です。

著者プロフィール

ドイツ・ミュンヘン出身。日本人の母とドイツ人の父を持ち、日本在住は20年以上。日本人でありドイツ人でもあるという立場から、ハーフ、多文化共生などをテーマに発言や執筆をおこなっている。『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』(中公新書ラクレ)、『体会系 日本を蝕む病』(光文社新書) 『なぜ外国人女性は前髪を作らないのか』(中央公論新社)ほか著書多数。

「2022年 『ほんとうの多様性についての話をしよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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